75/93
75話
出店をやって、20年。
今日はうどん屋だ。
ちなみに昨日はラーメン屋、一昨日はカレー屋。
明日はクレープ屋にするかな。
ふと、店の行列が消えて、一人の女性が来た。
珍しい客だ。
金箔を付けたような肌をした女性。
こんなふざけた存在は1人しか居ない。
「いらっしゃいませ、女神様」
「お久しぶりです、野呂 六能さん」
「ご注文がお決まりになりましたらどうぞ」
俺を異世界転移させた女神様だ。
何の用事だろう。
うどんを食べに来ただけではあるまい。
おそらく、スキルの返却を命じに来たのだろうか。
「この、牛鬼スジ煮込みうどん大盛りと、ちくわ天をお願いします」
女神様にうどんをお出しする。
女神様は美味しそうにちゅるちゅる食べた。
「ごちそうさまでした。お代は銀貨2枚でしたね」
「え、いや女神様から頂くわけには」
「こう見えて、寄付は教会からたくさん頂いていますので、お金もちなのですよ、うふふ」
女神様から銀貨2枚を渡された。
「ごちそうさまでした」
そして女神様は帰っていった。
……うどんを食べに来ただけ?




