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発端 行き詰まった小説家

 〜〜百物語〜〜

 

 はあ? 怪談を話せ? 小説の題材だと?

 ……あのなぁ、素人が絡むとロクでもねぇんだぞ。俺も玄人とはいえんが。

 

 そうだなぁ……

 

 

 

 【病院】

 

 何処へ行こうと、まず天国と地獄に一番近い場所ってのは、ここのことだよな。

 現実でも幻想でも。

 毎日、誰かが死ぬ、とかじゃない。

 もはや【病院】って言の葉が、意味論的にそういう場所、になりつつあるんだ。

 

 なお、無医村や住宅街の小さな『病院』ってのは、これに含まれない。

 系列的には立派な病院には違いないが……ここには、アレがない。

 

 『死』がね。

 

 絶対的不可逆な、避けようの無い運命、『死』。

 これは、動植物にしか存在しない、人間的価値観から生み出された『終焉』、『消滅』の意味を凝縮した一言だ。

 

 ……やべ、タナトスについては話すのは止めよう。

 誰だって、人生を生きるなら『死』に畏怖と憧憬を覚えるものさ。俺の知る死は、ちょいと話をするにはきつ過ぎる。

 

 話戻して病院だな。

 でかい病院になると、死体安置所やら……な? 題材にこと欠かさないだろう?

 

 

 

 【学校】

 

 そういえば、よく学校が題材になるけど、え? 今はラブコメ?

 ……俺がガキだったときは、学校の怪談が流行ったんだよ。

 

 妖怪、物の怪、幽霊、えとせとら……ガキの頃はマジで信じていたのもあれば、怖いのに怖くないって意地張ってたな。

 

 病院との接点の違いは……どっちかって言うと、コミカルホラー……肝試しの要素が強いってことか。

 最初は子供たちの、お遊びに過ぎなかったんだが……わからないかい?

 

 実在にいくつか起こっちまったんだよ。殺人が。

 

 まぁ普通ならここで話しに続くんだが、悪いがねぇ。殺人も糞も赤マントも紫の鏡も行方不明もまったく皆無。

 っつか、行方不明になったら話にすらならねぇよ。話す主人公がいねぇんだから。

 

 ただ、学校が社交的空間であるのに、そういう話が集中するのは……集まるのが子供あかりだからだろうな。

 ホラ、子供って現実非現実の区別ってつきにくいじゃん。

 

 

 【百物語】

 

 語源を調べようと思ったが、面倒くさいので却下。

 っつか、霊界への入り口を開くための儀式だって、ぬ〜べ〜先生が言ってなかったかな?

 恐山って霊の溜まり場って言われているけど、あそこって霊界への入り口、とか言われているんだよな。

 

 実際? そんなもん知るかよ。霊能者に話を聞いてくれ。

 俺は自分が見たもの聞いたもの、そして感じたことにプラスして直感と勘と思考考察したことしか話せないんだから。

 

 だからよ、百物語をしたら、何が起こるかなんてわからないんだって。

 

 

 

 〜〜〜〜

 アフターストーリー

 

「と言うわけで、百物語を始めようか」

「きゃあ! 急にライトドアップで登場しないでください! この馬鹿兄貴!」

 

 ぬぅん、と自分で効果音を演出する馬鹿であることこの俺、靜聖夜はのほほほと変人笑いを飛ばしながら……集まってくれた皆を見渡す。

 ボロアパートの住民(なんと全員集合! 拍手)に、しおみんとその猫(珠ちゃん)、あと変体夫婦とか、俺の仕事仲間数人。

 まぁこの辺りの登場人物は物語に関係ないから読み飛ばしてOK!

 

 主役は、これから語られる人物たちだ。あ、でもノンフィクションではねぇぜ。

 

 言ったよな。

「俺は自分が見たもの聞いたもの、そして感じたことにプラスして直感と勘と思考考察したことしか話せないんだから。」

 

「じゃあ始めるか。言いだしっぺは俺だから、一番手貰うぜ」

 

 

 こうして、ボロアパート住民、靜企画。

 清原太平発端、百物語の始まり始まり……

 

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