07 ブドウスライムの飼育
突然だが俺、生き物を飼育する事にした。
っていっても、普通の生き物じゃないけど。
いや、この世界の生き物が普通かといったら、そうとは言い切れないけども。
そういう次元じゃなくてだな。
なんか、ファンタジーアニメに出てくるような生物がいたんだが。
ぷよぷよして、透明してて、はずむ。
スライムみたいなのがいたんだが。
雨が降った後、外に出てみたら、元気よく生命力あふれながら、弾んで歩き回っていたんだが。
まじかー。
異世界って、こういう生物もいるのかー。
で、この生物見た目がブドウっぽい。
なんていうか、こぶし大のつぶつぶを体にくっつけて歩いてる。
それ、試しに食べてみたらブドウの味がしたんだよ。
え?
そんなもん食べるなって?
まあ、そうだが。
ちょうどお腹がすいてたもんで。
あと寝起きでぼうっとしてたもんで。
つい。
ついでスライム食べるやつはいない?
そうかもな。
細かい事はいいじゃんか。
それよりだ。
そのブドウがあんまり美味しいもんだから、飼育しようと思ってな。
ペットとかじゃなくて、ウシとか豚とか育てるやつ。
養?なんとか?
だから養スライムになるのかな。
それで、ブドウスライム(俺命名)を捕獲して、作った柵の中にほうりこんでスタート。
試行錯誤しながら餌とか与えて、成長させた。
途中Xさんの知識(というか滅んだ文明の)を借りながら、なんとかかんとか。
それで立派に成長したブドウスライムのブドウを収穫して食べてみたら、これが甘くて美味しくてだな。
次はお酒をつくってみてもいいかもって感じ。
きっとお酒も美味しくなるだろうな。
ちなみにブドウスライムの知能は、それほど高くない。
3歩?歩いたらさっき見た人間の顔も忘れるくらいだからな。
なんか、前世でそんな生き物聞いたことあるな。
なんだっけ?
まあ、いいや。
お前らよく今まで生きてこれたな。
難しい事考えてないから、ストレスたまらなかったとか?