遊郭に捕らわれし女狐
本作は、僕の人生二回目の投稿作品です。
本作は、吉原遊郭の話です。
アタシは遊女……。
会いに来る旦那方を楽しませる。
アタシは、遊郭の上に上り詰めた。
けれど本当のアタシは? アタシは誰?
いや、忘れてなどいない。
アタシは人の女ではない。
捕らわれし女。
この吉原に捕らわれ、6年。
人から、狩人から逃げていたあの頃のアタシは何処へ?
今の暮らしは悪くない。
この吉原の暮らしは悪くない。
けれど……
この暮らしは本来ではない。
アタシを利用するだけして、店の稼ぎにする。
ならばいっそ、アタシ誰か買って欲しい。
助けて欲しい。
解放して欲しい。
けれど……
それは不可能。
アタシは、吉原の店に買われた女。
遊女として買われた女。 狩人に売られた女。
逃げられない。
だから……
今も……。
今日も……。
明日も……。
その後も……。
アタシは、旦那方にお酒を勧め、楽しませる。
あぁ、忙しい。
家族は元気だろうか……。
心配だ。
けれど、もう会うことはできない。
アタシは遊女……。
人を楽しませ、利用されるためだけに吉原にいる。
だけど、本当のアタシは……。
忘れてなどいない。
アタシは人じゃない。
本当のアタシは狐。
化け、狩人に捕らわれ、吉原に売られた憐れな狐。
初めまして。または、お久しぶりです。
人生二回目の投稿作品です。
ご感想をお待ちしております。欠点などがあれば、お教え願います。