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02.色々貰えたので設定します


 幼女神の完遂特典説明。


 基本完遂者は先程話した通り、上位種への転生と記憶の継続が通常完遂者特典となる。


 深淵の魔女アトリーはこのまま行けばハーフエルフながらハイエルフへの上位転生が確約されてるとの事。 


 そしてここからが、貢献特典。


 一、唯一神シンラの加護、付与。


 一、称号、使徒の付与。  

  

 一、自己限界突破。


 一、自己スキル引継。


 一、自己魔力引継。


 一、時空属性開放。


 一、世界の真理開放。


 とまあ、こんな感じに目録が読み上げられた。


 要は『強くてニューゲーム』と言う訳だが、転生時にステータスはリセットされるとの事。


 ただでさえ、上位種転生により同種転生の倍の成長補正が付いており、ハードモードからノーマルモードへ引き下げられる。

 

 それが貢献度により更にイージーモードに変貌する。


 一般人から見れば、『チートずりぃ~!』って感じだろう。


 「う~ん……。」


 「何だい?気に入らないかな?」


 「楽になるのは良いんだが……、これ、他人に見られたら如何だろうな?」


 「そうだね、人種によっては神子とか忌み子、はたまた邪神、魔神って所かな。戦争の火種になる事は間違いないね。」


 「だったら……。」


 分かっているとばかりに、幼女神が俺の言葉を遮り話す。


 「だから最後にステータスの隠蔽を施すつもりだよ。この隠蔽は僕の加護によって施すわけだから、ばれることは無い。ばれるとすれば同じく完遂者って事になるから安心して。因みに君自身でも弄れるようにはするけど、極端に弄ると自力と偽装の差が出るから注意してね。」


 ステータスの確認は冒険者、魔術師、商人等の各ギルド、後は国の住民登録等、要所要所で行なわる。


 この確認が有るから、ある程度の治安が守られている。 


 まあ、それぞれに脱法方法もあるようだが……、余り関わりたくない所でもある。


 「隠蔽については助かるな。」 


 「だろ。」


 「と……。もう一つ気になる事があるんだが?」


 「何だい?」


 「完遂者を記憶継続で転生させる意味かな?何か目的があるんだろ。」


 「まあね。……とは言っても、そんな難しい事じゃない。君が現世でしてきた事に近いかな?」


 「んっ?どう言う事だ?」


 「さっきぶっちゃけたから言うけど、完遂者を増やしてほしい、そして君自身についてもまた僕を楽しませてくれって事だよ。ただしこれに関しては禁則事項として本人に伝えることが出来ない仕様だからね。」


 「もう話してるし、何か面倒くさい……。」


 「そう言わずに頼むよ……、何なら君のテクノブレイク制限も解除してあげるからさ……、ハーレムだよ。女の子が待ってるんだよ。どうだい乗り気になって来ただろう?」 

 

 うわっ!うざ!


 「大きなお世話だ!」


 「気にもなるさ……。だって君は前世も現世も子供居なかっただろ?それは種として劣っていたって事なんじゃないかな。それとも単純ヘタレって事かい?もう少し子作りに励んでも良かったと思うけどね。」

 

 「………………。」


 「あら……。図星ようだね。まあ、君の子も完遂者候補は間違いないから、そっちも頼むよ………………。あっ、R指定になるか…………。」 


 幼女神は何かを思い出したかのように呟きだす。


 時折、『スキル……、自主規制……、倫理規定が……、作るか……、モザイク……、ボカシでも……。』など聞こえて来る……。 


 こいつ自身が倫理規定に引っ掛かっるんじゃないか?


 と、人の心配をよそに幼女の姿をした幼女でない者の口から、どんどん卑猥な言葉が漏れる……。

 

 「なあ、神様ってのは覗きが趣味なのか?」


 「失礼な事を言うねぇ~!アウルーラは僕が作った世界、そこで生活するすべての生き物、ミジンコからドラゴンまで僕の子供と同義。つまり親が子を見守るのは当たり前の事だね。決して人種の姿を模してる僕が、人種の交尾を見て興奮して夜な夜な一人でしている事なんて無いんだからね。勘違いしないでよね。この馬鹿チンが~。」


 幼女神が頬を紅く染めて弁明してくる、一見正論にも取れるが最後の方が意味不明、そして気になる一言もある。


 「あ~、ミジンコ居たんだ……。それとその幼女の身体は偽物なのか?」


 「えっ!知りたいんだ?う~ん……、君なら良いか。世界の真理開放って事だしね。」

 

 「マジで!そこまで大事!」


 「まあね。君が理解し易いように言うと、這いよる混沌的な者とか、アンゴルモア的な者に近い存在かな。今君が見ている存在は僕でもあるし僕でも無い不安定な者なんだ。要は君が望んだ存在って事だね。もちろん肉体の固定も可能だし、君が望めば子供も作れるよ。どうだい理解したかな?銀髪、黒目、白肌で可憐な幼女を心の奥底から好きな霜山一君?」

 

 ハジメは自分の好みが、目の前に居る幼女神だと聞き羞恥心を覚えた。


 「んが~~~~~!」


 叫び声を上げ、ひたすら床に自分の頭を叩きつける。


 「そんな事しても、何も変わらないよ。……………………………!そうっ真実は何時も一つ!」


 幼女神がビシッ!と指差しポーズを決める。


 「なぜ言い直したっ!」 


 ついツッコンでしまったが、俺の心はどんよりしている。


 「死にたい……!」


 心の声が漏れる……。 


 「ブワッハハッハ~!もう君死んでるじゃん!これから生き返るんだよ!」


 幼女神が腹を抱え、床を転げまわっている。


 あっ、パンツ見えた、ラッキー!…………じゃない!


 「おい!いい加減に「んっ!」」  


 俺の話を最後まで言わせないまま、幼女神が真剣な表情に戻る。


 先程までの笑顔がなりを潜めた……。


 「そうか……また……。………………。霜山一君!ちょっと僕に用事が出来たみたいだ。そうだね……、そのままだと暇だろうし……。」


 パチッ!


 そうしてまたもや、幼女神が指を鳴らす。


 すると中年の身体が、幼児の姿へと変貌を遂げた。


 「これは……?」


 「それは来世の君の身体だよ。まだ三歳児まで成長してないけど、ここに居れば安全だから身体を確認すると良い。僕の加護で鑑定みたいな事が出来るから色々試してみてくれ。」


 そう言い告げ幼女神は姿を消した。


 もう少し説明が欲しかったと思うところだが……。


 「鑑定みたいな事か……。」


 取りあえず、定番と行こうか。


 「『鑑定!』……。『ステータス!』……。」


 声に出してみるが、反応が無い。


 幼女神の事だからこれで行けると思ったのだが……。


 アウルーラのステータス確認は魔道具で行われる。 


 国や各ギルドで発行される身分証やギルドカードと呼ばれるものを魔道具にかざすと、本人の情報が更新され現況が映し出される。


 過去の勇者が作った技術として、アウルーラでは普及している。


 確か……。




  名前○○○○ 年齢○○ 種族○○


  職業○○○○ ランク○


  ステータス

 

  HP○/○ MP○/○  


  STR:○ DEX:○ VIT:○ INT:○ AGI:○ MND:○ LUK:○




 てな具合で表示される。


 HP、MPは数字、その他ステータスと職業ランクはS、A、B、C、D、E、Fの7段階で表示される。


 これは過去勇者の趣味なのだろうが、こいつもゲーム脳だな……。


 そうなると……。


 「『ウインドウオープン!』…………出ちゃったよ。」 

 

 今、自分の前に『MENU』と書かれ半透明化した物が出現した。  


 内容は……。




  ―― MENU ――


  ステータス


  アイテム

 

  マップ


  パーティー


  システム

 

  メール





 となっている。


 「………………、鑑定とは別物だな……。はぁ~。」


 ため息が出てしまったが、気を取り直しステータスから確認して行く。

 

 指でステータスの項目をなぞってみる。


 ページが更新され、ステータスが出て来た。


 どうやらタッチパネル式の様だ……。



 

  ステータス

 

  名前:未設定(霜山一/ファスト・フロスト)年齢:2/127 種族:人種ハイヒューマン族


  職業:未設定 LV:――  


  スキル:未設定 


  加護:幼女神シンラ


  称号:幼女の使徒


   HP:36/36 MP:118/118  


   STR:3 DEX:3 VIT:3 INT:3 AGI:3 MND:3 LUK:―



 

 「んっ?……LUK:―って……。運が無いって事か……。在り得ないだろ!」


 そのまま、LUKの所を触ってしまった。




  LUK:


   運、運命により左右される。数値が高いほど、振れ幅が激しい。

  

   『幼女の使徒』取得により、運命の輪より解放。




 「あれ?思ってたのと違うな……。つまり、平穏な人生が送れるって事だよな……。良いのか?」


 何か……、他にもツッコミたいステータスなんだが……、使い方が何となく分かったし、どれから行こうか……。


 「………………やっぱ!これだろうな。」


 俺はそう呟き、幼女神シンラの加護をなぞる。




   加護:幼女神シンラ


    まったく!幼女神って固定したじゃないか!君が幼女!幼女!言うからだよ。


    この世界において僕は唯一神、管理神、もしくは創造神になるんだよ。    


    そこの所、分かってるのかい!激おこプンプン丸だよ!プンプン!


    まあ内容は変わらないから問題無いけど。自業自得だと思って、『幼女の使徒』も受け取ると良い!


    何だか……、幼女のパシリみたいになったね!ゲラゲラゲラゲラ!


    とまあ、冗談はこれ位にして、加護についてだけど。


    一番は『ウインドウ』の使用許可だね。   

    

    一応、『健常』と『隠蔽』も付けたけど、ハイヒューマンの身体だと『健常』なんて要らなかったかな。


    使用方法は、システムのヘルプ参照にね。


   追伸


    『ウインドウ』は触らないでも使用可能だよ。もしかして触っていたかな?


    誰かに見られたら、独りで変な事にしてる変質者にしか見えないよ。ぷっぷ~! 




 そこに書かれていたのは説明分とは言い難い、幼女神の独白だった。


 幼女神にしてやられた感を否めない、自業自得だと言われればそれまでだが……。


 「くっ!何だそれ!」


 つい口から、愚痴がこぼれる。


 付いてしまった物は仕方ない……、後で文句の一つでも言っておこう。


 そう自分に言い聞かせ、次なるステータスの確認を行う。  


 さっきとは違い、目の前に出ているステータス項目、称号:幼女の使徒を見つめる。



  

  称号:幼女の使徒


   幼女神シンラの使徒。『MENU』に『パーティー』『メール』項目の追加。

 

   『システム』内に『表示』『追跡』『自動』『検索』の追加。


   運営《幼女神》に直接連絡する許可が出ました。


   運営《幼女神》のメアド、ゲットだぜ!

 


    

 普通に説明文が出た。    


 最後の一文は意味不明……、ネタを仕込まないと気が済まないのか?   


 「はぁ~~!」


 さっきからため息ばかりの気もする……。


 次は名前。

 



  名前


   未設定です。登録してください。


    

 

 登録か……。


 長年親しんできた、『ファスト・フロスト』でっと……。


 


  名前


   同じ名前の使用者がいます。他の名前で登録して下さい。




 マジすか……。


 使用者って俺だろ!


 なら……、『ライズ・フロスト』てのは、どうだっ! 



  名前


   ライズ・フロスト


   登録完了!


 


 よしっ!それじゃあ、次!


 


  職業


   未設定です。選んでください。


   『賢者 LV:8/10  隠者 LV:8/10 魔術師 LV:10/10  闘士 LV:10/10  教師 LV:4/10  為政者 LV:3/10  冒険者 LV:6/10  商人 LV:8/10  錬金術師 LV:2/10  技術者 LV:3/10  料理人 LV:2/10  運び屋 LV:5/10  細工職人 LV:1/10  農民 LV:3/10  漁師 LV:10/10  獣使い LV:10/10  勇者 LV:――/10  神官 LV:――/10  仙人 LV:――/10 ……………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………。』


 

 そこに表示されたのは膨大な職業……。


 「何?これ……。」


 先に表示されたのが、元職業何だろうが。


 賢者、魔術師、闘士は分かる……、他は就いたことの無い職業ばかりだ……。


 それに勇者以降LVが無い……、更に途中から文字がグレー……。


 LVが無いのは転職可、グレー文字は転職不可は理解できる。


 「ただ就いたことの無い職業が有るのがな、……………………!もしかして前世での仕事か?それと無く、面影は有るし……いや、しかし……、冒険者?う~ん……あれは日雇い労働者か……。」 


 う~ん……。


 隠者は森に引きこもったから、教師は弟子が出来たから、為政者はあれだろ魔人との和平交渉で……、商人は前世での営業、料理人は居酒屋のバイト、運び屋はS急便のバイト、細工職人は趣味プラモ、農民は同じく園芸、漁師は同じく釣り……。


 「獣使いは……、ネロの事だな。」 

  

 ネロとは、前世で霜山一が飼っていた黒猫(♀)の事である。


 前世で会社の帰り道で拾った子猫……。


 転生するまで15年近く一緒に生活して来た、唯一の癒し……。


 「あの時で、もうお婆ちゃんだったからなぁ……。安らかに逝ってくれてると良いんだが……。」


 心の中でネロの冥福を祈る。


 「ぷっ!そういや~俺も死んでいたな。」   

  

 思わず吹き出し呟く。


 ライズ・フロストは仄かに哀愁を感じながらも、次なる確認をしていく。

 


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