answer
「明日かも知れないし、明後日かもしれない ははは、来年かもよ?」
いつものように私はPCに向かって話しかけていた。
スクリーンには彼が映っている。
その後ろに彼の友人や同僚の姿がある。
「樹里、早く来てくれ。本当は明日到着なんだろ?」
「あはは。だから、秘密なんだってば。突然私があなたの目の前にいったらうれしいでしょ?」
「突然でも、なんでも僕は嬉しい。いつだってずっと嬉しい。」
彼の後ろで、友人たちが冷やかしの声を上げていた。
タイから戻ってから半年、彼は離婚した。
その間も二人は以前のように毎日会話していた。
平穏ではなかった。
ちょっとしたことで、私は警戒し、不安になった。
彼の周りにいる人すべてに嫉妬した。
時には彼も嫌気をあらわにした。
タイで再び会うまでのような、ただ幸せな時間ではなかった。
何度も泣いた。
何度も彼を苦しめた。
でも結局、いつも彼は穏やかに私の不安を沈めた。
そしてお互いを求め続けていた。
会話を終えた後、私は荷造りの続きを始めた。
・・・・あの国にまた戻る。
これから生きようとする未来は、どんな風に私を変えるのだろうか・・。
何が待ち受けているのだろう・・。
不安をチラチラと感じながら、
二人の方向がどこまでも同じでいられたらと思った。