極大迷宮篇 Ep.08『巨兵』
灰色の蠢く骸骨アザースケルトンは斬り付けたとしても殴り付けたとしても大抵が同じような反応を見せる。だからこそ振り下ろしの一撃や薙ぎ払いの一撃によってどこかの骨を砕くことでよろめかせた瞬間に繰り出す追撃によって残る全身の骨という骨を粉砕することで倒すことができる。
強さ自体は大した問題じゃない。面倒なのは耐えず一定の体数を保っているその数だけ。
単体を別々に倒したとしても戦闘を終わらせられないのならば纏めて倒せばいい。
言葉ではなく視線を交わして俺とハルは左右に別れるとアザースケルトンを倒してしまわないように気を付けながら攻撃を行い狙いの位置へと誘導していく。
「<爆斧>」
着実に距離を詰めながらアザースケルトンが一カ所に纏まったその瞬間、ハルが斧槍を力一杯に振り回しつつ得意のアーツを発動させた。
力強い斬撃と巻き起こる爆炎に飲まれていくアザースケルトン。
僅かなタイミングの誤差もなく全てのアザースケルトンが砕け散った。
「ナイス!」
「おうよ!!」
攻撃を終えたハルがその手にある斧槍を仕舞いながら軽く手を上げて応える。
地面に無数に散らばっている光石を回収しながら先に進む。
青い通路はいつしか青い回廊となっているようで自然と同じ方向に曲がることが多くなっていた。まるで渦を描いているみたいに中心へと向かっていると程なくして閉ざされている巨大な扉が見えてきた。
「この先に何がいるのか」
「いつものパターンならこの先にいるのはボスモンスターってところだろうけどさ」
眉間に皺を寄せながら腕を組み、じっと扉を見つめているハルが険しい視線をこちらに向けてきた。
「ここに来る時にすらくず鉄の主を倒す必要があったんだぞ。仮にこの先が出口に続いているのだとしてもさ、入る時も出る時もボスモンスターを倒すなんてことがあると思うか?」
「…正直に言っていいか?」
「ああ。もちろん」
「思う」
「…そうか」
ハルが懸念していることは決して無い話ではないように思えた。心の中で一人“異層”と呼んでいるようなイレギュラーな場所では何があったとしてもおかしくはないという懸念が一向に拭えないのだ。ハルが心配しているようなことになる可能性は高いと即答すると考え込むように俯いてしまった。
扉の前で立ち止まったまま数秒。
仄かに漂ってきた焦げたような臭いに顔を顰めてキョロキョロと辺りを見回してみると、僅か1センチにも満たない扉と床の隙間から白い煙のようなものが染み出してきた。
「ん?」
気が付く前は解らなかったが注意深く自分の足元を見てみるとだいたい足首あたりまでが白い煙が覆われていた。
「この臭い。まさかこの向こう側が燃えてたりするのか?」
起用に鼻をヒクヒクさせながら扉を睨み付けていたハルがしゃがみ込み扉の下にある隙間から覗き込もうとしていた。
「うわっ!?」
まるでハルが身を屈めた瞬間を狙い定めていたかのように漏れ出している煙が色を濃くした。
一段と強くなる焦げた臭い。
カッと目を見開いて扉の奥を覗き込もうとしていたハルは煙に目が沁みたのか涙目になってしまっている。
「大丈夫?」
「ああ。このくらい何でも――」
無いと言おうとしてハルは言葉を詰まらせた。HPゲージに変化は見られなかったものの、俺の視界にも見えているハルのHPゲージの下に目玉を模した模様に大きくばつマークが記されたアイコンが浮かんでいた。
それは暗闇状態。つまりは視界不良に陥った状態異常になっていることを示すもの。程度はあるが目が見えなくなっているということだ。
「ハル?」
「大丈夫。状態異常を治すポーションならあるからさ」
自身のストレージから透明度の高い緑色の液体が入った瓶を取り出してハルは一気にそれを飲み干した。
瓶の中身が空になった瞬間、ハルのHPゲージの下にあったアイコンはすうっと消えた。
「この煙が充満している部屋ってことなら状態異常回復のポーションがどれだけあっても足りないぞ」
「進みたくねぇー」
頭を抱えてしゃがみ込んだハルは足元に漂っている煙が近くなったことに気付き、慌ててバッと身を起こしてしゃがみ込んだときと同じ格好でピンッと背筋を伸ばして立ち上がった。
「ふぅ。びっくりしたぁ」
汗を拭うモーションをしながら一歩後ずさる。
漏れ出している煙はハルが離れたことで当初と同じくらいの濃度に戻った。
「よし。引き返すか」
状態異常を受けたことで進むことを躊躇するハルが聞いていた。
「その前に。ハルは状態異常耐性系のスキルは取ってなかったっけ?」
「あるに決まってるだろ」
「そりゃそうだよな」
「しかも“耐性”じゃなくて“無効”にまで育ててるぞ」
当然のことであるように話すハルに俺は自分のスキルのことを思い出して訊ねてみることにした。
「俺も≪状態異常無効≫のスキルは持っているけど、ハルも同じか?」
「レベル表記が無いヤツだよな」
「ああ」
「だったらオレも同じだな。多分それが普通に育てられる状態異常耐性系のスキルの最上位だと思う。これ以上強化しようとするなら何か別の条件があったはずだ」
「ハルはそうしなかったのか?」
必要がないと思って調べてもいなかったことだが、ハルが知っているのならば教えて欲しいと聞く。
「確か“無効”の上となると≪状態異常“反射”≫だったと思うんだけどさ。それは状態異常攻撃を受けた時に確率で相手にその状態異常を跳ね返すってものなんだ」
「うん」
「けどさ。よくよく考えてみろよ。戦闘が長引くような状況で戦うモンスターに状態異常が効くと思うか?」
「毒とかなら」
「このゲームでいう毒っていうのは継続するスリップダメージが発生するってだけだろ。そんなものをあてにして戦ったりするか?」
「いや、しない…かな」
「だろ」
歯切れが悪くも答えた俺にハルはニヤリと笑ってみせた。
「しかも跳ね返すってことは相手がそれを使ってくるってことだ。そもそもからして自分が使う状態異常に耐性がないモンスターなんてあり得ないだろ」
「確かに」
「ってなわけでよほど余裕がない限り習得していないと思うぞ」
スキルポイントには限りがある。
同じだけ消費するのならば別のスキルに当てるということだろう。
「まあ、それはさておきだ」
「ん?」
「さっきの状態異常は無効スキルを貫通してきたからヤバいって言ってんだ」
「なるほど」
ハルが警戒していることは理解できた。
「ハルは進むことに反対なのか?」
二人して扉から離れた場所に立って相談している。
扉から離れれば離れるほど煙は見えなくなり、三メートル程離れてしまえば煙など存在していなかったかのように自分の足も綺麗に見える。
「戻る事もできなくはないと思うけどさ」
振り返り来た道を見る。
渦を描くようにグルグルと歩いてきたが、一本道なのは変わらない。
道中戦ったモンスターはアザースケルトンだけ。これならば引き返して戦闘になったとしても容易に突破することはできる。
慎重になるというのならば進むことよりも戻る事のほうが安全であるのは間違いなさそうだ。
「俺は進んだ方がいいと思う」
意外なことに俺は引き返すという選択肢に魅力を感じられなかった。
安全策を取るのは間違いではない。しかしそれが正解だと言い切れるほどではないように思えた。
「オレみたいに状態異常を受けるかもしれないんだぞ」
「わかってる。アイテムに限りがあるのも理解しているさ」
「だったら…」
「それでも引き返すよりはこのまま進んだほうが良い気がするんだ」
「うーん」
不自然なほど強く言い切る俺を見てハルが首を捻った。
確かに自分の発言を後押しした根拠はただの直感でしかない。
ここでハルと別れて進むという選択はないとはいえ、二人の考えが纏まらないままここで延々と考えているだけでは駄目なことはハルも俺も理解していた。
どちらかが折れる必要がある。
進むか戻るか。
互いの意見に対する決定打は得られないまま痛い沈黙が続く。
「ん?」
ふと遠くの方で音がした。
「何だ?」
そして近くの方でもそれと似た音がした。
ハルと並んで耳を澄まして聞こえて来た音の正体を探る。
「あの扉の奥で爆発でも起きたのか?」
聞こえて来たのは爆発音だとハルが言う。
「遠くの方で何かが崩れたような音がしない?」
俺が耳にしたのは昔見たニュース映像にあった崖崩れと似たような音。それは自分たちがここに来るまでに通ってきた通路の先から響いている。
「まさか!」
「嘘だろ!?」
二人の声が重なる。
「待って」
バッと引き返そうとしたハルの手を掴み止める。
掴んだ俺の手を更に掴み動き出そうとするハル。
「ここに居たら爆発に巻き込まれるかも知れないぞ」
「ハルこそ。今戻ったら崩壊に巻き込まれる」
互いの身を案じて行動を決めようとしている二人の言葉が交差する。
「爆発?」
ハルの言葉の中にあった単語を繰り返す。
「崩壊?」
今度はハルが俺の言葉の中の単語を反芻した。
「何を言っているのさ。聞こえなかったわけじゃないだろ? 扉の先で爆発が起きたんだよ!!」
「ハルこそ。来た通路の向こうで崩壊が起きた音が聞こえているだろ!?」
一歩も動かないと頑なになった俺と、一秒でも早くこの場から離れようとしているハルの相反する態度がぶつかり合う。
それでも強引に引き摺ってでも動こうとしないのは互いが言っていることが気になったから。
「この向こうから爆発音が聞こえてきたってのか?」
「ああ。ユウも聞こていたはずだ」
「まあ、確かに何か音はしたと思うけどさ。それよりも向こうから聞こえて来た音の方が大きかったし、ヤバそうな雰囲気があっただろ」
「それがお前の言う崩壊の音ってやつか」
「聞こえてたよな?」
「まあ、うっすらとだけどさ」
どういうことだと首を捻る。
ハルが嘘を言っているとは思えない。自分も嘘を吐いているつもりはない。
であれば、
「まさか聞こえている音が違う?」
「いや、そんなバカな。別々の場所にいるのならともかくさ。オレもお前もこうしてすぐ近くにいるっていうのに」
意味が分からないと互いの顔を見合わせた。
「わかった。それならとりあえずハルが言うように引き返そう。今ならまだ崩壊を免れることができるかもしれない」
互いに聞こえた音が間違いじゃないのならばと自分の意見を変える。するとハルが、
「いや、崩壊ってのが本当ならばそれに巻き込まれる方が危険だ。オレに聞こえて来たのは爆発音だったからな。ちょっとした爆発ならオレのアーツで相殺できる」
そう言って自分の意見を変えてきた。
感じていた危険度が変わった故の変更だったが、それを期に聞こえていた音で気になっていたものが変わった。
扉の向こうから聞こえてくる爆発音が大きくなり、遠くから聞こえていた崩壊の音が小さくなったのだ。
ハッとしたように扉を見る。
俺の隣で遠くを睨み付けたハルの様子を見る限り、自分と同じような状況になったのだろう。
「ユウ。気付いているか?」
「ああ。多分だけど、自分の言葉で注意を引く音が変わった」
「少し試すぞ」
それまでとは違い動き出そうとはしないでハルがもう一度、
「密室で爆発に飲まれる方が危険だ。多少の崩壊なら無理矢理にも突っ切れるかもしれない」
自分の意見を変えた。
するとハルの視線が扉の方へと向けられた。
「爆発音が大きくなった」
「つまりこういうことか? 自分が進もうとしている方向からその意思を阻害する音がより大きく危険なものであるように聞こえているってことか」
「みたいだな」
どういう理屈でそうなっているんだ。
突入しているプレイヤーが一人ならばどうにかして音響に指向性を持たせることもできるだろう。しかし今は違う。この場にいるのはハルと自分の二人。加えて当初二人が危険視していたものは異なっていた。その上で一度意見を変えたりもした。変えた意見に合わせて聞こえていた音も変わったのだ。
まるでこちらの思考をトレースしているかのようなシステムに驚愕と困惑が脳裏を駆け巡っている。
「こうなるとさ、実際にはどっちに進むべきか解らなくならない?」
「進んでも戻っても同じってことかもしれないな」
天井を呆然と見上げているハルの呟きに何の気なしに答えると二人の間に僅かに緩んだ空気が流れた。
「結果が同じならさ、進む一択だよな」
「いいのか?」
初めに来た道に戻る事を提案したのはハルだ。仮に結果が変わらないというのなら自分の意見を優先しようとしてもいいはず。
「もちろん。進めるというのなら進むべきさ」
「わかった」
ゆっくりと扉に近付いて行く。
徐々に扉の向こうから響く爆発音が大きくなる。
足元に漂う煙が色を濃くする。
「準備はいいな?」
声を掛けてきたハルの手には状態異常を回復させるためのポーションが握られている。
自分も彼に倣いストレージから同じポーションを取り出すと剣銃を持たない左手に握って頷いた。
「開けるぞ」
既に臨戦態勢となっているようでハルは兜を装備して更に斧槍をポーションを持っていない方の手で掴んでいる。ポーションを握ったままでは扉を押せないと斧槍を穂先近くで短く持って扉に手の甲を押し当てた。
「熱くない?」
「ああ。何も感じないな」
鎧越しであっても多少の感覚はある。それこそ熱いや冷たいなどという感覚はしっかりと残るものだ。
生物的な鎧――この場合は甲殻というべきか――ではその傾向はより顕著なものとして現われる。ハルが装備している鎧はそうではなくあくまでも通常の防具でしかないが、それは指先の感覚を途絶することにはならない。感覚を閉ざすような着心地の悪いものにはしないという配慮はゲームの特性ともいえるだろう。
「それに、思ったよりも扉は軽いみたいだ」
体重を掛けてハルが扉を押し開けると特に大きな音を立てることなく向こうから眩いばかりの光が差し込んできた。
足元に漂っている煙は先程のハルみたいにしゃがみ込んだりしなければ吸い込まないで済む。
人が一人通れるだけの幅をハルが体を傾けて通り抜けるとその後に自分も続く。
「それにしてもさ、随分と静かだ」
先んじて部屋に足を踏み入れていたハルがしみじみと呟いた。
光に包まれてよりはっきりと見える青一色の部屋。壁には窓に該当するものはなく、当然のように天井にシャンデリアなどありはしない。無数に敷き詰められている長方形に整えられた青色の石のブロックの隙間から降り注ぐ光が電灯の代わりにこの部屋を照らしている。
「爆発音はどこからしていたんだ?」
「さあな」
近い距離を歩き回って見ていたハルが聞いてきた。爆発の残滓すら見つけられずに何もわからないと答えた後、二人の身体が完全に部屋のなかに入って程なくしてバタンっと言う音がした。
二人が揃って振り返ると開かれていた扉がいつの間にか閉まっていた。
「えっ、嘘、閉じ込められた?」
「このパターンは…」
戦々恐々と表情を曇らせたハルが呟き部屋の隅々にまで視線を巡らせている。
一瞬、部屋に満ちている光に影が広がった。
「っつ!」
「何だ!?」
二人が同時に天井を見上げた。
最初それはただの塊だった。
くすんだ鉄の色の歪な球体だ。
まるで楔が外れたかのように重力に従いそれは垂直に落ちてきた。
あまりの自重にその球体は地面に激突した瞬間に半分以上めり込んでしまっている。
無言のままあれに攻撃して良いものか解らずに手を出せずにいると地面にめり込んでいた球体がゆっくりと浮上を始めた。
地面を離れて空中に浮かび始める球体。
重力に逆らい浮かぶ球体はゆっくりと自転を開始した。
「何がくる?」
警戒心を露わに声を低くするハル。
今は必要ないと状態異常回復用のポーションをストレージに戻し、手の中にある剣銃を銃形態に変形させた。
引き金に指を掛けて銃口を球体に向ける。
いつもならこの段階で対象の名称とHPゲージが見えてくるのだが、今回は未だに何も見えてこない。
「攻撃対象じゃない?」
「まさか。ここまで仰々しく登場して何もありませんなんてことあり得ない!」
浮かんだままを口に出しただけだというのにハルに強く否定されてしまった。
これも全て謎の挙動を見せている球体のせいだ。
ちょっとした苛立ちをぶつけるように引き金を引くと撃ち出された光弾が球体に当たり弾けた。
「ユウ?!」
「あ、いや、すまん。つい」
不用心というか短慮な行動だったとは思う。反省はしていないが。
それにしてもと球体を見る。
光弾が命中したというのに焦げ痕一つ付いていないのはそれ自体がエリアやダンジョンに存在している破壊不能オブジェクトのように設定されているからか。
速くなったり遅くなったりを繰り返す自転をしている球体が突然その動きを止めた。
宙に浮いたまた静止した球体に無数の溝が現われて、驚いたことに鼓動を脈打ち始めたのだ。
一度、二度と鼓動が繰り返される度にちょっとずつ肥大化していく球体。
いつしかそれが元の倍ほどの大きさを超えた頃、まるで卵から雛が孵るように球体が展開した。
卵の殻の役割を担っていた外殻が剥がれ落ちて地面に転がる。
そして全ての外殻が取り払われた後に現われたのは膝を抱えた格好で丸まっていた巨人だった。
生物ではない。肉体を構成しているのは全て金属の部品。
ゆっくりと地面に降り立って身を起こす。
自分たちの倍ほどの体長がある巨人は真っ赤に光る光点のような一つ目をこちらに向けて来た。
【スクラップ・ギガンド】
いつものように見えてきた名称に激しいノイズが迸る。
【くず鉄の巨兵】
ノイズが収まり次いで現われたのは異なる名称だった。
「こいつ、異層に来た時に戦ったくず鉄の主に似ているな」
「そりゃあ名前からして同じ系統のモンスターだろうさ」
剣銃を再度剣形態に変えて一歩下がり距離を保ちながらの一言にハルが丁寧にも答えていた。
一つ目の巨人。それはくず鉄の主と同じ。だが、目の前のくず鉄の巨兵は違う。大剣を持っているのではなく拳を覆っているいくつかの棘が付いたぶ厚い鋼鉄のプレート状の装甲を武器としているようだ。加えて目立つのはその異形。腕が四本で脚も四本。下半身は蜘蛛のような多脚型で腕は同じ作りをしたものが左右に二つずつ。
巨人ではなく巨兵となっているのは、その身が人型と呼ばれた範疇から逸脱しているからか。
「案外解りやすい展開じゃないか」
軽口を叩きながらハルが斧槍を両手で振り回して身構えた。
「<アーマード>」
オレンジ色をした装甲がハルの周囲に出現し、彼の体に装着されていく。
「まだリキャストタイムは終わっていないのか?」
「残念だけどこの戦闘が終わる前には間に合わなさそうだ」
「わかった」
特別残念がるのでもなく淡々と状況を把握したというようにハルが頷く。
「だったら普通に戦うぞ」
「もちろんだ」
名称が見えればHPゲージも視認できる。
腕や脚が二つずつあるようにそのHPゲージも二本確認できた。
これまでもHPゲージが複数持っているモンスターとは何度も戦ってきた。そういう意味では二本という数はまだ少ない方だとも言える。
くず鉄の巨兵が動き出す前に先制攻撃を行うべきだと俺とハルはそれぞれ左右に別れて駆け出した。
四肢は二つずつあったとしても頭部は一つ。瞳も一つ。であれば当然どちらかを視界に捉えればどちらかを見失ってしまう。
重い鎧を纏っているために通常は速度が遅くなるが<アーマード>を発動しているおかげでハルの行動するスピードが上がっている。走る速度だけではなく攻撃の速度もまた通常時よりも加速しているのは間違いない。防御力よりも速度が高い俺と遜色のないスピードでくず鉄の巨兵の右側に辿り着いていた。
「ハアッ」
斧槍を勢いよくくず鉄の巨兵の脚に向かって叩き付ける。
アーツを発動させていないために爆発は起きない上に硬い鋼鉄を叩いた時のような重く鈍い音が響き渡った。
「与えられたダメージは見た目通りっぽいな」
苦笑なのかただの確認なのか。ハルの口から出た言葉はさほどショックを受けていないように感じられた。
ハルに遅れること数秒。俺も攻撃を開始する。
こちらの攻撃が通り難いのはハルが実証済み。加えて射撃のダメージが微々たるものにしかならないのは先のくず鉄の主との戦闘で経験済み。であればこそMPの残量を気にしないでアーツを主体で戦うべきである。
「これもボスモンスターとの戦闘の常って感じだな」
これまでにも何度戦闘の意識を切り替えてきただろうか。一度や二度、どころか十や二十では収まらない数だ。その度に声に出して自分に語りかけるようにしてきた。今回もそうだ。気持ちを普通のモンスターとの戦闘からボスモンスターとの戦闘に切り替える。
「こうなるとできれば竜化を使えればよかったんだけど」
それでも全ての攻撃をアーツに切り替えることはできない。威力が高い攻撃になればなるほど大振りになる傾倒があるのは自覚しているからだ。そのために通常攻撃でリズムを作り、的確なタイミングでアーツを放つ。
剣銃で牽制のようにくず鉄の巨兵の脚を切り付けてみるが、相手に怯んだ様子は一切見られない。それはただ防御力が高いだけではなく、機械の体であるが故に痛覚のようなものが存在していないのが理由であるようだ。
「牽制すらも無意味って…っか」
突然頭上からくず鉄の巨兵の拳が振ってきた。
咄嗟に避けて空振った拳が地面に深くめり込んだ。
続けて二発目。
左側だけでも二本ある腕が交互に拳を叩き付けてきたのだ。
「おっと」
くず鉄の巨兵が行う拳による連続攻撃をジグザグに跳んで攻撃を避ける。
またしても地面を抉った拳が自分を追いかけて繰り返し迫ってきた。
「あーあ、地面がめちゃくちゃだ」
攻撃を避けながら反時計回りに走る。
自分を追いかけた攻撃がなされる度に作られていく無数のクレーターはいずれ自分たちの行動を阻害する罠へとなるだろう。
だとしてもその拳を受け止めることは不可能に近い。
この判断は俺よりも高い防御力を誇るハルですら同じみたいだ。
「ハル!」
「何だ?」
「手を貸せ!」
攻撃を回避するために走り回りながら叫ぶ。
俺とぶつからないように走っていたハルがちらりとこちらを一瞥したのがその頭部の動きでわかった。
「ヤツの頭を吹き飛ばす」
そう宣言するとハルは一瞬困惑したように足を止めそうになったが、すぐにこちらの意図を理解したと走る方向を変えて向かってきた。
「合わせろ」
「そっちこそ、しくじるなよ」
「解っているさ。<インパクトノーツ>」
次撃の威力を高める補助アーツを発動させて急ブレーキを掛けたハルと合流する。
「跳べ」
地面に斜めに構えた斧槍に足を乗せた瞬間、ハルが力一杯に斧槍を振り上げた。
ハルの体を支点としてカタパルトの如く打ち上げられる。
自分の体がふわりと浮いてそのままロケットのようにくず鉄の巨兵の身長を飛び越えた。
魔導手甲を装備した左手をくず鉄の巨兵へと向ける。
撃ち出すのは【アンカーショット】。命中したのはくず鉄の巨兵の右肩だ。一本の不可視のワイヤーで繋がった拳を握り手を引くことで一気に引き寄せる。
急速に距離を詰められる。
急降下の勢いを攻撃の威力に乗せて剣銃を振り抜く。
「<セイヴァー>」
アーツと速度によって威力が高められた一撃がこちらを向いた一つ目の頭部を斬り裂いた。
左手を開き次なる地点を定めてもう一度【アンカーショット】を放つ。不可視のワイヤーが繋がったのはくず鉄の巨兵の後方の壁。
急速な方向転換と減速を合わせて着地した瞬間に振り返り、強威力の一太刀を叩き込んだくず鉄の巨兵を見上げる。
両手をだらりと下げた格好で上半新がふらふらゆらゆらとゆらめいて左右に揺れる赤い瞳。
明滅を繰り返しているそれが消えた瞬間、くず鉄の巨兵の一本目のHPゲージが消滅した。
「えっ?!」
想定外のダメージが出たことに驚き動きを止めてしまった。
「何してんだ。今のうちに攻撃を仕掛けるぞ」
俺を打ち上げてすぐに行動を再開したハルが斧槍を叩き付けながら叫ぶ。
ハッとしたようにもう一度動き出した俺は腕を下ろしているくず鉄の巨兵に切っ先を向けて駆け出した。
「何っ!?」
勢いを付けて剣銃を突き立てたのとタイミングを同じくしてハルが驚愕に叫び声を上げた。
「もう一度。<セイヴァー>」
補助アーツは発動していないが、それでも十分と斬撃アーツを放つ。
さっきは頭部を斬り裂いた一撃だ。例え硬い脚を狙ったとしてもだ商のダメージは与えられるはずと放ったそれに返ってきた手応えがそれまでと違う。
通常攻撃とアーツ攻撃の違いなどではなく、そう、まるでくず鉄の巨兵の前に張り巡らされたバリアによって防がれてしまっているかのようだ。
「攻撃がまったく効いていない!?」
「今は何かのインターバルってことかもな」
自身の攻撃が効かなかったことをいち早く認めて引いていたハルが追撃に迷っていた俺に声を掛けて止めてきた。
「休憩だ」
「いや、そういうわけには……って、随分と余裕そうだな」
「そうか? まあそんなにダメージを受けたわけじゃないしさ。ユウもそうだろ?」
一旦攻撃の手を止めて揺れるくず鉄の巨兵と距離を取る。
「だとしてもこのままってことにはならないよな」
「当然。見てみろよ。向こうさんも変化するみたいだぞ」
「変化?」
ハルが見つめる先を自分も見た。
俺がアーツで斬り裂いた頭部がそれ以上に裂けてそれまでとは異なる形状に変化した。
一つ目が二つ目に。
頭部が別れて二つに。
それはまるで二体の巨人が背中合わせに同化しているかのような見た目をしていた。
「これがホントウのくず鉄の巨兵ってわけか」
「いいさ。解りやすい」
「えっ!?」
「こいつを倒せばこの階層から抜け出せるっていうことだろ」
一瞬兜の向こうで獰猛に笑うハルの顔が見えた気がした。
「出口を塞いでいる番兵」
くず鉄の巨兵に斧槍の穂先を向ける。
「倒させて貰うぞ!」
叫び声と共にハルがとてつもない速度で突撃を繰り出した。
頭が二つになったことで死角が無くなったと言わんばかりに回り込んだハルに合わせてくず鉄の巨兵がその腕を伸ばしてきた。
広げられた手のひらはプレイヤーを握り潰してしまいそうな迫力がある。
「はあっ」
躊躇わずに斧槍を突き出したがくず鉄の巨兵の手を貫くことは叶わずに互い一瞬動きを止めた。しかし膂力に勝るのはくず鉄の巨兵。停止した次の瞬間には同じ腕を伸ばして動きを止めたハルを掴みかかった。
「危ない!」
別々に行動する利点が失われたのなら共に攻める方が良い。
「ぐおっ!??」
先んじて攻撃を仕掛けたハルの後を追い掛けるように走っていた俺はそのまま立ち止まらずにハルの背中を思い切り蹴り飛ばした。
顔面から倒れ込み地面を滑るハルの頭上をくず鉄の巨兵の手が通り過ぎる。
「もっとやりようがあっただろ!」
「悪い。時間が無かった」
口ではそう言いつつも微塵も悪びれる素振りもなく言い放って俺は注意深くくず鉄の巨兵を見た。
右側だけでも攻撃を仕掛けて来た腕はもう一つ残っているのだ。
そして先程の拳の連続攻撃を思えばこの後に繰り出される攻撃もまた間隔の無いものであるはず。
「やっぱり!」
想像通り、虚空を掴んだ腕の向こうからもう一つの腕がこちらに迫る。
掴み潰すのではなく叩き潰すという意思を強く感じられる棘の付いた装甲を掲げた拳だ。
壁の方へ【アンカーショット】を撃ち出して急加速を伴い回避する。
スキーを滑るように地面を滑り止まった瞬間、またしても別の方向に【アンカーショット】を撃ち出した。
直線的ながらも急加速で移動する俺の動きは強化されたハルよりも速い。
くず鉄の巨兵の攻撃を裂けつつ動き回ってどこを攻撃するのが最も効果的なのか観察と推測に努めるのだった。
「脚は斬り付けてもダメージが少ない。それはあの体を構成している金属のせい。だったら何故頭部は斬り裂けた?」
独り言を呟きながら縦横無尽に駆け巡る。
俺のような動きができないハルは回避を念頭に避けきれないものは斧槍を利用して受け流すことで大きなダメージを避けているみたいだ。
それでも小さなダメージは積み重なっていく。いずれ無視できない大きなダメージとなる前にハルは走りながら自身のストレージから体力回復用のポーションを取り出して使用していた。
「アーツで威力が高められていたからだけじゃないはず」
くず鉄の巨兵のようなモンスターを討伐するときのお決まりの攻略法として関節のような比較的柔らかい場所を狙うというものがある。ハルが狙っているのはそれだろう。しかしこれまでの攻撃の何回かは的確に脚の関節を穿っていたというのにダメージに劇的な変化は見られなかった。つまり関節はあるみたいだが、それが柔らかい場所であるというわけではない。
「くっそ。<爆斧>」
振り下ろされる腕を回避してクロスカウンターのようにアーツをぶつける。
引き起こされる爆炎がくず鉄の巨兵の腕の表面を焼き付けていた。
「やっぱこういうヤツに効果がある属性は“雷”ってわけかよ」
機械をショートさせるには雷が一番。だが見た目機械でできたくず鉄の巨兵にも有効なのはそれなのか。
「少なくとも爆発は効きづらいみたいだな」
【アンカーショット】の移動の最中近付いたハルに声を掛ける。
「それでも無意味ってわけじゃない。見ろよ。ダメージが普通より増えているだろ」
「誤差の範囲じゃないか?」
「気の持ちよう!」
俺の言葉を振り払うように叫んだハルがまたしても突撃を行う。
背中合わせに二体の巨人がくっついた姿になったくず鉄の巨兵はさっきまでよりも左右で別々の挙動を見せるようになった。
一つの肉体を持つ個体ではなく、まさに二つの意思を一つの肉体に留められた個別の個体。そんなイメージだ。
「繋ぎ目は……ないか」
ウィークポイントを探して攻撃を仕掛けようとして中断する。
同化しているのならばその境界があるはずと目を凝らすも、見た目がそのように変化しているだけで胴体はあくまでも一つしかない。
「攻撃が効かないわけじゃない。効き辛いだけだ!」
手を下ろした俺を激励するようにハルが言った。
「一撃で大きなダメージを与える必要はない。小さなダメージでも積み重ねれば確実に倒すことができるんだ」
自分の言葉を証明するかのようにハルは勇猛果敢に攻め続けている。
与えた僅かなダメージがいつしかくず鉄の巨兵のHPゲージを目に見えるほど削っていた。
「そうだよな。一撃必殺なんて考えなくてもいいんだ」
目が覚めたと言わんばかりに俺は狙うあまりに手を止めてしまっていた攻撃を再開した。
脚や腕。回避した直後に目の前で無防備を晒している場所を選り好みしないで攻撃する。
与えられるダメージは確かに少ない。しかしこの堅実な攻撃が最も勝利に近付く手段だというのは間違いない。
攻撃の手を止めることなくダメージを与え続けていると程なくしてくず鉄の巨兵の残るHPゲージが半分を切りその色を黄色に変えた。
「あと少しだ!」
ハルがそう言った時、半分ではなかったのはもう一本HPゲージが存在していたから。つまりいつの間にか最大値の四分の三を削っていたことになるのだ。
「いける!」
勝利が見えて呟いた刹那、ピシッと何かに亀裂が入った音がした。
そして次に聞こえてきたのはこの時既に意識の端に追いやられていた爆発音。
ハルの攻撃によって巻き起こる爆発とは似て非なる爆発音は天井の青いブロックの隙間から差し込んでいた光の元。
ハッと頭上を見上げた天井が崩れ、割れたブロックの端々から覗く向こうでは轟々と燃え盛っている炎があった。
火花が雪のように降り注いでくる。
いつしか天井のブロックは全て粉砕され跡形もなく消えて、太陽のように燃え盛っている炎が完全にその姿を現わしていた。
「あれが聞こえてた爆発音の正体」
「ってことは戻る道は――」
「崩壊している可能性が高いってことかよ」
舌打ちをするハルはすぐに視線をくず鉄の巨兵へと向けた。
「天井が砕けたのは何故だ?」
それでも俺は頭上の炎から視線を外すことができなかった。
何故このタイミングで炎の存在が露わになったのか。その理由が解らなかったからだ。
「熱っ!?」
振り下ろされた拳を避けて斧槍を叩き付けていたハルが苦悶の声を漏らした。
「こいつ…熱くなっているぞ」
「…! まさか!」
天井の炎、正確には砕かれた天井があった境界の位置を見た。
残っていた天井の跡は既に炎に呑み込まれていて、炎が近くの壁を焦がしているのが見えた。
「あの炎は徐々に落ちてきているのか!」
熱されたくず鉄の巨兵がその体表を赤くした。
あれだけの熱量を誇る炎だ。実際に触れていなくとも自分たちよりも何倍もの巨体を誇るくず鉄の巨兵はその熱がダイレクトに伝わって金属の体が赤化しているのだ。
「拙いな。あまり熱くなると近付くことさえ難しくなるぞ」
リーチの長い斧槍ですら接近が困難になるのならばより短い剣銃は。
効果が薄いと知りつつも攻撃が可能となる方が良いと銃形態に変える。
「どうやらあの炎はこの戦闘における時間制限となっているみたいだな」
「いいさ。どうせ時間を掛けるつもりはなかったんだ。全力でいくぞ」
体が焦がされることを厭わずにハルが攻め続ける。
徐々に減らされていくハルのHPゲージを視界の端に捉えたまま俺は乱雑に射撃を行った。
ハルの攻撃によって巻き起こる爆発はそれまでよりも大きい気がする。
どうやら熱されているくず鉄の巨兵の体が可燃材となりその爆炎の威力を高めているようだ。
撃ち出された光弾が弾け、ハルの繰り出す爆発が轟く。
二人の絶え間ない攻撃はハルが一度回復のために下がるまで続いた。
「くっそ、あと少しだったってのに!!」
HP回復用のポーションを使用しつつ溢すハル。
あと一歩という感覚になるのも無理はない。やっとのことでくず鉄の巨兵のHPゲージが黄色から赤になっているのだから。
「強い一撃を狙う。<インパクトノーツ>」
ハルにそう告げて次撃威力上昇のアーツを発動する。
これまでの戦闘で消費したMPを思えばこの攻撃が行えるのはあと数回といった所だ。
「壁役は任せろ!」
回復をそこそこに前に出たハルの後ろで剣銃を構えて狙いを定める。
敢えて左右の攻撃が届く位置に身を晒すことで全ての攻撃を引き付けたハルが自身のアーツを発動させた。
巻き起こる爆発が二者の間に炎の壁を作る。
「今だ」
「おう! <カノン>!!!」
ハルの声を合図に引き金を引く。
威力が高められた光線が爆炎を吹き飛ばしながらくず鉄の巨兵の胴体を貫いた。
赤くなっているくず鉄の巨兵のHPゲージがゼロになる。
赤化している金属の体が燃え上がり、くず鉄の巨兵の全身をドロドロに溶かし始めた。
溶けて崩壊していくくず鉄の巨兵の最後を見届ける。
暫くしてそこには何も残っていない。
光石すらなかったのには文句を言いたいが、それよりも大事なのは未だに頭上で燃え盛っている炎があること。
「道が現われたぞ」
体力を回復するために別のHP回復用ポーションを使用していたハルが遠くに見つけた通路を指さした。
ゆっくりとだが着実に炎が迫っているこの場から脱出するべく俺たちはその道へと一斉に駆け出した。
二人が新たな通路に出た直後、それまで戦っていた部屋が炎に包まれた。
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レベル【5】ランク【4】
生命力
精神力
攻撃力【D】
防御力【F】
魔攻力【E】
魔防力【F】
速度 【C】
専用武器
剣銃
↳アビリティ――【魔力銃】【不壊特性】
魔導手甲
↳アビリティ――【フォースシールド】【アンカーショット】
防具
頭防具――【イヴァターレ・H】
胴防具――【イヴァターレ・B】
腕防具――【イヴァターレ・A】
脚防具――【イヴァターレ・L】
足防具――【イヴァターレ・S】
一式装備追加効果【5/5】――【物理ダメージ上昇】【魔法ダメージ上昇】
アクセサリ【6/10】
↳【生命の指輪】
↳【精神のお守り】
↳【攻撃の腕輪】
↳【魔攻の腕輪】
↳【魔防の腕輪】
↳【速度の腕輪】
↳【変化の指輪】
↳【隠匿の指輪】
↳【変化のピアス】
↳【―】
所持スキル
≪剣銃≫【Lv132】――武器種“剣銃”のアーツを使用できる。
↳<セイヴァー>――“威力”、“攻撃範囲”が強化された斬撃を放つ。
↳<カノン>――“威力”、“射程”、“弾速”、が強化された砲撃を放つ。
↳<インパクトノーツ>――次に発動する全てのアーツの威力を増加させる。
↳<ブレイジング・エッジ>――剣形態で極大の斬撃を放つ必殺技。
↳<ブレイジング・ノヴァ>――銃形態で極大の砲撃を放つ必殺技。
≪魔導手甲≫【Lv20】――武器種“魔導手甲”のアーツを使用できる。
↳<ブロウ>――“威力”を高めた打撃を放つ。
≪錬成強化≫【Lv110】――武器を錬成強化することができる。
≪竜化≫【Lv―】――竜の力をその身に宿す。
≪友精の刻印≫【Lv―】――妖精猫との友情の証。
≪自動回復・HP≫【Lv―】――常時発動。一秒毎に生命力が回復する。
≪自動回復・MP≫【Lv―】――常時発動。一秒毎に精神力が回復する。
≪状態異常無効≫【Lv―】――状態異常にならない。(特定の状態異常を除く)
≪全能力強化≫【Lv100】――全ての能力値が上昇する。
残スキルポイント【5】
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