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夕暮れ商店探偵街「ねこかぶり」

作者: のいじろう

 商店街が賑わっていた。裏路地、湿ったアスファルトにたたずむ花屋のお姉さんに話を聞いてみると猫をくくりつけたロケットを飛ばす計画を立てていると聞いた。学校の帰り、僕はせわしなく働く大工さんの横を通り過ぎると木製のロケットがチラっと見えたけれど、はたから見ればどうにもバカバカしい。

 学校では宇宙に行くには大気圏という場所を通過して燃え盛るような経験をした後に、冷たく凍えるような場所にいくのだと教わった。どうして最初からそんなつめたい所に行きたがるのだろうか、甚だ僕には理解ができなかった。どうせなら、そうだ。ネコがたくさんいる所で昼寝でもしてみたい。にゃあにゃあと鳴く場所にいれば、僕もまたネコと交わり、ネコになって、ごろごろにゃあにゃあと一員になれる気がする。そして心を許したネコを一匹ずつ撫でるんだ。一匹ずつ従えて、一匹ずつ鳴かせてやる。

 昨日と同じようにスラム街が賑わっていた。表通り、乾いたアスファルトにたたずむ花屋のおじさんに話を聞いてみると国旗を偽装したロケットを飛ばすカウントダウンをすると聞いた。学校の帰り、僕はせわしなく働く軍人さんの横に並ぶと鉄製のパンツァーロケットがブワっと空に飛んで行ったのが見えた。その瞬間、割れた空色のガラスがスラム街に降りそそいだ。破片の雨がアスファルト突き刺さると商店街のみんなは歓声をあげた。夕日色の涙を流して。

視点違えば、終わりも変わるでしょう。

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