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13.いざ王都へ……、そして即戦闘、対勇者戦です。


 婚約を断り、これからの事を話した。


 ペリティア達はいったん王都に戻り、勇者達の排除、そして政権の交代。


 ライズ達も王都について行き、生活基盤の確保。


 ライズ達の目的が身分を隠しての旅の為、最初は接触禁止を言い渡したが、ペリティア達が泣きそうになった為、極力少なくすると言う事で話が纏まった。


 後ほど、ばれない様な連絡手段の構築が必要になりそうだ。


 そして奴隷娘3人についてはクレセント王国(ペリティア)の買い取りとした。


 親衛隊は首……、使用人とするらしい。


 奴隷たちの実家から文句が出そうだが、そのような者を送り込んだ貴族として、断罪するそうだ。


 王女様は意外と鬼畜なのかもしれない……。


 奴隷達もライズとアウラの話を聞いていない為、不信感が半端ない。


 現在は互いに馬車、獣車に乗り王都を目指している。 


 そして何故か……、八ちゃんを駆る俺達の馬車に、ペリティア、ナターリアが乗っていた。


 「ライズ様の話、お聞かせください。」


 ペリティアがライズの横で腕を絡ませてくる。


 こんな積極的な娘とは……。


 目の前に座るネロが、若干不機嫌になっているのが分かる。


 「何の話が聞きたいのだ?」


 「ライズ様の事です。」


 「我の事か……。そうだな、我の年齢は12歳だな……、ネロは11歳。アウラは……秘密だ。我達はここより数千キロ離れた雪山の梺に居を構えておった。シンラ様の神託により旅をする事となった。以上だ。」 


 「「………………。」」


 返事がないただの屍の様だ……。


 「お兄様、端折り過ぎです。それに年齢を言ってしまえば、二人とも声が出なくなるのも分かります。」


 「「じゅ、12歳!!!!」」


 「何を驚く必要がある。」


 「その体格にその知識で12歳……。」


 「ら、ライズ様は、そのいつ誕生日でしょうか……。」


 ナターリアは驚きを声に出すが、ペリティアは別の事が気になったようだ。


 「12歳になったばかりだ……。」


 「えっ!ほぼ一年差が……。年下ってことですよね。」


 「ペリティア様が間もなく13歳になるのであればそうであろう。」


 「「ライズ様!成長しすぎです!」」

 

 二人の声が重なる。


 165cm54kgの12歳なんて希だろう、ましてや栄養不足の異世界では尚更。


 「成長期なんだ仕方ないだろう。」


 「同年代かと……。」


 ナターリアは自分より遥かに年下なライズを見ながら嘆息する。


 「ナターリアは年上か……。」


 「はい19です。今年で20になります。」


 「大丈夫よ!ナターリア、まだ若く見えるわ……。行き遅れなんて誰も思わないわよ。」


 ペリティアからの口撃により、とどめを刺されるナターリア。


 (ナターリアさん、口から何かが出ていますよ!)


 やはり異世界……、結婚適齢期が極端に低いのだろう、ナターリア20歳にして行き遅れとは……。 

 

 「ペリティア様。お兄様との結婚をご所望なのですよね。条件も付いているはずです。ナターリア様はクレセント王国一の騎士となる事で条件は満たされますが……、ペリティア様は国の頂点に立たねばなりません。それはナターリア様以上に困難な道となります。頑張らねば、直ぐにナターリア様の年齢を追い抜いてしまう事になるでしょう。」


 ネロと言う予想外の所から、口撃を受けたペリティアもナターリアと同じく、口から魂が抜けかける。

  

 してやったりと、満面の笑顔でネロがライズに笑顔を見せる。


 (ネロさん、そんな子に育てた覚えありませんよ!)


 静かになった獣車内。


 そうしてクレセント王国王都へ向かい、獣車を走らせるのであった。


 









 

 クレセント王都城門前……。


 そこは、入場待ちの馬車が列をなし、待ってる間に商売を始める者、賭けを始める者達がごった返し賑わいを見せていた。 


 ドドドドドドドドドドドド!


 不意に遠くから響く地鳴り。


 そこにいる者達は、キョロキョロと辺りを見回し始めている。


 そして誰かが気付き、指をさして叫ぶ。


 「まっ、魔物に馬車が追いかけている!こっちに来るぞ!逃げろ~~~~!」

 

 遠くに見えるは王族専用馬車とそれに続く従者用馬車……。


 そしてその後ろには、八ちゃん……。


 「皆、慌てず場内に避難しろ!」


 そう声をかける警邏……。


 常識的な人間の存在も確認されるが……。


 すでに恐慌状態に陥っている、彼らに声は届かない……。

 

 「くっ!」


 城門へは馬車が殺到、城門脇からは騎士たちがぞろぞろと出てくる。


 その傍ら、馬車から降り隊列を取る一行がいた。


 「あれは、ファイアリザードだ!」


 スキルを使ったのだろう、まだ遠くに影が見える程度だった八ちゃんの種族名を言い当てる。


 「何!ファイアリザードだと!」 


 それに呼応し、騎士達が覚悟を決める。


 「くそ!こんな時に災害級か!勇者を呼べ!」


 そして一人の騎士が王城へ走る。


 それがこの国の運命を決める事になろうとは……。







 ライズ達は王都が見えて、ほっとしていた。


 ここまで来るのに数日かかった、旅が酷く苦痛だった事も無いが、やはり野宿となると疲労もたまる。


 「ライズ様!あれがクレセント王国王都になります。」


 獣車から顔を出し、ペリティアが自分の国を紹介する。


 「ああ、綺麗な街だ。」


 「えへへ、自慢です。」


 数時間一緒に居ただけだが、ペリティアはライズに子供っぽい口調で話す様になっていた。


 クレセント王国王都は、湖を後ろに高原の中の城と言った形をしており、その周りを取り囲むよう街を形成している。


 そして外壁は町全体を覆い3つの入り口がある。


 「んっ?何やら騒いでないか?お祭りか!」


 「えっ?そんなはずはないですが……。」


 「ライズ殿、速度落として行きましょう。」


 ナターリアは前方を走る馬車に合図を送り、速度を落とす。


 それに合わせ獣車も落とす。


 城門に近づいて行くと、騎士たちが隊列を組み、騎士達の脇には統一性の無い武装集団、城門上には大型弓……。


 「攻城兵器まで……。」


 ナターリアが呟く。


 そうしてライズ達は馬車、獣車を止め、騎士たちの前に姿を現す。


 「何者だ!」


 「私はクレセント王国第一王女ペリティア!何の騒ぎです!」


 「おっ、王女様!」

  

 騎士の中にペリティアの事を知っている者もいる。


 ペリティアと騎士たちの会話により、騒ぎが終息するかに思われたのだが……。


 そんな中、騎士たちの前に姿を現す3者がいた。


 「ペリティア殿ご機嫌麗しゅう。」


 「やはり俺の事が忘れられなかったのだろう。」


 「馬鹿いえ、それは僕の事だね。」


 ライズは嫌悪した……、勇者たちである。


 「ライズ様、あれ何!気持ち悪いです。」


 「お兄様……、私は……、私は……。」


 アウラとネロも受け付けられないようだ……、ネロに言いいたっては言葉にならない。


 「ああ、あれが勇者だ。」


 ライズは感じていた……、前世では気付かなかった禍々しい魔力……。


 (これほどか……。)


 勇者たちの魔力は、うねる様な薄暗い物……、色に表せば黒に近い灰色それでいて、統一感が無く混沌としている。 


 この世界とは混ざる事が出来ないのだと、直感がそう告げる。


 そして何より、その魔力が一人の者でない……。


 それ故、アウラとネロは嫌悪したのだろう。


 こっそりとライズはステータスを見る。

 

 思った通り3人には、犯罪者の称号がある。


 強盗・殺人・強姦・放火……。


 地球でも凶悪とされる犯罪だ……。

  

 「手遅れだな……。」


 ライズは呟きが聞こえたのか勇者が叫ぶ。


 「そこの男が、王女を惑わせている!」


 「勇者の名において王女を救い出す!」


 「王女は僕の物だ!」


 三者三様の叫びに騎士達及びその他武装集団が呼応する。


 「ライズ様……。」


 ペリティアは申し訳なさそうにこちらを見てくる。


 その表情は、気持ち悪いものを見た後のように青白くなっている。

 

 そして親衛隊の面々も同じ顔をしていた。


 彼女達にも見えたのだろう禍々しい魔力が……。


 「そうだな……。」


 ピロロ~ン!


 一触即発の状況の中、幼女神からメールが届く。


 

 To:ライズ


    やっちゃっていいよ!


    幼女神より



 「神託が来た……。排除だ。」 


 「そのようですね……。あの勇者3人は駆除対象となりました。」


 ライズにメールが届くと、自動でアウラに通知される。


 ほぼ一心同体な二人が共にそう告げる。


 それと同時にネロが動き出す。


 ネロはうち等3人の特攻隊長のような者、真っすぐに一人勇者へ向け接近する。


 「おっと!」


 流石勇者と言うべきか……。


 ネロの抜刀を紙一重で躱す。


 「いけない子猫ちゃんだね!」


 「罰が必要かな?」


 「よく見ると可愛いね……。」


 3人が連動するよう、ネロを囲む。


 (あの野郎!今度はネロが対象か!)


 「なんなんです!ネロ様のあの速度は!」     


 ナターリアが驚愕の声を上げるが……。


 「アウラ。」


 「はい。」


 ナターリアを無視しライズはアウラを呼ぶ。


 アウラはネロに精霊術で強化を施す。   


 「なっ!精霊術……。」


 今度は精霊術の希少価値を理解していただろう、ペリティアが小さく呟く……。


 「お嬢ちゃん、お兄さんたちと遊ぼうよ!」


 勇者の気持ち悪い呼びかけに、ネロは顔を歪める。


 「息を吐くな……、気持ち悪い!」


 いつもの口調とは異なり、ネロが毒を吐く。


 ネロにしてみれば会話するのも、嫌なのだろう。


 「ギャハハハ~!お前気持ち悪いってよ!」


 「臭いんだよ!お前。」


 他の勇者には受けたのだろうが……、ネロにとってはそれさえも嫌悪の対象だった……。


 「もう……、嫌……。」


 ネロの泣き言が聞こえてくる。


 「交代だネロ……。」


 「お兄様……。」


 「おいおい!兄さん、お嬢ちゃんは俺達の物だぜ!」


 「そこのおネ~さんでもいいんだよ!」


 「それじゃ、僕が王女様貰うってことで。」


 (話になんね~よ!)

 

  ライズは無言で肉体強化の魔術を行使し、ネロの前に移動する。


 「「「はっ?」」」


 移動したライズは、勇者達を順に殴る。


 ネロの救出完了である。


 「ネロ、大丈夫か……。」


 「はい、お兄様……。」


 ネロが頬を染め、上目使いで見つめてくる。


 (くっ!こんなネロを……、俺の婚約者を辱めたのか……、勇者共許すまじ!)

  

 勇者達は騎士達の前に倒れている。


 「勇者様を守れ!」

 

 「王女様を救い出せ!」


 騎士達の間から声が聞こえる。


 ライズはネロをつれ、悠々ペリティアの元に戻ってくる。


 「すまんな、ペリティア様。」


 「えっ!」


 何を謝罪されたのか分からず、ペリティアは困惑の表情を見せる。


 「今日でクレセント王国は滅亡する。」


 「「「「「「「「「「はい?」」」」」」」」」」


 そこにいるぺリティア、ナターリア、親衛隊員達が首をかしげる。


 「勇者だけでなく、ここにいる騎士、武装集団は今から死ぬ。シンラ様により輪廻に乗せられる事が確定した。」 


 「「「「「「「「「「はい?」」」」」」」」」」


 そしてまたしても彼女達が首をかしげる。


 「まあ、そう言う事で、クレセント王国第一王女たるペリティア様は、今日から一人の少女へと変わる事になる。故に先に謝罪しておく。」


 「まっ、待って下さい。」


 「それは無理だ。」


 ライズは身を翻し、騎士、武装集団、勇者へ向け一人歩き出した。


 「アウラ様!」


 ペリティアの質問に答えてくれるだろう女性……、縋るようにアウラを見る。


 「ああ、無理ですね。シンラ様より有害と認定されています。あなたのその目にも見えてるのでしょう。」


 ペリティアは無言で頷く……、理解はしている。


 だが、12歳の少女が背負うには重すぎる現実……、感情が止めど無く吹き上がる。


 「ですが……。」


 「あなたは聡明です。シンラ神国の一員と成られたあなたが、本当はしなければならない事なのですよ。ただ今回は対象者が私達に剣を向けるという愚行により、ライズ様が動いただけです。」


 「それは……。」


 分かっている……。


 ペリティアはそう言葉を繋げたかったのだろうが声が続かない。


 「こんな事ならシンラ国民にならなかった……、ですか?」


 アウラはペリティアを見透かすようにそう告げる。


 「ですがそれは、あなたがあちら側に移るだけで、私たちの行動は変わりません。この騒動を機にあなたは強くなるべきなのです。これからこの様な愚か者共を出さない為にも……。」


 (はぁ~、ライズ様……。サポートする身になって下さい……。ネロさんが泣きそうだからキレたなんて言えないんですよ!)


 内心、嘆息しながら説得するアウラ……。


 彼女もこんな騒動面倒でしかない……、ぶっちゃけクレセント王国、ましてやペリティアの事も興味ない。


 (貸1ですよ~。ライズ様……。ぐへへへ~、貸1!)


 卑猥な事を考えるアウラを他所に、ライズは行動を開始した。


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