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Enptiness  作者: Jupited.i
3/8

降臨し最強と彼女の志

ミツキと冒険に行く?ことになったのだが、私は、かなり悩んでいた。

確かに冒険に行くのもいい考えだ。だが目的がない。

でも冒険に行かないとすると、この世界でやることが無くなる。

悩んでいると、後ろから声がした。


ユウリ「難しい顔してるけど...大丈夫?」


エリ「え...?私そんな顔してた?」


悩み事はしていたが、まさか顔に出ていたとは...


ユウリ「もし、考え事があるなら、外でも歩きにいったらどうかな...?」


確かに..外に行くのもいいかもしれない。

私はユウリに外に行くことを伝え、図書館の扉を開けた。

鈍い音を立てて扉が開く、眩しい光が私を照らす。

薄くたちこめた霧。少し明るい太陽。無気色の地面。

いつもの景色となんの変わり無かった。

だが、冒険をするとなるとどうだろうか?

この世界も、ゲームのような面白い世界だと思えるだろうか。

自分の足音しか響かないこの世界で?ありえない。

だが...本当にやることがないのだ。

今見えている景色は無気色ばかり。

この世界の景色でいいものなんてない。「綺麗」なんてもってのほかだ。

このままなんの目的もなく冒険に行こうか。

もう考えることが嫌になってくる。頭が痛い。

何も考えずに歩こう。

と思っていた矢先、足音が聞こえてくる。

なにか危ない動物?もしくは人?

視認できないからこその恐怖が私を不安の沼に沈める。

だが、そこまで怖いものでは無かった。


「.......?」


私と同じくらいの身長。水色の髪のポニーテール。

そして全てを見透かされているようなエメラルドグリーンの瞳。

後ろには大きな剣を背負っている。

私は、この姿に少し見覚えがあった。

一体誰?


「誰?」


と問われる


エリ「私は...エリ。」


「あ、そう。私はチベル。」


チベルはそう言うと私に近づいてくる。


チベル「君ってさ。戦える?」


エリ「え...」


突然の問いに戸惑う...なんて暇はなかった。

なぜなら目の前に自分の何倍もある影があったのだから。

グルルルルル....


チベル「あ...この子やばい奴だね。頼んだよ。」


剣を投げやりに渡される。


エリ「私...剣なんか...」


困惑する私を、彼女は睨む。

まるで断るわけないよね?と強要されているようだった。

私はこの目の前にある最悪の物体に目を向ける。

私がこんな奴に勝てるのか?

剣も振ったことの無い私が?

何も出来ない、ユウリに助けられてばっかりの私が...?


チベル「覚悟決めなよ。馬鹿なの?」


仕方ない。やるしかない。

剣を構える。そして怪物に向かって走り出す。

怪物は何も動かない。私はそのまま剣を振った。

すると怪物は致命傷をおったかのように悲鳴をあげた。


エリ「倒したの...?」


チベル「....」


怪物は死んだと思われた。だがまた起き上がったのだ。

そして怪物は高く飛び私に的確な殺意を持って襲いかかろうとする。


エリ「あ..」


チベル「使えない」


そう言うとチベルは私の前に立ち、怪物が着地すると同時に腹にパンチを入れる。

怪物は高く吹き飛び、断末魔をあげた。

腹が裂け、内蔵がとび出ている。とても見れるものではなく、思わず目をそらす。


チベル「あんたさぁ」


俯きながら向かってくる彼女。とてつもない苛立ちが見えていた。


チベル「ふんっ」


そういうと彼女の拳が私のお腹に刺さる。

後方に3mほど飛ぶ。


エリ「う...」


そして起き上がる暇も与えないまま寝ている私に再度拳を放つ。


エリ「い...いたい....」


だが、痛いのは暴力だけではなかった。

何故かリメンバーシックも同時に起こっているのだ。

頭から何かが抜けていく。

何かは分からない。

何を忘れているかすら分からない。

お腹も痛い。

あたまも...い.....たい...

誰か...助け....


チベル「死んでよ。はやく。」


そして彼女はもう一度拳を振ろうとする。

その時、


「なにしてんだ!!!!!!!」


誰かの声だ。


???「お前.....エリを殴りやがって...許さなィ...」


チベル「ミツキか....本当にめんどくさいな。お前は。」


ミツキという名前に、覚えがあった。リメンバーシックで忘れたのは...ミツキだった...?


チベル「お前には落ちぶれたあいつらを殺せと言ったはずだ。お前がトロトロして殺さないから私が直接来てやったのだ。なにか変わっているか見に来たが...何も変わっていない。私譲りの身体能力の上昇はあるようだが、あの程度の怪物を1発で倒せないなんて...ゴミに等しいだろうが。」


ミツキは顔をしかめながら親指を噛んでいる。

相当苛立っているようだ。


チベル「まぁいい、ミツキ。邪魔すると言うならお前も殺す」


ミツキ「受けて立つよ。お前のやり方は嫌いなんだ。」


ミツキはそう言うと豪速球のように走り、チベルの背後をとる。

そして鎌で横振り。これは決まったと思った。

だが、チベルという女は恐ろしい女だった。


チベル「そんな攻撃を"受けてあげる"ほど私も暇じゃないんだ。」


彼女は素手で鎌を掴んでいたのだ。

ミツキは離せない。鎌がないと戦えないからだ。


チベル「離さないならバイバイ...!」


そしてチベルの腹に下突きを入れる。


ミツキ「う...ォえ....」


休む暇もなく顔に上段蹴りが刺さる。

ミツキはたった2回の攻撃でかなり弱っていた。


ミツキ「私は...ここで死んでもいい。"人を守るために動いたヒーロー"として殺してくれ。」


ミツキは...泣いていた。

頬を伝う雫が、彼女の顔をよりカッコよくしていた。


チベル「カッコつけたまま死ぬなんて可哀想だな。望み通り殺してやるよ。」


チベルの拳はミツキの胸一直線に伸びていく。

ミツキはその拳を切り落とす勢いで鎌を振り下ろす。

だが、チベルもそう簡単に勝てる相手では無い。

手を直ぐに引っ込め、今度は左手の拳が飛んでくる。

それは鎌を直撃し、鎌は金属音を立てて床に落ちた。


エリ「あ....だめ....」


ミツキにとって鎌は命よりも大事な存在だった。

そして同時に、これ以上戦えないと悟らせるきっかけでもあった。

そして無慈悲にもチベルの右手が胸に刺さる。

ミツキは何も言わなかった。そのまま倒れ込んだ。だが..

チベルのお腹は切れていた。いや...切ったのだ。

この私が。


チベル「生意気だね...けど嫌いじゃないよ。そういうの。あと...これも君の能力なのかな?」


エリ「.....?」


チベル「リメンバーシックのこと。君がだめといった時からずっとリメンバーシックが起こってるんだ...やるね...君。」


そう言うとチベルは、口角を上げてこういった。


チベル「お前がリメンバーシックで死なないなら、お前の正体を教えてやる。」


私は頷いた。そして、チベルはゆっくりと話し始めた。


チベル「はっきり言う。私は創造神、エルだ。」


う...早速リメンバーシックが起こる。

もう慣れたものだ。


チベル(エル)「お前____...すまない。サティ...だったな。」


...!!サティ...


チベル「サティ。お前はこの創造神の後継ぎとして生んだ。正直、とても期待していた。容姿も完璧にした。性格も完璧にした。そして...能力も、強くした。だた____お前は裏切ったのだ。リメンバーシックの耐性が低く、600rdでも吐血するレベル...能力に身体能力の上昇を入れたが一向に剣術はよくならない武力も強くない。そして、私は中心の民から疑いを向けられたのだ。」


エリ(サティ)「ど...どんな?」


チベル「中心の民は私のことを要らないものしか生み出さない『役たたずの(そうぞうしん)』と言ったのだ。更には、落ちぶれの後継ぎを殺せと。だが、私はそうしなかった。お前の今まで記憶を消し、20000000km遠く離れた場所に飛ばした。それで終わると、私自身も思っていたのだ。だが___このこともバレたのだ。中心に。上の神に言われたのだ。あと100年で私が死ぬか後継ぎを殺して優秀な後継ぎを新しく生み出せと。じゃないと空虚の世界ごと消すと言われたのだ。そして私は中心の中の戦力トップランカー10名をお前の元に送ったのだ。その中の一人が...ミツキだ。」


その時ミツキに目をやる。

ミツキは可憐な顔をして眠っているように見えた。もしくは___

考え事をしているあいだも、チベルが話を続ける


チベル「だが20年経ってもお前は死ななかった。だから私が直接来たのだ。私は本当に殺すつもりで殴った。だが____

お前は生まれた頃と違った。臆病だったお前が、神に反逆の意志を見せたのだ。正直驚いたよ。」


そう言いながらチベルはちかよってくる。


チベル「お前を殺すのは、まだ待とうと思う。だがしっかりトップランカーはお前の命を狩りに来る。それまで死なずに生きて中心に来れば...お前を創造神にする。」


そう言うとチベルは私の頬にキスをした。


エル「愛しているぞ。最愛の娘よ。」

















































































































































































目が覚めると、そこはいつも見ていた図書館と、心配そうに覗き込む2人の姿があった。???とミツキだ。


ミツキ「ンぬ?起きたのか」


???「大丈夫?エリちゃん。」


ミツキは頭に包帯を巻いている。そして鎌は少し欠けていた。


ミツキ「おい少年。こいつ多分リメンバーシックでお前の事忘れてるぞ。」


???「ほんと?エリちゃん。僕はユウリだよ。」


パズルがハマったようにユウリと分かるようになる。


エリ「ミツキ。少しユウリと二人で話してきてもいいかな?」


そう問うとミツキは、


ミツキ「えっちか?えっちなやつなのか?にへへへへ...」


とひとりで妄想し始めたのでそのままほっておくことにした。

図書館を出ると既に日は落ちており、ひんやりしていた。

そして私は口を開く


ユリ「私。世界の中心に行く」


少し間を置いて答えがかえってくる。


ユウリ「どうしてエリは...中心を目指すの...?」


そう問う少年。そして答える少女。



「この世界の真理は、中心にある。でも、それだけじゃない。私の...大切な人が、待っているはずだから...」

(エル....きっと私はそこまで行くよ。私諦めないから)







空は星だらけだった。

いつか落ちてしまうその姿はまるで、私たちのようだった。

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― 新着の感想 ―
[良い点] ミツキちゃんかっこええ [気になる点] 「おい少年。こいつ多分リメンバーシックでお前も事忘れてるぞ。」 ここ誤字だと思います。           ↑ [一言] 頑張ってください!
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