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ep.17 『忘れ去られし街の聲⑯(前篇)』

今回、作者の都合により大幅短縮版となります。申し訳ありません。

引っ越しは準備の段階から大変です。

(注)2022/12/23の更新はお休みさせていただきます。理由は上記にもちらっと書かれているように引っ越し作業が続いているからです。

その次の更新日である2022/12/30にはこの続きを更新出来ると思いますので、よろしくお願いします。



 仕切り直された戦闘にて【悠久】はその攻撃の威力を増大させていた。盾を構えれば地面が隆起する<土魔法>が、剣を振るえば黒い炎が舞い上がる。天使の翼が広がるのと同時に広がる金色の衝撃波。それら全てが強力で、大きなダメージを与えてくるものになっていた。

 これまでどうにか一進一退の体を保てていたとするのならば、今はその圧倒的な暴力からどうにかして逃れることにばかり必死にならざるを得なかったのだ。

 大袈裟に俺達が【悠久】の攻撃を回避して攻め込もうとした矢先に【悠久】の盾が振り下ろされて逃げ道を塞でしまう。それと同時に広がる地面の隆起。この攻撃で隆起した地面も次の瞬間には元の真っ新な状態に戻っている。まるで最初から何もなかったかのように。



「<爆斧(ばくふ)>!」



 盾が地面を離れた瞬間を狙いハルが戦斧を構えて得意のアーツを発動させる。勢いよく振り上げられた戦斧は【悠久】を正確に捉え、黒が混じる銀色の騎士の鎧を打ち付けた。この戦闘が始まって何度目かになる爆発が巻き起こる。しかしそれが与えられたダメージは以前に比べて少なくなってしまっているようだ。



「ハルの攻撃力が下がったわけじゃないよな。だとすればやっぱり【悠久】が硬くなったと見るべきか。ただでさえこっちの攻撃が通り難かったってのに、くそっ、やっかいだな」



 ハルの攻撃を受けてもビクともしない【悠久】を目の当たりにして動揺する俺を見透かしたのか回避直後に生まれる僅かな隙を突いた【悠久】の剣が眼前に迫ってくる。剣の刀身には黒い炎がまるでトーチのように灯されていて、不気味な圧迫感を放っていた。



「ユート!」



 為す術もなく剣を受けるしかないと思ったのかハルが俺の名を呼んだ。



「このくらいなら――!」



 確かにいつものような身のこなしでは回避することは出来ない攻撃だろう。だからこそ少しばかり強引に体を使う。

 ガンブレイズを地面に突き立てて、思いっきり力を込めて押す。その反動を利用して後ろに跳ねた一瞬を逃さずに強く地面を蹴る。不格好ながらもバックステップした俺がそれまで居た場所に【悠久】の剣が振り下ろされた。



「よしっ」

「いや、――まだだッ!!」

「何!?」



 喜び掛けた俺にハルの怒号が飛ぶ。

 振り下ろされた【悠久】の剣を中心に渦を巻くようにして黒い炎が地を駆け巡ったのだ。

 立ち止まらずにバックステップを繰り返すがまるで狙っているかの如くいくつもの黒い炎が俺を追いかけてきた。




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