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その鉄塊に想いを乗せて  作者: 色採鳥 奇麗
1年生編

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2/2

特大ニュース


──『ここ、心宿ヶ丘(しんじゅがおか)小学校では──』


──『史上初の試みで──』


──『人工知能の小学生?──』


──『正気とは思えません──』


──『子供たちにどんな影響が出るか──』


──『アニマと言うんですね』


──『非常に興味深いですねぇ』


──『空論博士は一体どんな目的で──』


──『私は気になりますよ──』


──『結局、この実験の終着点は何?──』


──『スカイ◯ットにならないか不安──』


──『人工知能は心を学習することができるのでしょうか──』



 桜の花びらが舞い散る季節。

 今朝はどのニュースも、たったひとつの話題で持ちきりだった。

 寂れた門の前に待ち構えたアナウンサー達は、決まって似たような言葉を口にする。


──『人工知能』

──『AI』

──『アニマ』

 

 今日は心宿ヶ丘小学校の入学式。

 そしてそこは、前代未聞の実験が始まろうとしている、人工知能の舞台でもあった。

 驚くのはその内容だ。

 

──『人工知能を一人の生徒として受け入れるなんて──』


 人工知能…アニマに与えられている情報は、会話に支障のない、ある程度の言語機能のみとされている。

 そのため基礎知識を学べる上に、感受性豊かな子供達と触れ合える小学校は、プレーンな状態のアニマにとって絶好の教材施設になると、空論博士は考えたのだ。

 

──『見てください!あれが人工知能…アニ…マですか?』


 ガシャリと音を立てて歩く機械を一人のアナウンサーが視界に捉えたと思うと、カメラマンに確認を求めるかのようにコクリと首を傾げた。

 それと同時に、他の放送員達も慌てたように声を上げ、また似たような反応を見せる。

 最先端の人工知能だと聞いていた彼らにとって、予想外のビジュアルだったからだ。

 縦長の機械の函から伸びる4本の支持部は、蜘蛛のような歩行を可能にしていた。脚先にはホイールまで搭載され、無茶な走行もできることが(うかが)える。

 そして、外観の正面モニターは今の感情を表せるように、顔文字が表記されていた。


──『ー口ー:オハヨウ、オハヨウ、イイアサデスネ──』


 覚えたての言葉を披露するかのように、アニマは得意気に挨拶をする。

 一方、期待を裏切られたと言わんばかりの表情を瞬時に伏せて、アナウンサー達は報道を継続した。

 彼らの頭の中では、人型の二足歩行機械が現れるとでも思っていたのだろう。

 落胆した心持ちを、プロ意識が綺麗に隠している。

 だが彼らは知るよしもない。

 アニマの学習はまだ始まったばかりだ。

 そして将来、目を疑うことになるだろう。

 これから心という目に見えないものを知っていく、彼女の成長の軌跡の一端を…。

 


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