極大迷宮篇 Ep.06『くず鉄の主』
重厚な鎧に身を包んだハルと並んで近くの酒場に入っていく。
二人ともこの迷宮都市に来て日が浅く行きつけの道などないからこそ比較的空いていそうに見えた近くにある店を適当に選んだだけ。
適当に飲み物と料理を注文してテーブルを挟み顔を付き合わせていると驚いたことに秒の速さで注文した飲み物が届けられていた。
「――ってのが俺がこの迷宮都市に、いや、極大迷宮に来ることになった経緯だな」
「へぇ。ユウの事情はだいたいわかった」
イナミナの個人情報などは全て伏せてあくまでも仕事だと説明した上で一通りの説明を終えたところで渇いた喉を潤すために目の前のコップに注がれている琥珀色の飲み物を口に含む。
酒の類は口に合わないと頼んだのはシンプルな果実水だったが、爽やかなミントと甘酸っぱいオレンジっぽい味が口いっぱいに広がり意外にも自分の好みに合う味だと口元を綻ばせた。
「そういうハルこそ。どうして迷宮都市に?」
「当然、極大迷宮を攻略しにって言いたいところだけど」
「ん?」
「実はちょっと試したいことがあってさ」
「うん?」
「そのためにこの極大迷宮が使えそうだと思ったってわけさ」
ニヤリと笑みを浮かべてハルが宣言した直後、料理が運ばれたてきたことで話は中断されてしまった。
適当にメニューから選んだ料理だったが殊の外美味しそうな匂いが漂ってくる。その匂いに釣られてフードの中からリリィがぴょんとテーブルの上に降り立った。
「ねえねえ、これ食べていい?」
「もちろん。好きなだけ食べてくれていいよ」
「ありがと」
運ばれてきた料理の一つであるフライドチキンを行儀良く食べ始めたリリィに笑みを向けるハルが自分が頼んだ飲み物に口を付ける。
「ハルってさ」
「何だ?」
「猫好きだったっけ?」
「最近そうなったんだよ。実家で仔猫を飼い始めたみたいでさ、んで前に帰ったときに不思議と懐かれてさ」
「なるほどねぇ」
猫とは思えないほど表情豊かに食事を続けるリリィを楽しげに見ているハルを俺は面白いものを見る目で見つめている。
「なんだよ」
「別に。何でもないって」
「そうか?」
「で。そんなことよりもハルが試したいことって何だったんだ?」
「それは…」
「言い辛いことなのか?」
「あー、いや。そういうわけじゃないんだけどさ。何と言えば良いのかが難しくて」
「うん?」
いつもの快活なハルではなく歯切れの悪い様子を見せるハルに対して大きな疑問符が浮かんでくる。
「ユウ」
「どうした?」
「これから時間あるか」
「まあ、暇して適当に迷宮都市を歩き回ってたくらいだからな」
「だったらこれから少しだけオレに付き合ってくれないか?」
「それは別に構わないけど」
「何だったら報酬も出すぞ」
「いや、それは別にいらない」
余程切迫した事情があるのか普段言わないようなことを言ってきたハルに反射的に断りを入れた。
断られることは想定していなかったのか顔を伏せて口を閉ざしてしまったハルとの間に痛い沈黙が漂い始める。
それにしても、とこの空気を変えるためにわざと明るい口調でふと気になったことを訊ねてみることにした。
「よくこの姿で俺が俺だって分かったな」
いつもの調子で酒場で顔をつき合わせているが、今の自分は二つのアクセサリの効果で普段と異なる姿になっている。
アクセサリによる変化はスキルによる変身とは異なり時間で効果が解除されるわけじゃない。髪や装備の色の変化よりも種族そのものが違うように見える外見になっている今の自分を思えば全くの別人であるとさえ思えるくらいだ。
プレイヤーの数が増えたことで随分前に名前の重複が問題なくなっていた。だからこそ“ユウ”というプレイヤーは自分以外にも無数に存在している。頭上に浮かぶ名前を頼りに個人を特定することはできないのが今の常識。それに合せて装備を変えたのではなく姿そのものが変化しているともなれば、同じ名前の別人であると思う方が普通なのだ。
「あぁ、それは今のユウの見た目を聞いていたからだな」
「誰から?」
「円さん」
「ってことは一度事務所に来たってことか?」
「さっき試したいことがあるって言っただろ」
「ああ」
「実はそれはどちらかといえば本当は相談したいことだったんだ」
「相談って、俺にか?」
ハルが難しい顔をして口を結び頷く。
「そこでお前は不在で理由を聞くと別の仕事をしているからって円さんには言われたんだ。で、それならと円さんに相談してみたんだよ。あの人も大概変な事情に詳しい人だからさ」
「まあ、そうだろうね」
「そうしたら円さんがユウに言った方が早いって言うもんでさ。試しにユウの居場所を聞いたら迷宮都市にいるって言ったんだ。それならオレも行ってみるって伝えたら今のユウの姿の写真を見せてくれたんだ。変装してるって言ってさ」
「ちょっと待て」
「どした?」
「俺は写真なんか送ってないぞ」
「今の仕事の依頼主経由で送られて来たって言ってたぞ」
「マジかよ……」
いつの間に写真を撮ったのだろうかと考えるもイナミナがそれらしい仕草をしていた覚えがない。
腑に落ちない表情を浮かべている俺を余所に思う存分フライドチキンを平らげたリリィは次に山盛りのフィッシュフライに手を伸ばした。
「まあ、まあ。その写真のおかげですぐにユウを見つけられたんだからいいだろ」
「そりゃあ撮られて困るもんじゃないけどさ」
一言くらいあっても良かったのではなかろうか。何かしら事情があったのかもと一瞬納得しそうになったのだがやはり釈然としないものが残った。
「…はぁ」
声に出して溜め息を吐き、気持ちを切り替える。
気を落とした不安げな様子のハルというのは気持ちが悪い。ハルはいつも無駄なくらいに元気でいて欲しいと感じるのは友人として長年付き合ってきた俺だからこそか。
「まあいいや。それで相談って何だったんだ?」
「ここで話すよりも実際に見てもらったほうが早いと思う」
「ってことは」
「極大迷宮に行くぞ」
「やっぱり?」
「当たり前だろ」
ニカッと笑うハルは少しだけいつもの調子を取り戻しているみたいだ。それならばハルの申し出を断ることはないとこの日二度目となる極大迷宮の入り口がある塔に赴くことにした。
夜になったことで極大迷宮に挑戦する人が減ったかと思っていたが実際に塔にあるダンジョンの入り口前に来てみるとそうではなかったことが解る。寧ろ時間が夜になったことで昼以上の数のプレイヤーが極大迷宮に挑戦しているふうにさえ思える。
「オンラインゲームだからな。いつの時代も人が増えてくるのは夜だよな」
「そういうもんか」
「そういうものさ」
しみじみ実感しているハルは怖れる素振りもなく極大迷宮へと入っていく。
二人並んで進むのはイナミナの時と同じだが、パーティを組んでいる相手がハルとイナミナでは心の余裕がかなり違う。
実力を知るハルだからということもあるが、ハルが相手ならば仮に倒されたところで問題ないと思っていることも大きい気がする。
「極大迷宮に来たのはいいけどさ、これからどうする? 何かしら見るくらいならどこでもいいんだろ」
「いやいや、ここじゃ流石にさ」
周りには大勢のプレイヤーがいる。どうやらあまり衆目を浴びる状況ではハルは相談するつもりはないらしい。
「それならもう少し進んでみるか」
「ベストはボスモンスターと戦える場所だな」
「へっ!?」
「どうした?」
何気なく言ったハルの言葉に驚かされた。
「実はまだこの極大迷宮でボスモンスターと戦ったことはないんだけど」
「まじか」
「それに例の仕事で来る時に初見のリアクションにならないのは、ちょっと困るかもしれない」
「なんでよ。ユウも事前情報が出てる類の場所に行くなら多少調べてから行くだろ?」
「まあ、確かに」
「だったらこれも事前調査の一環だと思えばいいんじゃないか?」
「そういうもん?」
「そういうものさ」
断言して意気揚々と極大迷宮の奥へと進むハルを追い駆ける。
心の奥で良いのだろうかと不安が過ぎるも先を行くハルを止めることなどできるはずもなく、結局自分の彼に追随することを止めなかった。
「それにしてもさ」
「ん?」
「こうも人が多いとモンスターとの戦闘にはならないな」
易々と第一層を超えて第二層に到達した頃ハルが退屈だと言うように呟いた。
「昼にここに来たときは今ほど人がいなかったからそれなりにモンスターと戦った覚えがあるんだけど」
「もしかすると極大迷宮ではモンスターの出現数に限界があるってこと?」
「どちらかといえばモンスターの出現速度よりも同じ階層にいるプレイヤーの数が多いから討伐速度が勝っているんじゃないかな」
「つまり今は出現したモンスターを近で待ち構えているプレイヤーが狩っているから少し離れているこっちにまでは来ないのか」
「多分?」
そんな風に呑気に会話をしながら進めてられているのは自分たちがこの階層では他のプレイヤーに割り込んでまで戦うつもりにはなれなかったから。
大抵のモンスターを無視して進み、昼と同じ次の階段の場所を思い出しながら歩く。
途中間違いそうになる脇道はあったが、それでも比較的スムーズに階段へと辿り着けた。
「ボスモンスターが出てくるのはどの階層なんだ?」
第二層を超えて第三層に足を踏み入れて早々ハルが聞いてきた。
「だから知らないんだって」
「事前に仕入れた情報とかにも載っていなかったのか?」
「俺が見た所だと書いてなかったかな。ハルはどうなんだ? 俺に言うくらいなんだからハルも少しは調べてきたんだろ」
「それがさ。ボスモンスターの出現に法則はないみたいなんだよな」
「えっ!? てっきり俺は五階層か十階層ごとに出てくると思ってたんだけど」
「ところが。キリの良い階層に到着しても他の階層と同じように通り過ぎることもあるっぽいんだよ」
予測を裏切るハルの言葉に俺は思わず足を止めてしまう。
「逆にボスモンスターの襲撃が続いたパターンもあるらしいぞ」
「完全にランダムってこと?」
「どうだろ。そんなわけはないと思うんだけど」
「だよな」
うんうん唸るハルの隣で俺も首を傾げてた。
階層が下に行くに連れてプレイヤーの数は減っているのは間違いないが、まだ上層も上層。状況は変わることなく現存するプレイヤーだけで大半のモンスターは掃討されてしまっている。
「第四層…」
階段を見つけて下りた先でふと足を止めて呟く。
実質自分が極大迷宮を探索できていたのはここまでだ。
「まだ道は覚えてる?」
「まあ、だいたいは」
「それなら進もうか」
「ああ」
第四層から第五層。そこに至る時に繰り広げた戦闘を思い出すと少しだけ緊張してしまいそうになる。
けれど昼と大きく違うことが一つ。それは極大迷宮にいるプレイヤーの数。あからさまに人数が多い夜の時間帯では第四層に到達したとしてもまだまだ他のプレイヤーの手によって道すがら目撃するモンスターの大半は先んじて討伐されてしまっている。
「この先に第五層に続く階段が、正確には階段の前にある大きな部屋があるはず」
モンスターの大軍と戦った部屋の前で立ち止まり俺は開かれたままの扉の向こうを見つめて表情を硬くする。
「どうした? 行かないのか?」
「先に言っておくけど、ここで俺たちは俺たちだけでモンスターの大軍と戦うことになったんだ」
「ちょうどいいじゃないか」
「そう言うと思ったよ」
望むところだと笑うハルに俺は頼もしさと同時にこの先に自分だけが先に進むことの後ろめたさを感じていた。どうしても事前調べの一環だというように思えなかったのだ。
「なあユウ。ここで引き返すか?」
「え?」
「正直に言えばここじゃなきゃダメな理由はないからさ。これから別のダンジョンに挑んでもいいんだ」
戸惑う俺を気遣うようにハルが言った。
「いや…大丈夫。行こう」
俺の事情はハルには関係がない。
どんなに気を使う必要の無い間柄だとしても自分の感傷に巻き込むのは違う。
意を決して開かれた扉を潜ると昼と同様に光の膜が出入り口を塞いだ。
「来るぞ!」
記憶の中の光景が再現されると身構える。そしてその時と同じマドアントの大軍がわらわらと出現したのだった。
「壁にある出現ポイントを全て破壊して、周囲のマドアントを全滅させれば終わる」
「なるほど。了解した」
先の戦闘で得た経験による攻略方法を伝えるとハルが一歩前に出た。
「来い。【ハルバート】」
右手を開き握ると何もない虚空から穂先が異様に大きい一振りの槍が現われた。
棒の部分は深い青。穂先の部分に備わる前に伸びる刀身と左右に別れた二つの刃、計三つの刃が金色に染まっている槍だ。穂先の先に備わる刃よりも左右に別れた刃は幅が広く、ダイヤのマークを彷彿とさせるシルエットの刀身が長い棒の先にある。
背の高いハルよりも頭三つ分ほど長い槍を軽々と振り回して構えを取る。
それがハルというプレイヤーがサービス開始時から使い続けて鍛え続けている専用武器“斧槍”であり、その名がハルバートなのだ。
先陣を切るマドアントに目掛けて駆け出したハルは躊躇い一つ見せずに斧槍をマドアントの頭に叩き付けた。
砕かれて舞い散る甲殻とその本体が消えるのはほぼ同タイミング。どうやらアーツを使うことなく一撃でマドアントを葬るほどの一撃が繰り出されたようだ。
「流石だな」
「いいだろ。これ」
ハルの攻撃力と一撃を正確に叩き込んだ技量を褒めたつもりが、ハルは自身の右上に装着したリストバンドくらいに幅の広い腕輪を自慢気に見せてきた。
「専用武器を収納しておける腕輪なんだ。結構レアものだけど、それだけあって使い心地はバツグンにいいぞ」
俺が使っている剣銃に比べて長く大きい武器である斧槍はそのアクセサリを用いてストレージに納められている他のアイテムと同じように収納する方が何倍も身軽になれる。大きな武器を見せ付けるように背負うプレイヤーも少なくない中、これからはハルのように武器を別空間に収納して持ち歩くプレイヤーも増えてくるのだろうか。
そうなった場合自分はどうするのだろうか、などと戦闘とは関係の無いことを考えつつも目の前に迫るマドアントを倒していく。
途中で剣銃を剣形態から銃形態に変えて出現ポイントを狙い撃つ。
発砲音の後に大きな爆発音が轟き壁の一部が壊れて崩れる。
「なあ、ユウ」
「何だ?」
ブンッと大きく斧槍を振り回して近くのマドアントを一掃したハルが真剣な面持ちで声を掛けてきた。
ハルの防具は全身鎧。だというのに現在は兜を装備しておらず素顔が剥き出しになっている。
「もしかしてこれ。あの出現ポイントってやつを壊さなかったら永遠にマドアントと戦えるってことか?」
「多分、そうじゃないか?」
「ってことは経験値稼ぎ放題ってことだろ!!!」
攻略方法を知らなければいつまで続くか解らない戦いを延々と続ける事になるのだが、考え方を変えればハルの言う通り。有益な経験値稼ぎの場所だと思えなくもない。だが、それは今の自分たちのランク、レベルでなければの話だ。
前にかなりの時間戦い続けたが一つしかレベルが上がらなかったことを伝えるとハルはあからさまに残念そうになって八つ当たりするように斧槍を叩き付けたマドアントを蹴り飛ばしていた。
「くっそ。良い方法だと思ったのによ! <飛炎爆>!」
蹴り飛ばしただけでは鬱憤が晴れなかったのか、ハルは斧槍で使えるアーツを発動させた。
ハルが使うアーツは純粋な斧槍が対応しているアーツではない。≪爆発属性≫というスキルと兼ね合せることによって使用可能になるものが大半を占めている。
今回発動させたアーツは斧槍を勢いよく横薙ぎすることで爆炎を纏った斬撃が翼を広げた鳥のような形で彼方へ向かって飛んで行くというもの。
凄まじい速さで飛んでいった斬撃が出現ポイントに激突するとこれまた凄まじい爆発が起こり、その周辺もろとも不飛ばしてしまっていた。
「おおっ」
空気どころか部屋そのものを震わせるアーツの威力に思わず声が出た。
「驚いている場合じゃないだろ。長引くだけ面倒だ。さっさと潰し尽くすぞ」
「お、おう」
効果が明確に見て取れるのならば遠慮は要らないと、ハルは二度三度と繰り返しアーツを放つ。次々と爆破されていったことで瞬く間に出現ポイントの数は片手で数えられるまで減っていた。
「ところでさ」
「何だ?」
「ハルって今のランクは?」
「“6”だけど」
「…お前もか」
反射で出た呟きにハルは小首を傾げている。浮かんだ疑問も戦闘中であるためにすぐに頭の片隅に追いやられてしまっているようだ。
「次がラストだ!」
視認できている出現ポイントは残り一つ。とはいえ先のことを思い出せばここからがある意味で本番とも言える。
「ラッシュが来るぞ。気を付けろ」
「問題ない。<爆山断>」
堰を切ったように溢れ出したマドアントに目掛けて振り下ろした斧槍が描く軌跡を辿り断続的な爆発が起こる。
地面から噴き出すように立ち上がる爆炎に飲み込まれマドアントは次々とその身を光石に変えていく。
「ユウ!」
「任せろ。<カノン>!!」
最後の出現ポイント目掛けて放たれた光線がそれを貫き破壊する。
後は既に出現しているマドアントを倒すだけ。
しかしそれもハルと共闘していれば容易なこと。さほど時間を掛けることなくこの部屋に出現していた全てのマドアントが姿を消した。
この場に残るのは地面で煌めいている無数の光石。
「回収するか?」
「間に合う分だけでいいよ」
「でも勿体なくないか?」
「そうは言っても、ほら」
先に倒していた個体から落ちた光石が地面に吸い込まれるように消えた。
「意外と消えるまでの時間が短いみたいなんだよね」
足元に転がっている光石を拾い上げて告げる。
残された時間でできうる限り光石の回収を行う。
攻略方法が解っていない時に比べて倒した数が少なかったのか、今回はレベルが上がらなかったのは残念だ。
「んじゃ、行くか」
するべき事を終え、部屋を覆っていた光の膜が消えたことで自分たちが進むことを阻むものは無くなった。
階段を下りている最中にこれは事前調べだと自分に言い聞かせていると、暫くして先を行くハルが足を止めた。到着したのかと何気なく視線を送るとハルは困った顔をして目の前にあるものを見つめているみたいだった。
「何だこれ?」
徐にハルが手を伸ばす。
「潰れた缶にひん曲がった金属パイプだな」
見たままを答えると続けてハルが別の場所を指さした。
「こっちは…」
「壊れた謎の機械の残骸…か?」
ハルが目の前のものをぐっと掴み引き寄せようとするもギチギチに絡み合っているのかビクともしない。
「これって、前に見たことがあるのと同じかも」
「教えてくれ」
「ああ。えっと――」
イナミナと極大迷宮に挑んだ時に運営の人を呼ぶほどの騒ぎになった積まれたゴミの山が階段の出口を塞ぐ場所にある。
これでは先に進めない。
他のプレイヤーもさぞ困っているのだろうと周りを見回すも不思議なことにこの場にいるのは俺とハルの二人だけ。
それぞれの部屋での戦闘を潜り抜けることで下の階層に行ける階段に進めるのだが、何故だか他のプレイヤーはここに来ていないらしい。
「進めないよな。これ」
「そうだねぇ」
「運営の人を呼べば退かしてくれるんだよね」
「みたいだね」
「呼ぶか?」
「そだね」
運営の人に連絡をするにはメニュー画面にある通報機能を使えばいい。連絡をしてからどのくらいの時間で対応されるのかはまだわからないが連絡をしないと何も始まらない。メニュー画面を出して該当の項目を探していると、なにやらハルが徐に積まれたゴミの山にペタペタと触り始めていた。
「何をしてるんだ」
「あ、いや。ちょっと気になることがあってさ」
「気になること?」
「このゴミ山だけどさ。ぱっとみ雑多に積まれてるみたいに見えるだろ」
「ああ」
「けどさ、普通は積まれたゴミがこんな風に動かせなくなることなんてないだろ」
「自重で動かせなくなっているだけじゃないの?」
「それだと端の方は動かせるだろ」
「動かせないの?」
「見ての通り」
壁とゴミ山の隙間から手を差し込んで、最も端の方にある原型を留めていない曲がった金属のプレートを掴んで見せてきた。
ぐっと力を入れて引き抜こうとしているみたいだが確かに一ミリたりとも動かせていない。
「これがどっかが引っ掛かっているって可能性もあるけどさ」
「ん?」
視線を巡らせて別のゴミを掴むとハルはそれを勢いよく押し込んだ。
ゴトンッと重く鈍い音を立てて何かが地面に落ちる。
「落ちた?」
「やっぱりか!!」
嬉々として目を輝かせているハルは続けて別のゴミをゆっくり引き抜いてみせた。
ハルの手の中にあるのは格子状の金属板。イメージするなら網棚の一部だろうか。引き抜かれたことで役目は終えたというようにハルが適当に地面にそれを置いた途端にボロボロに崩れて消えた。
「これはパズルだよ!!」
「お、おう?」
新しい玩具を買い与えられた子供のように喜んだハルはゴミの山に張り付くように近付いて手当たり次第に触っている。
「ここは…違う。こっちも……動かせそうで動かないか」
ブツブツと独り言を呟きながらゴミの山に触れているハルは下の方にある楕円形の何かを横にずらし始める。
「よし。正解!!」
ガコンッと外れた楕円形のプレートが消失する。
「ハルってパズル得意だったんだ」
「最近ハマってるんだよ。ちょっとした空き時間に適当なパズルをするのがさ」
「それってリアル? それともゲーム的なヤツ?」
「両方だな。知ってるか? 最近のおもちゃ屋には古今東西ありとあらゆるパズルが売ってるんだぞ」
「いや、知らないけど」
徐々にゴミの山から金属製の何かを外すスピードが上がっていく。
次々とハルの手によって積まれているゴミ山から部品が一つずつ外されていくことで行く先を塞いでいるゴミの山がかすかに小さくなったような気がする。
「ユウ、そっちを持っててくれるか?」
パズルと評したゴミ山に熱中しているハルに呼ばれて慌てて彼が指をさした場所にいく。
「どれ?」
「そこ。パイプみたいなヤツを止めているブロックっぽいヤツ」
ハルの言葉を頼りにそれらしいものを探すとゴミ山の左下に一本のパイプが突き刺さっている金属の箱みたいなものがあった。
「これか?」
「そうそれ!」
「どうすればいい?」
「多分刺さってるわけじゃなくて押さえ付けられているだけだと思うからちょっとだけ押し上げてくれれば大丈夫なはず」
「押し上げるって、このパイプをか?」
「そう」
「でもさ、確かこれはどこもビクともしなかったんじゃ?」
「いや、いくつか外したことで多少のゆとりはできているはず」
こちらを見ることもなく言うハルの言葉を信じて俺は件の金属パイプを掴み全力で上に持ち上げてみる。残念なことに金属パイプが外れることは無かったが、ハルが言うように僅かに上に動いた。
「助かる。これなら…」
金属ブロックを掴みぐっと押し込もうとするがそれでは動かずに両手の指先に力を込めて強引に引き抜いた。
「今ならそれも抜けるはず」
「わかった。やってみる」
金属パイプの長さでは下に引き抜くことはできるはずもない。ならば上に抜こうとしても困ったことに別のパーツがそれを妨害していた。
「いや、無理じゃね?」
「大丈夫。下のブロックが無くなったことで少し傾けられるようになっているはずだから」
俺の手から金属パイプを奪い取ってまず元の位置に戻すと、そのまま金属パイプの下の方をブロックが抜けた空白に押し込むように傾けると上部がゴミ山から外れた金属パイプを一気に引き抜いた。
「おおっ」
「な。抜けただろ」
金属パイプがハルの手から消失すると次に外せそうなパーツを探し始めた。
これは自分の出る幕ではないと一歩下がってこの場は意気揚々とパズルに取り組むハルに任せることにした。
もちろん手を貸して欲しいと言われれば手伝うつもりではいるが、それよりもハルがパズルを解いていく方が早い。
みるみるうちにゴミの山は小さくなり向こう側の景色が見えそうになっていた。
「あと少し」
限りなく小さくなったゴミ山はこれくらいならば跨いで渡ることができそうだが、ハルはパズルを解く手を止めない。
このままパズルを解ききるつもりがあるのならば途中で止めるような野暮なことはしないでいようと決めて黙ってその様子を見続けた。
正直に言えば着実に山が崩されていくのを見ているのは面白かった。
体感で十数分くらいしか掛かっていない気がする。
地面に残った最後の2ピースを別けて持ち上げる。
ハルの手の中から形の違う金属の塊が消えたことでようやく先に進むことが可能となったようだ。
「行くか」
「そうだな」
第五層に繋がっている階段の最後の踊り場を抜ける。
そこに広がっている光景はそれまでの洞窟然とした景色とは一線を画す石造りの広大な空間となっている。
「えっ!?」
到達した階層に一歩足を踏み入れた途端広がった景色に疑問の声が出た。
立ち止まりすぐに辺りを見回す。
石造りの空間は果てが見えない。
足元には余すとこなく正方形の石版が敷き詰められていて、真上を見上げてみるが天井らしきものは存在しないというみたいに暗闇だけが広がっている。
塗装されていない剥き出しの石の灰色に染められた地面から先の見えない天井に等間隔に無数の石の柱が設置されている。
「どうしたんだ?」
戸惑っている俺にハルが不思議そうな顔を浮かべて訊ねてきた。
「いや、昼に俺が第五層に来た時にはこんな景色じゃなかったんだ」
「ユウが知る第五層はどんな感じだったんだ?」
「それまでと同じで洞窟っぽい見た目をしてた」
「間違いないのか?」
「間違いないよ。引き返すことにはなったとはいえ、少しくらいは探索したからさ」
嘘を言っているつもりはないと必死に説得するように言うとハルは目を細めて小さく「なるほど」と呟いて突然斧槍を取り出していた。
「ハル?」
突然の臨戦態勢に驚きその名前を呼ぶ。
「お前の引きの強さは相変わらずみたいだな」
「どういう意味だよ」
「通常とは異なる事態になっているってことさ」
ジト目のハルの視線から目を逸らす。
「とりあえずさ、この部屋を見て回るか。かなり広いみたいだけどさ、ここで突っ立っているよりはマシだろうからさ」
「了解」
斧槍を携えたまま歩き出したハルに並んで謎の空間の探索を開始した。
自分の体よりも太い柱がいくつもの死角を作り出しているために俺とハルは時折背中合わせになって周囲を警戒しつつ進む。
「嘘だろ。壁すら見えてこないなんて」
まっすぐ移動しているはずなのにいつまで経っても壁すらが見えてこないことに困惑を隠しきれない。
ここから引き返したところで意味は無いと進むことは決定しているとはいえ、こんな現状ではまるで果ての無い闇の中に佇んでいる気になってくる。
「来た道すら消えてるな」
「うそっ!?」
ハルの言葉を受けてばっと振り返ると下りてきたはずの階段は闇の中に沈んでしまっていて見えない。
前も後ろも、右も左も、目を細めてみても見開いても、見えてくるのは闇、闇、闇。
自分たちがいる場所だけが謎の明かりで照らされているおかげで互いの姿を見失うことはなさそうとはいえ、進めないのならこの空間に閉じ込められたも同然。
「バグか何かか?」
寧ろそうであってくれと言う思いで呟く。
「どちらかと言えばあのパズルを解いたことで別の場所に繋がったと考えるべきじゃないか」
「確かに」
ここが極大迷宮の未踏破領域に到達したのではなく特殊空間に出てしまったというのは十分に考えられる話だ。
「それに、永遠と続いているわけでもないらしいぞ」
フッと安堵の笑みを浮かべてハルが言う。
闇の果て、暗く光が届かない場所に地面と同じ灰色の壁が現れた。
「この壁伝いに進めば出口を見つけられるはずだ」
「迷路の解き方ってやつだよな」
「迷路と迷宮。似たようなもんだろ」
「そうかなぁ」
何とも安直な考えに思えて否定しそうになったが、この空間を歩き回って把握することそのものには賛成だ。
斧槍を持たない左手を壁に沿わせて時計回りに進んでいると程なくして先程自分たちがここに来る時に通った階段があったであろうへこみを見つけた。
無言のまま愕然と立ち尽くし互いの顔を見合わせる。
困ったことに戻る道が消えてしまっていたのだ。
「進むしかないってことか?」
「かもな。それに、まだ半分ほど見てないからさ。まずはそれを確認するのが先だろ」
「そうだな」
言い表せない不安を抱いた俺とは対称的にハルは明るく探索を再開した。
仮にこの空間が正方形であると仮定するのならちょうど四分の三ほど進んだ時に、それまでの壁とは異なる奇妙な絵画が描かれている区画に行き着いた。
自分たちを照らす明かりが壁までも照らす。
壁一面を全て見通せるわけではないが、自分たちの周りは壁画を確認することはできる。
「何が書かれているんだ?」
「さあ?」
隣に並んだハルの問いにわからないと答えて上を見る。
果ての無い天井にまで続いている絵はその上部を確認することができない。また横に長い壁一面に描かれたそれは端の方が闇に隠れてしまっている。
それでも自分たちの周りだけでも何かの情報を得られないかと注意深く壁画を観察する。
「これは人か?」
自分たちの腰くらいの位置に描かれている人型の図形をハルが指さした。
一つではなく複数。服を着ているように色合いが異なるそれは人と言われれば人であるように見える。
「じゃあこっちは?」
「一つ目の巨人?」
気になるのは人型の上に描かれている人型よりも角張っていて大きな何か。人型よりも手足が長く、頭の部分には赤い丸が中心に一つ。それらの大きさを比較すれば下の人型三つに対して上の巨人が一つ。向かい合うように描かれている様子がおそらく壁の端まで延々と続いているようだ。
「巨人の上にあるのは鳥、いや、手っぽいのがあるから翼の生えた人っぽいな」
「どういう絵なんだ?」
「ぱっと見た印象だけで言うなら人と巨人が対峙している様子、とか」
「だからそれはどういう状況なんだよ」
「敵対しているんじゃないか」
率直な感想を口にすると驚いたことに自分の言葉がスッと胸に落ちた。
直感でそれが正解であると思ってしまったのだ。
「遙か過去に起きた争いの様子を描いた絵画ってことか」
「多分」
「それがこの極大迷宮とどう関係しているっていうんだ? そもそもここは通常の第五層とは違う場所なんだよな」
「俺が来たことがあるのが正常な第五層であるならな」
「他のプレイヤーが来る気配もないことからして異常なのはこっちの方だろ」
なんてことも無いように言って退けたハルにそれはそうだと溜め息で返事をした。
こちら側にあるのは壁画だけのようだと見切りを付けてさらに移動する。残る四分の一程度進んだ末、それは手を付いて時計回りに移動しようと決めた開始地点に戻ってきただけだった。
「行き止まり?」
「まさか! 行けない戻れないじゃ、欠陥品も良いとこだろ!」
「そうだよなぁ」
壁から手を離してこちらに向き直ったハルの言葉に肩を落としてしまう。
何か進む方法を間違えているのかと考えていると無音の空間にカチッという音がしてゴゴゴッという音が響いた。
二人顔を見合わせて音がした方へと駆け出す。
ちょうど壁画のある壁とは反対側の壁の真ん中に大きな割れ目が現われていた。
「進むしかないよな」
「とーぜん!」
念の為にハルに確認すると、ハルは迷うことなく進み始めた。
まるで警戒していないような振る舞いをしているが、ハルの手には斧槍が握られたまま、心なしか目付きは厳しくいつでも戦えるように心構えをしているように見える。
階段ではなく通路を駆け抜けて出た先に待っていたのは先程と同じように天井が見えない部屋。
広さそのものは先程より狭いのか、四方の壁はここからでもはっきりと見ることができる。壁画の類は無い代わりに、謎の光が埋め込まれたランタンのようなものが壁に直接取り付けられているようだ。
「なるほどね。あれを倒せば良いってことか」
好戦的な声色でハルが言う。
部屋の中心部で膝を付き鎮座している巨人。想像していたよりも痩身で地面にだらりと垂れた腕は軽く手を開き、掌を上に向けている。
「ハルはあのモンスターを見たことある?」
「ないな。ユウはどうなんだ?」
「俺も初見だ、けど、どことなくさっきの壁画にあった巨人に似てないか」
「巨人というには小さい気がするぞ」
「まあ、巨人って呼んでいるのは俺たちだからさ。それは置いておいて、手の長さとか頭部にあるモールドとか似てるように見えるだろ」
「それじゃあオレたちはあの壁画にあった人型か?」
奇しくも壁画と同じような状況になったということらしい。
であれば次に起こることは容易に想像がつく。
地響きのような低い呻り音を立てて目の前の巨人がその身を起こした。
ぐらりと揺れてからまっすぐ立った巨人の一つ目に赤い光が宿る。
「【スクラップ・ヴォイド】」
巨人の頭上に浮かんだ名称を読み上げる。
次の瞬間、何かのノイズが走り、その名称が変化した。
「【くず鉄の主】?」
次にそれを読み上げたのはハルだった。
形態や能力ではなく名前が変化するモンスターなど初めてだ。それが異質なものであると感じずにはいられない。
長い両腕を地面に伸ばしたくず鉄の主は地面の中から己の獲物を引き抜いた。
刀身の至る所が錆びた大剣。
さらに長く、大きく見えるくず鉄の主を前にすかさず剣銃を抜き構える。
「ちょうど良い」
いざ戦闘開始だと意気込む俺の隣でハルがふと呟いた。
「こいつが相手ならユウに見て貰うのにうってつけだ」
「どういうこと?」
「まあ、見てろって」
そう言うとハルは数歩前に出た。
自分が前衛で壁役を熟すと言いたいわけではないはず。
行動の意図が読み取れず困惑する俺の前でハルが大きく叫ぶ。
「<アーマード>!!!」
ハルの体の周囲にオレンジ色の光の粒子が漂い、それが凝縮してハルの身を覆っていく。
素の金色の鎧を更に覆っていくオレンジ色の外装。
外していた兜がいつの間にやら出現しハルの頭を覆っていく。
全身鎧という防具は変わらずも一段と威圧感を増したその姿はある意味で変身したも同然に思える。
「ハルも変身スキルを手に入れていたんだな」
「いや……」
では次は自分だと<竜化>スキルを発動させようとして動きを止める。
「…厳密に言うと違うらしい」
「どういうこと?」
わからないと聞き返した俺にオレンジ色の装飾が追加された兜を装着したハルが隠された顔で苦笑を浮かべる。
「それをユウに相談したかったんだよ」
などと言い終える前にくず鉄の主が完全起動した咆吼を上げる。生物的な咆吼ではなく、金属が擦れ合って発生する嫌な軋み音のような咆吼だ。
一瞬身を竦めた俺の前でハルがくず鉄の主に向かって飛び込んだ。
斧槍を横一線にくず鉄の主の長い腕に目掛けて振り抜く。
くず鉄の主は驚くほど流麗な動きでそれを防御すると反対にハルを押し退ける。
「見えてんだよ」
あえてくず鉄の主に押される勢いに身を任せ受け流す受け流したハルはそのまま跳躍して二度目の攻撃を試みた。袈裟斬りではなく突きの一撃がくず鉄の主のガラ空きの体を打ち付ける。
ぐらりとバランスを崩して後ずさるくず鉄の主の前に着地した。
「あ、俺も――<竜化>!」
姿を変えて参戦する。
ハルが繰り出した一撃はくず鉄の主に命中した。
後ずさるほどの衝撃を与えた。
だというのに与えられたダメージはHPゲージの一割にも満たない。
どうやらくず鉄の主というモンスターは極大迷宮の上層に現われるようなモンスターではないらしい。
つまりここは極大迷宮にある、あえて呼称するのなら【異層】だろうか。
「詳しい話はコイツを倒した後だ。いいな!」
「おう。しっかり相談に乗ってくれよな」
「はぁ。そういう状況じゃないだろ」
「そうか? オレとユウなら楽勝だろ」
「油断するなよ」
「しねーよ」
軽口を叩き合い俺とハルはくず鉄の主に向かい合う。
体勢を整えたくず鉄の主がまたしても耳障りな咆吼を上げた。
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レベル【4】ランク【4】
生命力
精神力
攻撃力【D】
防御力【F】
魔攻力【E】
魔防力【F】
速度 【C】
専用武器
剣銃
↳アビリティ――【魔力銃】【不壊特性】
魔導手甲
↳アビリティ――【フォースシールド】【アンカーショット】
防具
頭防具――【イヴァターレ・H】
胴防具――【イヴァターレ・B】
腕防具――【イヴァターレ・A】
脚防具――【イヴァターレ・L】
足防具――【イヴァターレ・S】
一式装備追加効果【5/5】――【物理ダメージ上昇】【魔法ダメージ上昇】
アクセサリ【6/10】
↳【生命の指輪】
↳【精神のお守り】
↳【攻撃の腕輪】
↳【魔攻の腕輪】
↳【魔防の腕輪】
↳【速度の腕輪】
↳【変化の指輪】
↳【隠匿の指輪】
↳【変化のピアス】
↳【―】
所持スキル
≪剣銃≫【Lv132】――武器種“剣銃”のアーツを使用できる。
↳<セイヴァー>――“威力”、“攻撃範囲”が強化された斬撃を放つ。
↳<カノン>――“威力”、“射程”、“弾速”、が強化された砲撃を放つ。
↳<インパクトノーツ>――次に発動する全てのアーツの威力を増加させる。
↳<ブレイジング・エッジ>――剣形態で極大の斬撃を放つ必殺技。
↳<ブレイジング・ノヴァ>――銃形態で極大の砲撃を放つ必殺技。
≪魔導手甲≫【Lv20】――武器種“魔導手甲”のアーツを使用できる。
↳<ブロウ>――“威力”を高めた打撃を放つ。
≪錬成強化≫【Lv110】――武器を錬成強化することができる。
≪竜化≫【Lv―】――竜の力をその身に宿す。
≪友精の刻印≫【Lv―】――妖精猫との友情の証。
≪自動回復・HP≫【Lv―】――常時発動。一秒毎に生命力が回復する。
≪自動回復・MP≫【Lv―】――常時発動。一秒毎に精神力が回復する。
≪状態異常無効≫【Lv―】――状態異常にならない。(特定の状態異常を除く)
≪全能力強化≫【Lv100】――全ての能力値が上昇する。
残スキルポイント【4】
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