表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
百鬼夜行  作者: 布眠夢懋
2/7

episode.2

episode.2

古めかしいカフェの角に、明るそうな雰囲気の男が座っている。


男の名前は芥川李畔。

国立大学の経済学部に通う大学生である。


孤児院で育ちながら、懸命に勉強して彼は大学に入学するとともに施設を出た。

努力家でありながら、笑顔を絶やさない彼は、大学でも人気者である。


今日はデートだ。

無類のコーヒー好きである芥川と、その彼女はよくこの喫茶店を待ち合わせに使っている。


カラン、と古めかしい音を立ててドアが開く。

待ち合わせ時間ぴったりだ。


「お待たせ」

「全然待ってないよ」と、芥川は笑った。


高校生の時から付き合い始めたので、交際は4年になる。

交際は、いまだに順調だ。


マスターが彼女にコーヒーと同じお盆に箱を乗せて持ってきた。


「え?これは・・・・」

「開けてみて」


箱の中には、時計が入っていた。


「これ!私が欲しかったやつ!!」

「誕生日おめでとう!」と、芥川が笑った。


その後、二人はいろいろなところを回った。

水族館や、ショッピングモールなどだ。


暗くなり、彼女と芥川は帰路についていた。

交差点で、信号を待っていると、彼女が急に抱きついてきた。


「どうしたの、急に」

「李畔くんと付き合えて私幸せだなーって」

「僕も、幸せだよ。でも、ちょっと恥ずかしいな」と、はにかむ。


信号が青に変わった。


「今日は、家寄っていきなよ。美味しいもの作ってあげる」

「ほんと?!やった!」


そういって、芥川は一歩踏み出した。


その時だった。


止まると思っていたトラックが二人の寸前に迫っていた。


彼ができたのは、彼女を突き飛ばすことだけだった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ