表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/1

神様に生まれた日

誰しも、一度は神様になりたいと思ったことがあるだろう。天から我々を見下ろし、神の気分によって幸不幸が自分に訪れると信じている人も多いのではないか。あなたは神のように皆から敬われたい、何者にも手が出されず、自分勝手に世界を進めてみたい、と思ったことがあるかもしれない。さて、これからこの物語では、皆が崇め奉る神様

の仕事について書いていこうと思う。

神様は皆、人々の思いの強さにより生まれる。例えば、「幸せ」という思いがつもり積もると、福の神が生まれる、と言ったところだ。もっと詳しく説明すると、人の思いにより生まれたコアが、形代に宿り、人間のような姿に変貌し生まれるのだ。おっと、前置きはこの程度にしておいて、そろそろ物語を書いていくとしよう。


人々の幸せな思いが積もり積もって、コアとなり、形代に宿った。

「福の神が生まれた、か。」

何者かの声が聞こえた。誰だ。まだ目が慣れていないせいか、上手く見えない。

「神之怒くん、新たに神が誕生したとみなに報告しろ。」

「はい、マスター。」

マスター?って誰?というか、俺、誰?そもそもここどこだよ。

「何をソワソワしている?お前はたった今、福の神としてこの世界に、天界に生まれたのだぞ。」

天界?福の神?俺……えっ神様なの?

「む?そうか、なにか忘れていると思ったが、お前にはまだ名前を付けていなかったな。……では、お前の名は

福富(ふくとみ) 美夢惚(みんほ)だ。」

目が見えてきたのか、ようやく眼前にいる人物の姿が確認できた。見た目は30代後半男性、白髪で長い髪を持っていて、白いローブを身につけ、頭上には天使の輪があった。

なんとなく、偉い人、というのはわかった。

……いや、ちょぉまてい!さっきから話の先が全くと言っていいほど見えないんですけど。てか、自分が誰かも分からない奴に、急に神様だよ?って言われてもわかるか!偉い人が何なのか知んないけど、もうちょっと詳しく話してくれても良くない?こっちは生まれたての子犬状態なのに。

「あ、あのぉ。急すぎてよくわらないのですけどぉ、あなた様はいったい、どちら様でしょうかぁ。」

「……言ってなかったっけ。我はニオス・コルガイ。

この天界を治める、世界最古の神である。皆からはニオス様と呼ばれている。」

「は、はぁ。あの、俺は何故神様になったんでしょうかぁ。」

「ッチ。」

え、えぇ。舌打ち!?俺なんかいけないこと言ったっけ。

「全く、新たな神が生まれる度に説明するのはめんどくさいんだよ。もぅだいたい解るでしょ。君はぁ、この天界に神様として生まれて、これからここで働いてもらうの。それ以外ないでしょ。」

さっきから思ってたけど、この人ちょくちょくキャラがブレてるんだよなぁ。こっちが素なんだろうけど。てか……

「え、働く?」

神様て、自分の好きなように世界を動かしてる暇人じゃないのか?

「あぁ、我々神の仕事は、世界が崩壊せぬよう管理することなのだ。」

「それを……生まれたての素人にやらせると?」

「もちろん。」

いやそれ、鼻からカルボナーラ食べるくらい無理ってものじゃない?

「まあ、初めのうちは5つくらいの世界を管理してくれたらよい。やってたらそのうちなれるから。」

「いやぁ、5つは多いと思うのですけど。」

「え?だいたいのものはおよそ平均して500もの世界を管理しているが?」

ご、えっ、無理。それ、最終的にはお前も500管理しろよ〜って、言ってるのと同じだよ。

「まぁ、管理してもらうと言っても、その前にチュートリアルは受けてもらうから安心せい。」

安心って……

「というより、俺さっきから流暢にはなしてますけど、これも神様として生まれたからでしょうか。」

「あぁ、それもあるが、神様として生まれるには、人の思いが関係してくるのだよ。なので、人の一部が入っているのと同じということだ。つまり、お前が自分の存在が神様だと言うことに驚いたのも、人の思考が入ってきているからなのだ。よって、ある程度の知識はあるし、流暢に話すこともできる。」

じゃあほぼ人ということか。

「じゃあ、ニオスさん、これから俺は……」

「ゴラァ!!!!」

突然けたたましい怒声が響いた。振り返るとそこには、メイド服姿の1人の女性が立っていた。髪は青く長い。目は赤色で身長は160センチといったところだ。

「あなたねぇ、マスターに向かって失礼だと思わなくて?マスターには様付けするのが当たり前なの!そしてひれ伏して話すのも当たり前!なのに先程から敬う様子すらないじゃないの!」

うん。凄く好きなのだろうな。というより、マスターって……さっき俺が生まれたことを伝えに行った人じゃないか?名前は確か……。

「あぁ、気にしないで美夢惚くん。彼女はちょっと重いだけだから。」

いやニオス様綺麗に受け流してる。日常茶飯事なのか?

「マスター!貴方様がもっとしっかりして頂けないとこのような無礼者が増えるのですよ?」

「では美夢惚くん、君にこの世界のルールを教えてくれるよう、人を呼んでおいたからもうしばらく待っていてくれるかな。」

完璧に受け流してるぅ。

「マスター!」

うるさいなこの人。生まれた瞬間神様だと言われ、ほぼ説明なく仕事をさせられそうになり、おまけにニオス様大好きメイドに怒鳴られるという始末。この状況なに?

俺、この世界でやっていけるのかなぁ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ