カクセイ
目覚めるとじっとりと汗ばんだベッドの上の体が昨日と同じように重たい。何日も閉じられたままのカーテンの隙間から漏れ入る鋭く尖った光がテーブルに突き刺さる強さで、真夏の太陽は既に頂点近くに達しようとしていることが分かる。薄ら明かりの部屋を後にして、階下へと向かう。通り過ぎざまにTVの電源を入れて、冷蔵庫の炭酸飲料のボトルに手を伸ばした。振り返ると画面に映し出された紛争地の幼な子が土埃に塗れた顔で、さみしいような、怯えたような目で僕を見つめていた。「90%は自分の笑顔のために、10%、いや、ほんの1%でもいいから、見知らぬ誰かの笑顔のために生きてみたい。」炭酸飲料の栓が“ぱしゅん”と胸を弾いた。