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10 花大陸と舞い降りる花びら



 らんらんらーん。


 おはなさーん。


 おはなのようせい。


 とってもうれしーい。


 駄目だ。


 俺にはXさんのような歌のセンスはない。


 彫刻はよく掘れるけど、こう言葉にしがたい曖昧な方面の芸術性は備わっていないようだ。


 お歌を歌ってみたけど、見るに堪えないフレーズだ。


 音程も最悪で、自分で聞いてて悲しくなるぜ。


 さて、そんな俺が悲しくなってまで歌をどうして歌ってたかというと。


 その原因は頭上にある。


 上に、なんと。


 金曜なんとかショーのテレビでしか見たことがない、でっかい大陸が浮かんでんだよ。


 最初は目の錯覚かと思ったけど、いくら目をゴシゴシこすってもーー。


 消えない。


 夢かと思いもしたけど、眠れないからーー。


 夢じゃない。


 まぎれもない本物だった。


 異世界って大陸も浮くんだな。


 原理とか気にすることあんまりなかった俺だけど、どうやってあれ浮いてんだ?


 すげえ、気になる。


 ここにXさんがいてくれたら教えてくれたかな。


 まあいっか。


 分からないものを気にしててもしゃーない。


 次のターンいこか次。






 で、その大陸からなぜか花が降ってくるんだけど。


 花大陸と名付けたそれの上には一体なにがあるんだろう。


 たくさんのお花畑かな。


 色とりどりの花びらがふってくるのは幻想的で、思わずメルヘンな気持ちになっちゃったよ。


 絵本の世界だと、妖精とかユニコーンとか登場してるな。次のシーン。


 出てこないかな。


 わくわくどきどき。


 出てこないな。


 しょぼん。


 しょぼんな気持ちを横に置いて、気持ちを切り替えた俺は、地面に落ちた花びらを拾い集めてみた。


 そしたら、時間がたったものは固くなってる。


 よく分からんけど、これはかたくて薄い素材になる花らしい。


 半透明だから、色々な事につかえそうだな。


 で、保温性にすぐれてるみたいだ。


 ビニールハウスにして、植物育てるの面白そうかも。


 まあ、後のスローライフ計画は置いといて、


 今はこの見る景色全てが絵画になりそうな景色を眺めときますか。


 たまにはこうやってのんびりぼーっと一日を過ごすのも悪くないもんだ。


 ま、俺は毎日マイペースに生活してるが。


 ちなみにブドウスライムたちも花びらに興味津々。


 地面におちた花びらを体にくっつけて遊んで、はしゃぎまわっていた。


 かわいいね。


 3歩あるいたら忘れてるけど。


 花びら、体の中に吸収?


 でもしたのか、翌日はまだら模様になってたな。


 その後収穫したブドウの味はちょっと甘みがましてた。



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