断章 魔王再臨(4)
おっぱいに十字切りたい
敵が近づいているとの報せをバロールから受けた魔骨と御修羅は、警戒がてら城内を巡回していた。
「のう、魔骨よ。あの男…野関とか言ったか。お主はどう見る?」
「さて、どれだけの兵力で攻め込んでくるか楽しみにしておったが…。
たったの5人とは!わしが殺してやった女どもと同じ数ではないか!」
魔骨はゲラゲラ笑って、無線を繋ぐ。
「おい、監視台の者ども!
敵が見えたらわしを呼べよ!一息に呪い殺してくれるわ!!」
『…了解』
魔骨の会得している呪術は、視界に入った者の心臓や脳の活動を即座に停止させる事ができる。
もちろん誰にでも効くという訳ではないが、今の魔王たちが喰らえばひとたまりもないだろう。
「呪殺の痕跡すら残らん完全暗殺呪術…貴様だけは相手にしたくないものよ」
「ぎゃひひひっ、いたぶり殺せぬのが欠点だがなァ~」
魔骨が再び下品な笑いを上げると、無線が入った。
『こちら1階東監視所。台所より出火したとの報告を受けた。
現在、足軽数名が向かい消火活動中』
「けっ、何をやっておるか飯炊き共が。
こんな時に無駄な手間をかけさせおって」
『…あ?なんだあの炎は…!?
こ、こちら1階東…うわッ!!
火の勢いが思ったより激しい…』
声がノイズの中に消えていったと思うと、無線越しとリアルの爆音が重なって響く。
「ぬうッ!?…御修羅よ。連中、仕掛けてきたな」
「だろうな。敵も少人数なりに考えているようだ。
それにしてもどの監視所からも侵入の報告がないとは…使えん連中よ!」
踵を返して東監視所に向かおうとする2人の下に、次々と無線が入る。
『こちら中庭、突然爆発が起きた!巻き込まれた兵士6名が行動不能!』
『こちら東門前、付近の監視所で爆発が起きた模様!
これより、増援に向か…うわあああああああーッ!?』
「…これは動かん方がよさそうだ。
敵は恐らく混乱に乗じて侵入してくるはず」
「うむ」
魔骨の節くれだった十指から、黒い煙が放出され始める。
「ここはひとつ、呪いの準備をしておくかァ…」
御修羅は腰の刀に手をかけ、いつでも抜刀できる構え。
「さあて、どこから来るか―」
突然爆音。炎に巻かれ、視界が塞がれる。
「おい、魔骨!敵はいるか!?」
実のところ、魔骨は爆発をまともに受けて即死していた。
「おい魔骨!1人で先行するな、返事をしろ!」
御修羅はこの時点でまだ、魔骨の死に気づいていなかった。
爆音で耳が一時的に聞こえなくなっていたのも一因だ。
更に、これが原因で敵の接近に気づくのが遅れた。
「クソッ、魔骨め、やられたのか…?
…後ろかッ!」
瞬時に振り向きつつ、神速の抜刀術を背後に浴びせかける!
聴覚がほとんど機能しない状況でこの反応速度、驚異的である!
「うおっ、あぶねッ!」
その一撃を剣で受け止めたのは、青ざめた肌の女。
「…女!?
貴様か、襲撃者というのは…」
そこまで言って、御修羅は目を剝いた。
「貴様ッ…あの男の愛人とかいう…死んだハズだ!!」
「まあ、そうだね。死んでるよ」
表れたのはツームストン。
余裕のある表情を見せるが、手は斬撃の重みで痺れていた。
(もう一度受けられるかどうか…さっさとカタをつけないとマズいねぇ)
対する御修羅は既に聴力も回復し、体勢も整いつつある。
「その細腕で私の刀を受け止めたのは、女だてらに見事だと言ってやる。
だがその奇跡、2度とは無いと知れ!」
再び納刀し、飛び下がる。
柄に手を添え、またゆっくりと歩み寄り始めた。
「いいさ、僕だって剣士だ。
身体が別物ってだけで無様を晒す訳にはいかない」
「剣士だと?現代の戦場で生きていける女剣士など何人いる?
ましてや獣人でも魔族でもない、ただの女が!」
男と女の体力差はどうしようもなく存在していて、それは戦場で生死を分ける。
故に、魔族や獣人でなく魔法も無い女は戦士にはなれない。これが常識である。
「…さて、もう間合いだぞ」
「剣士って言ったろ?分かってるよそんな事」
視線が交わったのは一瞬だったが、殺し合いの準備には充分すぎた。
「秘剣・太刀撃ちッ!!」
一瞬の内に抜き放たれた刃の輝きは、レーザー光線の如く真っ直ぐに心臓を射抜かんとする!
「くうううッ!!」
ツームストン卿は身を沈めて躱しつつ、低い位置から足元を狩った。
「分かっておったぞ、貴様がそういう小細工に走るであろう事はな!」
御修羅は突き出した刀を手元に戻しつつ跳躍。
空中から落下の勢いをもって串刺しにかかる!
「小細工?そうだよぉ、まともに戦ってやるわきゃねーじゃん!」
「何だと?まだ勝つつもりでいるのかッ!」
そう、この体制から落下攻撃を防げるハズがない!
ツームストンの負け惜しみか!?
しかしその時、なんたる奇妙な現象か、刀身はぐにゃりとねじ曲がって伸び、まずは御修羅の刀を破壊した!
続いて、落ちてくる御修羅の肉体を両断!
「ぐへっ…」
2つに分かれた身体がツームストンを避けるように落下し、一瞬遅れて御修羅の刀が床に突き刺さった。
「…いやー、魔剣があって良かったぁーッ!
僕の魂を回収する時に、墓から盗んできたみたいだけど…この際、大手柄だ!」
現存する中では高位の魔道具、魔剣カラドボルグ。
草木のように伸び、蛇のようにうねる刀身は、鞭のように振らずとも意思のまま動き、その場から動かずに万軍をも相手取れるという。
3歳の頃から馴染んできたこの剣ならば、肉体の問題など取るに足らなかった。
「あちち…こんだけ吹き飛ばしたら、この城ももう終わりだろ!ねえ?」
廊下に広がりつつある火の手を眺め、呼びかける。
「そうですね…全く、これだけの爆弾の材料をよく2日で集められたもんです」
爆発が開けた横穴から、バンダースナッチが入ってくる。
魔法を使った爆弾製作は、やり方さえ知っていれば他人の肉体でも修得できるものだと判明した。
…が、さすがに練習時間が足りず、結局火薬を用いた爆弾を使用した。
「何とかなりましたね。
でも爆発のせいで警戒させてしまって、残りの人たちはお殿様の方に向かったかもしれません」
「集まられると困るな…でもまあ、師匠が死んでくれるならそれはそれで…」
「幸運を祈りましょうよそこは!」
「祈ってるよ、生きるか死ぬかしますようにって」
さて、生きるか死ぬかしているのだろうか。
イナバの方を見てみよう。
「何とかここまで来たな」
「ああ。あの宣教師姿の男は強敵だった」
「まさか巨大化するとは…」
「破壊光線も強力だった」
池田キルケゴールを下したクロウリー・イナバ一行は、大広間で最後の親衛部隊長、灰堂麒麟と対峙していた。
「まさかあの池田を倒すとは思わなかったが、そのまぐれもここまでよ。
この灰堂麒麟がいる限りはな!」
威風堂々たるその姿に呼応して、イナバも剣士として立ち向かう。
「笑止!サムライというのは主に絶対の忠誠を誓うものではないのか!?
ならば己が主の蛮行を諫め、この領地の安寧を求めることこそ、貴様が今すべき事ではないのか!」
「女風情が、侍の道を語るか!
殺されたハズの貴様らがなぜここにいるのか知らんが、あの男が主などとは心得違いも甚だしい!
我が主はバロール様ただお1人!」
「…バロール?」
「バ、バロールだとッ!?」
クロウリーが驚愕の声を上げる。
「大軍をひと睨みで殺し尽くす、魔眼の巨人!
魔神同士の戦争が起きた際、孫である魔神に眼を貫かれ絶命したと聞いたが…」
魔神に生殖機能は無いが、年若い魔神を老いた魔神が育てることはよくある。
そして自分の育てた魔神に殺されることも。
「ほう…知っているか。
池田を殺した時もそうだったが、貴様、かなり魔のものに造詣が深いと見える。
なぜそんな女が、妾などしている?」
「まあ、中身が違うからな。
そんな事はどうでもいい、なぜ魔神バロールの名が出てくる?」
「言ったろう、我が主だと」
「まるでヤツがここにいるかのような口ぶりだな!」
灰堂の口の端が、初めて歪んだ。
「ククッ…あのお方は本丸御殿におられる。
あの男の妻が向かった所にな…」
妻、すなわち須美の肉体を持つのは、魔王。
魔王は既に単独で、本丸に突撃していた。
「まさかこの一件、魔神が糸を引いているのか!?
だとすれば我々全員、終わったぞ…!」
クロウリーは魔に詳しいが故、むしろ心を折られかけていた。
「笑止!はい笑止!」
イナバの声。
「そんな事は目の前の敵を倒してから考えればよい!」
灰堂の瞳がギラつく。
「倒す?言うに事欠いて、この俺を倒すだと?
その痩せて青白い身体で、この俺と戦うつもりなのか!?ククッ…」
「もちろん、儂1人ではないぞ。そうだろう?」
クロウリーが慌てて、
「…あっ、そうだな!うむ、その通りだ!」
魔法を構える。
「そっちの女は池田との戦いで酷く消耗したハズ。
まだあの巨獣を呼び出せるのか?」
「く…」
クロウリーが今使える数少ない魔法の1つ、『大いなる獣』。
強大な魔獣を召喚し、使役する魔法なのだが…。
「…無理そうか?」
「勝つつもりなら、この後の事も考えんとな。
これ以上やると、この身体が持たん」
召喚魔法というのは、生まれつきにせよ後から習得したにせよ、異空間から怪物を呼び出す『空間魔法』なのである。
個人の力で空間を操るには相応の代償が必要となる。
まず第一に、決まった生き物を決まった数だけしか召喚できない。
つまりその生き物が殺されてしまうと、もう何もできない。
また、契約は追加できないし、契約し直す事もできない。
というのも、召喚魔法というのは大量のリソースを持っていかれるため、他の魔法を習得できないのだ。
だからこそ、生まれつき召喚魔法を持っていながら、他に50以上の魔術を操るマクレガー・クロウリーは『黒魔術の大王』と恐れられているのだが、それは彼の圧倒的魔力量ゆえであった。
だが一般人の女の肉体では、それも無意味だ。
「私にできるのは、増援が入ってこられないように結界を張るくらいだ。
すまんな」
「いや、助かる。
…そうだな、お前の言う通りだ。儂1人で倒すつもりだとも。
まあどちらにしても死ぬ貴様には関係のない話だが」
「はッ、これは滑稽!吹きも吹いたり、貴様1人でこの俺を!?
ユーモアのセンスも、ここまで来ると笑えんわ!」
抜刀し、構える。
(…ッ!この構えは…!!)
「構えろ。それとも刀も持てぬか、その細腕では」
イナバは俯き、小刻みに震えている。
「…ふ、ふふふ」
「おかしいか?それなら己の首が身体と別れるまで笑っているがいい」
「その流派、アヴァロン新陰流か」
「ほう?構えで見抜くとは、貴様もアヴァロン新陰流の使い手か?」
クラウゼヴィッツ・イナバ。
アヴァロン新陰流の宗家にして、創始者である。
「そうか!なるほどなるほど!その構えで儂に挑むか!」
「…その不快な笑みを消してやる。顔ごとな!」
血霞・柳撃ち・炎群風と繋がる連撃。
達人とあって、さすがに技は冴えている。
だが。
「ははは!見事なものだ、定石を理解している!」
「くッ、避けるばかりか弱者め!」
その切っ先は、イナバの肌さえ傷付けることはない。
「何を出し惜しんでおる?お前にはお前の構えがあるハズだ」
「知った風な口を!貴様なぞに使うまでもない!」
「本気を出した上で負けるのが、怖いのだろう?」
「貴様ッ…ほざくなァァァッ!!」
同じ流派の同じ構えでも、それぞれに僅かな違いが出てくる。
その『クセ』を消さず、むしろ磨いていくのが、この流派の修練法であった。
そして『クセ』を『強み』に変えた時、構えを自分のものとする事ができるのだ。
しかし灰堂は、未だ基本の動きのみを繰り出していた。
「その棒きれはいつになったら当たるのだ?」
「この女ッ…いつまで避けていられる!」
焦りが言わせた言葉だったが、事実ではあった。
避けているだけでは相手を倒せぬ。
防御から攻撃に話を転ずると、イナバは依然ピンチであった。
こちらの攻撃は当たるのか。当たれば倒せるのか。
非力な肉体には、避ける猶予もそう残されてはいない。
「ははッ、狙っているな?
のらりくらりと避けながら、一撃で仕留められる隙を!」
「…よく喋るのう、左様に負けるのが恐ろしいか」
「ッ!ふ、ふはは!そうやって誘っているんだろう!
俺が逆上し、冷静さを失わせようとしている!浅知恵だ!」
「……」
連撃がより素早く、急所を狙って放たれ始めた。
怒りではない、相手の疲れを感じ取っているのだ。
(このままでは貧弱なお前の方が不利だぞ!一撃で殺れるのか、イナバ!)
クロウリーが、不安げに見守る。
素人目に見ても、戦況は不利であった。
だがイナバは笑っていた。
(見えてきた…肉体が速度に追いついてきた!
この流派は儂が一から築き上げたものだ。弱点など…)
右手の突きを外側に躱す。
「!!」
「手に取るように分かるわい!」
イナバは一気に斬り込む!首より更に上、こめかみを狙った一撃!
「…だから浅知恵だと言うのだ!」
その刃は、空を切った。毛髪が僅かに散る。
「いかん!躱された!」
クロウリーは思わず叫ぶ。
「出し惜しんでいたのではない!狙っていたのだ、こちらもな!」
教本通りの構えから、自分の構えに切り替える。
本気の技だ。刀を思い切り上段から打ち下ろす、『蓮牙』。
「イナっ…」
「死ねェッ!!」
頭蓋を割らんとする灰堂の刃は、狙いあやまたず振り下ろされて…!
「…があッ」
その刃の勢いは、頭上で突然止まった。
そのままゆっくりイナバの顔の脇を通り過ぎる。
最後には灰堂自身の身体と同時に、床に倒れ落ちた。
灰堂の首筋から、赤いものがじわりと床に広がっていく。
「…この、技は…」
倒れ伏した灰堂は首筋を抑えつつ、呻くように言った。
「『獄門暁』…2日間、これだけを練習していた。
おかげで少しは感覚が戻ってきた…この技だけだがな」
一瞬の間隙を狙い澄ました、反撃の居合である。
「狙って…いたのは…俺が、構えを…変える瞬間、か…!」
本気を出そうとした瞬間、そのほんの一瞬だけ、『本気を出すぞ』という意識に脳が支配される。
技を正確に放つことだけに心を囚われ、敵の動きが目に入らなくなる。
その隙を衝く事は、剣聖クラウゼヴィッツ・イナバにとってより容易い動作であった。
「何…者…だ…おまえ…こんな、技を…」
灰堂は、首に当てた手を力無く降ろした。
とめどなく溢れ出る血も、今や弱まりつつあった。
「…死んだのか?」
「ああ、確実に仕留めた。
後は魔王の努力に期待しよう」
「だが…魔神が相手なんだぞ!?」
イナバが、ふと気が抜けた表情になった。
「まあ…死んだら死んだでめでたい事だ…魔王だからな」
「我々は一蓮托生なのだぞ!?」
「どうせ死んだ身だろうが。何を恐れる」
「それはそうかもしれんが…せっかくまた魔導を探求できると思ったのにな…」
さすがに、一度死んだだけあって命への執着は少ない。
「どちらにせよ、我々に出来る事はもうないだろう」
「何が起きておる…親衛部隊との連絡はまだつかんのか…!?」
人気無き本丸で、孤独な暴君は狼狽していた。
「そろそろ全員仕留めたという報告の1つも上がってくるハズではないのか!?」
『はっはっは、君は慌てんぼうだなぁ。
そろそろ来ると思うよ、堂々としてなよ』
「そ、それは真か!?」
『あ、ほら来た』
障子戸が開き、見知った部下の顔が見える。
「遅いぞッ…なぁッ!?」
恐怖に目を見開いた頭部のみが、転がり込んできた。
続いて、両手を赤く染めた女が入ってくる。
「きっ、き、きききっ、貴様はァ!!」
「…恨めしや…藤巻長頼…縊り殺してくれる…」
ぶつぶつと呟きながら近づいていく。
「あ、ああ、ありえない!殺したハズだ!!
どうなっておる…お前が呪殺したハズではないのか!?」
『僕っていうか部下がね。血吹いてくたばったの見たろ?
…下手な演技はやめなよ、誰だか知らないけど』
呪いの囁きが止み、女は呵々と笑った。
「いやあ、幽霊の振りをしてみただけだ。
それにしても、気配で薄々分かってはいたが…やはり魔神か!
ここまで試練が重なると、もはや恣意的なものさえ感じてしまうな」
『無力な死体を借りてまで私に会いに来た君は、いったい誰かな?』
水分の抜けた髪をかき上げて、答える。
「我が名は魔王。いや、名ではないか…だがこちらの方が通りが良いからな」
『魔王?これはしたり!
魔界への門を塞ぎ、我らの帰還を妨げたあの名高き愚者にお会いできるとは!』
会話にも部下にも取り残された長頼が、喚く。
「いい加減にせよ!何の話をしておるか…早う説明せい!」
『いいんだよ、君は知らなくて。
ともかく君は私に協力しなくちゃならんだろ、そういう契約だ』
奥の部屋の襖が開け放たれ、触手が1本伸びてくる。
「協力だと!?これ以上、余に何をせよと言うのだ…」
『私を守ってくれたまえ。これでも怪我人だよ?
私の力が欲しいのだろう、ならばそろそろ君自身が働いてみろよ』
触手の先端が、長頼の背中に突き立つ。
「ぐがッ…」
『さあ、気合い注入だ!張り切っていこう!』
長頼の肉体が、異様に膨らみ始める。
眼や鼻、口からどす黒い液体を溢れ出させ、痙攣し始める。
「貴様自身が相手でないだけ、神も有情か。
仕方あるまい、いつも通り出たとこ勝負と行こう」
「うウうウウうぉおおオお…」
長頼の全身は肥大化し、黒い液体が鎧のように覆っている。
腰に差した刀を抜くと、刃を液体が滴って凶悪な形に変える。
『なあに、そう緊張することは無いよ。
人間同士の戦いさ、結構いい勝負できると思うよ?』
〈つづく〉
どうしようもない名鑑No.94【親衛四天王】
魔神バロールと接触し、その力の一部を授かった狂信者たち。
・魔骨苦汁郎は最も強く力を受け継いでいる。
生まれつきその容姿で差別されてきた魔骨は、魔神信仰に傾倒
していき、バロールと出会って呪術を授かった。
・御修羅聖兵衛は抜刀術の師範であった。
しかし弟子に裏切られて道場を乗っ取られ、自身も生死の境を
さまよっていた所、バロールに魅入られる。
・池田キルケゴールはその外見通り、宣教師であった。
バロールを信仰する狂気の村で生まれ、最も激しい信仰心を持って
いた彼は、自らの肉体を怪物に変化できるよう改造した。
・灰堂麒麟は血に飢えた剣士であり、力を求めて魔神に行きついた。
剣術に魔神の力を合わせた秘奥義『邪鋏』を喰らった者は確実に死ぬ。