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61話

稀人を燃やした理由はもう一つ、魔道具の材料などにされないためだ。心配し過ぎかもしれないが、可能性がわずかでもある以上は無視出来なかった。


稀人はおそらく【時間停止】スキルを持っていた。

そのスキルを使い、俺の周囲の森の部族の首を切ったのだろう。そして俺相手では歯が通らず、怒って殴ったところ逆に拳を痛め、うっかりスキルを解除してしまった。予想としてはこんなところか。


初めて人を殺しても別に何も感じなかった。

俺はこれまで数え切れない野生動物や魔獣の命を取っている。別に人間だから特別とかはない。

ましてこれだけの悪人相手ならためらうこともない。


北の部族の長の稀人を失い北の部族は戦意喪失。逆に森の部族は仲間を殺され怒り狂う。

結果は森の部族の圧勝。

北の部族は全員処刑されることとなった。


「ムノー……あなたが行ってしまうのは寂しいです」

「俺が居なくても大丈夫だ。健康に気をつけろよ」


俺は森の部族に別れを告げ、歩き出した。

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