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『固有スキル【4R】でクズ勇者を再利用(リユース)します。妹の仇を恩人と慕っていた私ですが、全て自作自演だと知ったので腕を切り落とされても無言で首を掴み、記憶を消して一生村のために働かせます』

掲載日:2026/05/14

「──おい、お前クビな」


魔王を倒した直後の、誰もが喜ぶ玉座の間。勇者のレオンは、ゴミを見るような目で俺にそう言い放った。


「これからは俺たちの伝説が始まるんだ。お前みたいな地味なサポート役がパーティにいると格好悪いんだよ。無能はさっさと消えろ」


周りの仲間たちも、クスクスと俺を笑っている。誰もかばってくれない。


俺のスキルは【4フォー・アール】。


物を減らしたり、再利用したりする、地味なサポートスキルだ。みんなの武器を強くしたり、敵の魔法を消したりして、これまでパーティを裏から支えてきた。


だけど、世間の人気はすべてレオンのものだった。どこでもやっていけそうな俺が、なぜレオンのワガママに耐えてきたのか。


理由は、命の恩人だったからだ。


三年前、俺の村がオークの大群に襲われた。村はめちゃくちゃになり、俺の妹も犠牲になった。その地獄の中に現れて、生き残った俺の家族や村人を救ってくれたのがレオンだった。


家族が生きられるよう、お金を出してくれたレオンを、俺は神様のように信じていた。


だから、どれだけ奴隷のように扱われても、恩を返すために我慢してきたんだ。だけど、レオンはニヤニヤと気持ち悪い笑みを浮かべて、喉を鳴らした。


「おい、そんな顔すんなよ。お前を今までパーティに置いてやったのはさぁ……俺の【悦楽】のためなんだから、感謝してほしいねぇ?」


「……え…悦楽?」


俺が聞き返すと、レオンは大爆笑した。


「そうだよ! 恩人面されたお前が、毎日ヘコヘコしてるのを見るのが最高に気持ちよかったんだよ! なぁ、思い出すぜ。三年前のあの火の海をさぁ!」


レオンの目が、ギラギラと狂ったように光る。


「あの時さ、お前の妹、ほんっとギリギリ生きてたよな。身体中ボロボロにされてさ。お前が駆けつけた時、最後の力を振り絞って『お……おにいちゃ……』って泣いて死んだんだろ? ギャハハハ! その瞬間の、お前の絶望した顔! マジで傑作だったぜ!!」


頭の中が、真っ白になった。


「……何だって?」


「まだ気づかないのか? バカだなぁ! あのオークの群れを村に手引きしたのは、この俺だよ!! 英雄になるための自作自演さ! お前の妹をあのザマにしたのも、全部俺の計画通りなんだよ!」


──その瞬間、三年間の恩義なんてものは、綺麗さっぱり消え失せた。悲しいなんて思わなかった。


ただ、こいつを絶対に許さない。それだけだ。


俺は無言のまま、もの凄いスピードでレオンに突撃した。


俺のスキル【4R】の発動条件。

それは「相手に直接触れて、少しの間、手を離さないこと」だ。


俺の右手が、レオンの胸ぐらをガシリと掴んだ。


「あ゛? なんだよ離せよクズがァ!!」


焦ったレオンが、その大きな剣を思いっきり振り下ろした。


ドシュッ!!!


激しい音と一緒に、右肩に冷たい感覚が走る。レオンの剣が、俺の右腕を根元から綺麗に切り落とした。


『ボトリ』


と床に俺の腕が転がり、大量の血が噴き出す。普通の人間なら痛みに叫び、のたうち回る絶望的な状況だ。だが、俺は声を出さなかった。


「無言」のままだ。


変に叫んだり喋ったりしたら、この怒りが安っぽくなる。俺は歯がバキバキに噛み砕けるほどの力で食いしばり、血の涙が流れそうなほどの眼光でレオンを睨みつけた。


(まだだ……まだ、手を離さない……!)


俺は一歩も引かない。腕を失った勢いのまま、残った「左手」を思いっきり突き出した。そして、レオンの胸ぐらを、爪が肉に食い込むほどの力でガシリと掴み取った。


「ひっ……!?」


レオンの顔が、一瞬恐怖に引きつった。腕を切り落とされた人間が、悲鳴も上げずに無言で、化け物のような目で自分を掴み続けている。その異常な執念に、一瞬だけ気圧されたのだ。


だが、レオンはすぐに邪悪な笑みを取り戻した。


「な、なんだよその目はぁぁ!! ムカつくんだよクズがァァ!!」


恐怖をかき消すように叫びながら、レオンは剣を放り投げ、俺の顔面を拳で思いっきり殴りつけた。


『バキィッ!!!』


激しい衝撃で視界が歪み、口の中からボロボロと折れた歯と血がこぼれ落ちる。それでも、俺の左手はレオンの胸ぐらを掴んだまま、絶対に離さない。


「離せ! 離せよ無能が!!」


レオンの殴り祭りが始まった。


二発、


三発、


四発。


容赦のない拳が、俺の顔面を何度も何度もボコボコに殴りつける。


周りの仲間たちも「うわ、泥臭い」


「早く殺しちゃいなよレオン」


とケラケラ笑いながら見物している。顔が腫れ上がり、意識が飛びそうになる。それでも、俺の左手にはさらにギチギチと力がこもる。その執念の眼光を見たレオンは、狂ったように顔を歪めて、さらに拳を振り下ろした。


「あはははは! そうだ、その目だ!! お前の妹も死ぬ時、そんな目をしてたぁ……あれは傑作だったぜ。もっと見せろや!!!」


──その瞬間、発動条件である「少しの間の接触」が、完全に完了した。


俺は心の中で、地獄の底から響くような声でスキルの名前を呟いた。(──【リフューズ(拒否)】)


『ピキィィン』


と頭の中に冷たいアナウンスが響く。次の瞬間、俺の顔面に迫っていたレオンの拳が、空中でピタッと停止した。


「え……? あ、あれ……!? 体が、動か……っ!?」


レオンの目が驚愕に見開かれる。


【リフューズ】の効果は「相手のすべての抵抗、攻撃、行動を拒否し、無効化する」こと。


レオンは振り上げた拳のまま、指一本、まばたき一つすらできなくなり、完全に石のように固まった。俺は左手でレオンを固定したまま、地面に落ちていた「自分の右腕」を見る。


(──【リサイクル(再生利用)】)


床の右腕が光の粒になって消えた。次の瞬間、俺の右肩から新しい腕が一瞬でニョキニョキと生え、一瞬で元通りに治ってしまった。


「な、ななな……何をしたお前ぇぇ!!」


声だけは辛うじて出せるレオンが、絶叫する。自分の腕を一瞬で治した俺のチートスキルを見て、レオンの顔は完全に絶望に染まっていった。


俺は新しく生えた右手で、レオンの首筋をもう一度掴む。両手で、がっちりとクズリーダーを固定した。


「次は、お前の番だ」俺は今日、初めて言葉を発した。地獄の底から響くような冷たい声に、レオンはガチガチと震えだした。


(──【リデュース(減量)】)



俺が心の中で呟いた瞬間、レオンの顔が恐怖に歪んだ。


「あ、が……っ!? あ、熱い、身体が、熱いィィ!!」


【リデュース】の効果は、対象の持つあらゆる数値を極限まで引き算すること。俺は今、レオンの体内にある「魔力」をゼロまで削り落とした。


魔術師でもないレオンにとって、魔力は生命力の源そのものだ。それが一瞬で枯渇したことで、レオンは全身の血管が焼き切れるような激痛に襲われ、白目を剥いてのたうち回った。


「ヒッ……!? レ、レオン様!?」


「なによこれ、何が起きてるの!?」


さっきまで俺を笑っていた聖騎士や大魔導士の仲間たちが、腰を抜かして悲鳴を上げる。だが、彼らも【リフューズ】の拒否領域に巻き込まれており、一歩も近づくことはできない。


「まだ終わらない。次だ」俺は冷たく言い放ち、レオンの頭へ手をかざす。


(──【リサイクル(再生利用)】)


「ひぎぃぁぁぁぁぁぁっ!!!」


レオンの身体が、まばゆい光の粒子に包まれる。


【リサイクル】の効果は、汚れた存在を一度バラバラに分解し、真っ白な状態で再構築すること。


レオンの脳内にあったクズな記憶、傲慢な性格、妹を殺した悦楽の思い出──それらすべてが、凄まじい激痛とともに跡形もなく消去されていく。


光が収まったとき、レオンは床にペタンと座り込み、よだれを垂らしながら幼児のようにポカンとした目で俺を見上げていた。


中身が完全に「真っ白(無垢)」に生まれ変わったのだ。


そして、仕上げだ。


(──【リユース(再利用)】)


「──お前はこれより、俺の奴隷となり、俺の故郷の村のために命を捧げろ」


魔法の契約陣がレオンの胸に刻まれる。


【リユース】の効果は、別の用途(奴隷)として完全再利用すること。契約は絶対であり、死ぬまで解けることはない。


「……ハイ、マスター。私ノ全テヲ、アナタノ村ノタメニ」


かつて勇者と呼ばれた男は、感情の消えた声で、俺の足元に深く額を擦り付けた。





数日後。俺は生まれ変わったレオンを連れて、懐かしい故郷の村へと戻ってきた。村の入り口にある、小さなひまわりが咲く墓標。


そこには、三年前、命の灯火が消える直前に


「お……おにいちゃ……」


と俺を呼んで息を引き取った、最愛の妹が眠っている。俺は墓前に静かに手を合わせた。


(──妹よ、仇はとったよ)

 振り返ると、農具を手にしたレオンが、無表情のまま黙々と荒れ地を耕していた。


魔王を倒した最強の肉体を持つ奴隷だ。どんな重労働も、寝る間を惜しんで永遠にこなし続ける。


かつてこの村をオークに襲わせ、妹の命を奪ったクズ男はこれからの長い一生を、この村の復興と恩返しのためだけに、無償で、奴隷として、ボロボロになるまでこき使われるのだ。


「これでお前も、本当の『命の恩人』になれたな」


俺は、一生届くことのない皮肉をレオンに投げかけ、青く澄み渡る空を見上げた。


空は変わらず僕を見つめていた




          (完)

【※AI利用に関する表記】

本作は、作者が考案したプロットや設定、および言葉遊びをベースに、本文執筆の一部(50%程度)にAIのテキスト出力を利用・調整して作成しています。


最後までお読みいただき、本当にありがとうございました!


今回は「環境用語の4R」を、もしも最悪なクズを処刑するための拷問・隷属コンボに変換したら……というひらめきから生まれた短編小説です。

腕を切り落まされても一言も喋らず、無言のまま執念だけで首を掴み続ける主人公の怒りと、そこからの怒涛の4Rコンボを楽しんでいただけていたら幸いです。


最後に主人公の「俺」という一人称が、ある言葉に変わるラストの余韻までこだわって書き上げました。これできっと、本当の意味で妹の仇を討ち、優しいお兄ちゃんに戻れたのだと思います。


もし「スカッとした!」「4Rの使い方が面白かった!」と少しでも楽しんでいただけましたら、


画面下部にある 【☆☆☆☆☆】の評価ポイント や 【ブックマーク】 で応援していただけると、今後の執筆の凄まじい励みになります!


よろしくお願いいたします!

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