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03.モードチェンジ


 霜山一しもやまはじめ改め、ライズ・フロストは『ウインドウ』の確認をしている。


 そして、ステータスの項目の確認を終えた。


 どうやら寿命は既に決まっていて現在2歳、127歳で生涯を終えると言う事らしい。


 取りあえず、職業は前職と同じく賢者に設定。


 スキルについては、職業と連動で10個表示される。


 他の取得済みスキルは、表示されないだけで、持ってる事には変わりなく普通に使用可能らしい。


 つまり、アウルーラでのステータス確認の魔道具では先の5個しか把握しきれない為、『隠蔽』もいらない事になる。


 「幼女神様々って事だけど……、無駄に優遇されてる気がする。次はアイテム項目だな……。」


 


  アイテム


   時空属性開放により取得。


   アイテムストレージ。


   亜空間。時間の停滞。目録付きだよ!


   整理整頓は基本だからね!散らかしちゃダメだよ!




 「うん!四次元ポケットだね!分かってた!分かってたさ……。って、お前は俺のお母さんか!」


 と、取りあえず、アイテムは使用時に確認で良いとして……、次はマップ。


   

  

  マップ


   お母さんで間違いないよ!君は僕の子、使徒だからね!ママって呼んでいいんでちゅよ~!さあ、おいで甘えさせて上げまちゅよ~!


   まだママのオッパイ恋ちいでちゅよね~。幼女だからオッパイ出ないけどね!ブッファファファファ!


   と言う事で、マップの説明するよ。


   時空属性開放により取得。


   空間把握。『マップウインドウ』にて2次元or3次元表示。範囲は魔力量に比例。


   『幼女の使徒』取得により、『表示』とリンク可。


   『幼女の使徒』取得により、『追跡』とリンク可。


   『幼女の使徒』取得により、『自動』とリンク可。

     

   『幼女の使徒』取得により、『検索』とリンク可。

     

   中々優秀な機能だからって、女の子を追い掛け回すような犯罪に使わない様に!分かってると思うけど、フリじゃないからね!絶対だよ!絶対使っちゃダメだからね!




 「使うかっ!!!!って言うか!これ『メール』いるのか!説明で十分やり取りできるじゃねえか!」


 ライズは鼻息を荒くし、説明機能自体の優秀過ぎる性能に、不満をぶつける。


 ここでライズは、ふと疑問に思う。


 これは現在進行形のやり取りなのか?


 もう既に仕込まれているのでは?       


 だとしたら、幼女神に遊ばれている?


 そう思うと、ここまで手玉に取られている自分が恥ずかしい。     

 

 気を取り直し、幼女神の思惑に乗せられないよう、次なる項目『パーティー』を選択する。  

 



  パーティー


   ざんね~ん!現在進行形でした~。


   僕は神だから全てを見通せま~す。そう……、君の心の声もね。


   今現在、地上では今は亡き前世の君を思う女性が夜な夜な独りで、目くるめく官能の世界を……、おっと!これ以上は18禁だから2歳の君には、ちょっと早いね!


   と言う事で、パーティー説明だよ!


   『幼女の使徒』取得により、解放。


   経験値の共有分配。


   最大パーティ人数 4人。


   ※乗り物取得により、最大パーティー人数の増減するよ。


   同意による眷族化|(使い魔、婚姻、奴隷……等々)。


   眷族のステ―タス確認、変更可。      


   眷族化による恩恵:成長率上昇、全耐性上昇。




 「………………。」


 ライズは何とも言えない敗北感に襲われ、ガクリと肩を落とす。


 幼女神が姿を消してから、ライズの疲れはMAXに足していた。


 悲壮感漂う中、ライズは無言のまま次の項目『システム』の確認をする。  


  


  システム


   表示 


    ターゲットタブ 可・否


        感情色 可・否


    説明ウインドウ 可・否


   音声                     

  

    拡張 可・否         


    ダイアログ表示 可・否


   ウインドウ


    レイアウト  調整  


    コントラスト 淡←――→濃


         R 淡←――→濃 


         G 淡←――→濃


         B 淡←――→濃

   追跡


    目標     設定(――――) 


   自動


    マクロ    設定(――――)    


   検索


    目次     設定(――――)    


   アップデート


    今後に期待してね。

      

   セーブ


    無いよ。 


   ロード


    無いよ。


   ヘルプナビ


    『世界の真理開放』により、取得。


    使い魔(精霊♀)召喚 可・否


    


 「なんだこれ!途中どうでも良い物もあるが……。有用過ぎだな。」


 取りあえず全て可に、そして最後に使い魔召喚を可にする。             


 すると、ライズの目の前で細かい光の粒子が集合して行き、脳内に音声が流れる。


 「システムオールグリーン。」


 「カンスイシャ、カクニン。ライズ・フロストヲ、アルジトニンテイ……。」


 「コレヨリ、ヘルプナビ、キドウシマス。」 


 そして目の前に、直視するのには眩しすぎる小さな発光体が浮かんでいる。


 ライズは眼を手で覆い、指の隙間からその発光体を眺め、呟く。


 「ちょっと眩しいな……。」


 「コウリョウチョウセイシマス。」


 ドンドン、暗くなっていき視認出来る程の明るさになった。


 その発光体はどうやら半透明な人の形をしている、クリスタルフィギュアと表現するのが分かり易いだろうか……、それでいて人形のような硬さが無く、丸みを帯びた女性特有のラインが柔らかな雰囲気を醸し出している。


 「ハジメマシテ。ワタシハ、リンネシステムサポートタンマツヘルプナビ、コタイナンバー0001。コノタビ、ライズサマノタントウツカイマトナリマシタ。ヨロシクオネガイシマス。」


 聞き覚えのある音声で語り掛けて来る。


 「ああ、よろしく頼む。だが……本当に始めましてなのか?」


 「ライズサマノ、ゴドウサツリョクニハイタミイリマス。リンネシステムキドウジノ、ナビゲーションモサセテイタダキマシタ。」


 「やっぱりか!ところでその片言な話し方何とかならないのか?聞き取り辛いんだが……。」

  

 「セイレイゴニセッテイシテマス。セッテイシナオシテクダサイ。」


 「どうすればいい?」


 「『パーティー』ヨリ、ケンゾクヘルプナビデセッテイデキマス。」


 「そうか。それと、さっきから目の前にある『ウインドウ』は調整可能か?」


 「ハイ、チョウセイカノウデス。システム、ウインドウ、レイアウトデチョウセイデキマス。」


 「了解だ。」


 ライズはヘルプナビに従い、レイアウト調整をしていく。


 先程まで、目の前で重なり合い、見辛かった物が……何と言う事でしょう!匠の手により、とあるネットゲームと見違わんばかりの画面にスッキリ早変わり……。


 そしてターゲットをヘルプナビに合わせると……。


 説明ウインドウに詳細が映し出された。




  ヘルピナビ No.0001

 

  名前:未設定 年齢:∞ 種族:精霊種無霊族


  職業:使い魔 LV:01  


   ライズ・フロストにより召喚。


   リンネシステムサポート端末。


  ▼




 「あっ、そうか!これ鑑定と変わらないな!」


 他人に向けて発動して始めて分かった。 

 

 しかも気になった物の詳細を勝手に映し出す、多分だが、これ!深層心理まで表示できる気がする。


 それに、次ページもあるみたいだが……。


 ライズは詳細ウインドウ次ページを開いてみる。


    


  好感度 50/100




 「んっ!……何?好感度って、ギャルゲー?50/100って何?」


 「ソウイウシヨウデス。50/100ハ、カモナクフカモナクデス。」  


 ヘルプナビは淡々とした、口調で話している。


 「あっ、そうなんですか……。」


 と言うか……、ゲーム要素詰め込み過ぎ!


 好感度を上げれば、ムフフ……な展開も期待できると言う訳ですね。


 ライズの身体は2歳児、精神は既にトータル100歳近く、常時賢者タイムの職業賢者だから、今さら特に気にならない。


 それよりも聞き取り辛い、ヘルプナビの言葉を何とかすべく、『パーティー』項目を開く。




  ステータス

   

   眷族

 

   ヘルピナビ No.0001

 

   名前:未設定 年齢:1/∞ 種族:精霊種無霊族


   職業:使い魔(ライズ・フロスト) LV:1/10  


   スキル:精霊術 同調  


   加護:幼女神シンラ(リンネシステム)


    HP:36/999 MP:118/999  


    STR:99 DEX:99 VIT:99 INT:99 AGI:99 MND:99 LUK:―




 ちと可笑しなステータスだが……。


 「言語はこれで良いとして、名前どうする?」


 「ライズ様にお任せします。」


 流暢な話し方に変わった。


 「それじゃ……、ナビ「却下です!」」


 ライズの言葉にヘルプナビが言葉をかぶせて来た。


 「まだ途中までしか喋って無いぞ!」


 「失礼しました。『ナビ子』とか『ナビ代』的な物と予想出来ましたので……。」


 「やっぱり嫌か……。定番だからな。」


 「そう言う問題ではないのですが、名付けにより私の価値が決まります。」


 「そんな大事か!それじゃ……、グロリアーナは……妖精女王だったし……、ティターニアも同じだったか……、精霊……精霊……!!アウラでどうだ!」  


 アウラと言った所、ヘルプナビの身体が光り出した。


 そして片言の音声を発する。


 「ヘルプナビナンバー0001、コタイメイ『アウラ』トトウロク。」


 「コレヨリコタイメイ『アウラ』ノサイコウチクヲオコナイマス。………………………………カンリョウ。」


 「サイコウチクニヨリマリョクリョウキケンイキニタッシマシタ。コレヨリ、ショウエネルギーモードニイコウシマス。」


 その言葉を最後に、アウラの光が治まって来た。


 そして、ライズに受け止めてもらう意思がある様に、ゆっくりとライズの掌に降りてくる。


 ライズはそれを受け止め仰天する。


 約15cm程のフィギュアでは表せない質感……。


 ライトブルーの髪をした白い肌の全裸の女性が今、ライズの掌の上に横たわっている。


 どうやら、気絶しているようで、胸が上下に動き呼吸している事が分かる。


 生きている事が分かりひとまず安心なのだが。


 「アウラ……なのか?」

 

 ライズはその女性を凝視する、見れば見る程人間そのもの……、髪の毛から毛穴まで10分の1に縮小された人間だ……と、そのまま下半身に目をやる………………。  


 「これはダメだな……。寝ている女性を視姦してしまった気になる。」


 気付いているのか気付いて無いのか、ライズは女性の身体を全身くまなく、確認してからその言葉である。


 誰が見ても、女性にイタズラする2歳児でしかない。


 ライズは女性を床に下し、自分の来ている上着を掛ける。


 「これで良し!」


 ライズは紳士的態度を取ったつもりで居るが……、事後である……。


 そんなこんなしていると、女性が目を覚ます。


 「……ここは?」


 「おう!気付いたか。アウラ……だよな。」


 眠そうにしながら上半身を起こし、ライズを見上げアウラが答える。


 「はい……。ライズ様より『アウラ』と名付けて頂きました。ところでいったい私は何を……、再構築までは記憶が有るのですが……。」


 「ああ、何か省エネルギーモードとか言ってたぞ。」


 上半身を起こしオッパイ丸見えのアウラを見つめ、ライズは答える。


 「ああそれで……。ご迷惑お掛けいたしました、ライズ様……。」


 「気にするな。特に問題無い。もう少し横になっていていいぞ。」


 「いえ、そう言う訳には!」


 アウラが立ち上がろうとする。


 パサッ!


 アウラの掛けていた俺の上着が勢いよく取り払われ、それにより大股開き状態の裸体を晒す事になった。


 「…………………………見ましたよね。」

      

 恐る恐ると言った具合に、アウラが確認してくる。


 「ああ、見えてるな……。」


 「あぎゃっ~~!」

     

 可笑しな悲鳴と共にアウラは俺の上着に包まり、丸まってしまった。


 時折、あ~~~!とか、う~~~!とか唸り声が聞こえてくるが、2歳児に全裸を見られた位で何を錯乱しているんだか……。


 そうしていると、アウラがひょっこり頭を出してきた。


 「ライズ様!責任取ってくれますよね!」


 「責任?」


 「そうです!うら若き女性の裸体を隅々まで観察したのでしょ!受肉したのは良いですが、こんなに恥ずかしいとは思いませんでした。その責任です!」 


 「肉体に精神が引っ張られたって事か?で、どうすればいいんだ?」


 「つがいになって下さい!」


 「つがい……?結婚か?」


 「そうではありません、つがいです!」


 「何が違うんだ?」


 「結婚とはそもそも、どこの誰かも分からない神と名乗る者に、誓約を立てる人族独特の儀式です。神シンラ様の使徒たるライズ様とその使い魔たる私がする事ではありません。絆と言う意味では、もう既に切っても切れない絆に……、生死も共有しています。ですから私とライズ様との子を後世に残す、その責任を取っていただきたいのです。幸い、私も受肉した事により、人族の生殖活動が出来ます。と言う事で番です……。………………、いえつがいは言い過ぎました。ライズ様を私が独り占めと言う訳にも行きません。ですから、妻の一人に加えて下さい。」


 捲し立てる様にアウラが言いきる。


 「………………。」


 アウラの言い分はもっともな事に聞こえてくる。 


 ライズは少し考え口を開く。


 「そもそも体格が違い過ぎるだろ?今ならアウラが頑張ればいけるかも知れないが、俺はまだ2歳児だぞ。」


 「ああ、その事なら大丈夫です。今すぐ生殖活動と思っていませんから。もしお望みならこの状態で頑張らせていただきますけども、省エネルギーモードの他に別モードもあります。要は人のそれと変わらないモードですね。」


 あれ?……、問題が無いのか?美人だし……、スタイル良いし……、従順だし……、良妻賢母じゃないか!


 「そうか……、なら妻になっても大丈夫だな……。」


 「有難うございます。誠心誠意、仕えさせていただきます。」


 ピコ-ン! 


 何やらピップ音がした。


 「ライズ様!どうやらステータスが更新されたようです。」


 「そうなのか?」


 「はい……、少々お待ちください。」


 そう言い俺の上着の中のアウラの身体が光ったと思うと、服を纏って俺の上着からアウラが出て来た。


 


 「それよりも、アウラは俺の妻なんだから、もう少し砕けた感じで話してくれ。そのままだと俺の肩が凝りそうだ。」


 「2歳児がですか?ですが、そう言われるのであれば……。」


 アウラが口元に指を当て何やら考え、何かを思いついたように口が開かれた。


 「ダーリン!アウラだっちゃ!」


 「却下!」


 電撃ビリビリはダメだろ!


 「おっす!おら、アウラ!劇場で会おうぜ!」


 「却下!」


 色気皆無!と言うか既に映画化してんのかよ!


 「わっちは、ぬしの妻でありんす。」


 「惜しい!」


 遊郭じゃないだろ!


 「アウラでゲソ~。」


 「遠ざかった!」


 侵略者じゃないし! 


 ………………………。


 ……………………。


 …………………。


 ………………。


 ……………。


 …………。


 ………。


 ……。


 「ザワッ!ザワッ!ザワッ!ザワッ!」


 「却下!」


 問題外!効果音じゃねーか!


 しかし、どんだけレパートリーあるんだよ! 


 「どっからそれらのネタ仕入れたんだ!」


 「えっ!リンネシステムからですが……、何か?」


 「大本は日本のサブカルだろ!なら幼女神の知識か!」


 そう話すと、後ろからライズの右肩に手が置かれる。


 「呼んだかい?」  


 幼女神シンラが戻って来た。 


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