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05 洞窟から出てこられなくなった吸血鬼の話



 突然だが、この世界には吸血鬼がいる。


 といっても、人間に近い体格じゃなくて、こうまるまるっとしたフォルムでな。


 あちこちのパーツはコウモリに近いかもしれん。


 空気を入れてパンパンになった球体のコウモリが、申し訳程度の小さな羽でパタパタ飛んでるって感じ?


 だから、バルーンバンパイアとなずけてみた。


 この惑星で、夜がこなくなった時期があったらしくて、吸血鬼たちがまいっちまった事があるらしくてな。


 それで、その吸血鬼のご先祖さんたちは、洞窟の中で生活を始めたんだと。


 そこから何十年か経過して、夜がきちんと来るようになったは良いが、問題発生。


 世界の大気成分が変化していて、洞窟の外の空気が受け付けられなくなっちまったらしい。


 なら今まで連中は洞窟内でどうやって過ごしていたのかって?


 なんか、特殊な空気を生み出す植物や生き物と一緒にこもっていたから大丈夫だったってさ。


 俺は別に博愛精神の持ち主じゃないんだけど、この世界の広々とした空間味わえないってのは損だなとは思う。


 人間の建造物のないこの世界は、行くところに行けばどこまでも広がる草原や砂漠、森があるからな。


 何より、バルーンバンパイアの住んでいる洞窟には、たくさんの鉱物がある。


 そいつらをちょっと拝借したい俺にとっては、宝の持ち腐れ状態なのはよくないってわけ。


 金属っぽいの欲しい。


 ってなわけで。


 だから、俺はこのあいだもらったヒートカゲの革を作って、洞窟を拡張。


 連中の脱皮したやつ、一枚だけなら透明してるから、向こう側が見えるんだよな。


 外には出られないけど、バルーンバンパイア達が外に出た気分を味わえるようにしてやった。


 そんな俺の行動で、ちょうど長い間洞窟暮らしにストレスを抱えていた連中たちは泣いて喜んだ。


 お礼に、この世界の生き物の血の成分リストなるものをもらったし、熟成させたビンテージな何かの偉大なる生き物の血ももらった。


 洞窟の鉱物を狙ったら、一石二鳥どころか三鳥だ。


 生き物の血は正直いらないんだが、断ったら面倒くさそうなんで、二つ返事でいただいておいた。


 今は箪笥の奥にしまってある。


 使い道ないかもなーっておもったけど、意外な発見。


 この血液、あらゆる病気や怪我に聞くレアアイテム的な存在だったらしい。


 諸事情あって、調べたらそんなびっくり事情が発覚。


 有難いもんだったんだなあ。


 というわけで、箪笥の奥からグレードアップして金庫の奥にしまっておくことにした。


 何か病気になった時とか、危ない場所に行く時に使おう。





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