6/93
6話
ハーベスト辺境伯領 南3開拓地に接触し、俺はとりあえず開拓地の手伝いをすることになった。
非力なので、採取の手伝い、皮のなめし、木工、農作物の世話など。
この世界で生きていく術をたくさん教えてもらった。ありがたい。
あれから3ヶ月。
どうやら辺境伯が、もうすぐ様子を見にここの開拓地に来るらしい。
俺は自分が稀人であることを伝えないようにお願いし、開拓地の人も了解してくれていたのだが。
開拓地に通う商人伝いで、辺境伯に俺のことが知られてしまったらしい。
面倒事になりそうなので、逃げることにした。
「お世話になりました!」
「本当にこの服を貰っても良かったので?」
「ええ。せめてものお礼に」
服を現地の人に渡したことを、紙(植物の繊維目立つ荒いもの)に記して、辺境伯に「ごめんなさい」と一言詫びを書いておいた。
俺は開拓地を出発し、再び森の奥に入る。