表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
58/79

58.症状は派手、結果は正常?


一行がシュミレーション室の重厚な扉を開けると、そこには熱気と鋭い金属音が渦巻いていた。


中央では、赤髪の巨漢・朝日大我と、黄髪でさらに一回り体格のいい日暮陽が、魔法槍を振るう槍真を相手に軽めの組手を行いつつ、その文言は長いなぁ。それは説明分かりにくいぞっと、槍真の指示の言葉についてアドバイスをする2人。


「お、ゴリラ先生!お疲れさんです!」


サンが陽気な声を上げ、魔法刀を鞘に収める。


リーダーの大我も足を止め、静かに会釈した。


帝亞列島の二人は、高校生とは思えないほどの圧がある。


「おう、大我、陽。槍真をありがとうな。槍真、調子はどうだ?」


ゴリラ先生の声に、汗を拭いながら槍真が駆け寄ってきた。


「はい!タイガ先輩もサン先輩もめちゃくちゃ強いし、話を聞いてくれて大変助かって……って、え!?ダイヤ先輩!?」


槍真の目が点になった。

自分の学校の人気者の先輩が目の前にいるからだ。


学校では硬派で最恐の番長として恐れられている一方、とても人気の高いあの大弥が、ゴリラ先生に俵のように担がれているのだから。


その時だった。担がれた衝撃か、あるいは大好きなリラちゃんの声を聞いたからか、大弥のまぶたがピクピクと動き、パチッと見開かれた。


「……ん、この、包容力のある腕に、良い花の……香り。」


大弥は、自分がゴリラ先生の肩に乗っていることを理解した瞬間、顔を真っ赤にして叫んだ。


「リラちゃん先生愛しちょうと!今日も美しか!結婚してください!!」


シュミレーション室に、番長の魂の咆哮が響き渡った。槍真はえ?ばんちょー?え?硬派で不良の?え?え?と脳の処理が追いつかず、完全にフリーズしている。


ゴリラ先生は、表情一つ変えず、一ミリの迷いもなく即答した。


「あ、無理です」


「秒殺ったい!だが、そこもまた凛としとって良か!!」


地面に降ろされた大弥は、ふらつきながらも熱い視線をゴリラ先生に送る。


その様子を見て、大我と陽は揃って深く頭を下げた。


「先生、いつも弟が……本当にすみません……」


「うちのダイヤが、ほんっと迷惑かけて……」


兄たちの謝罪を余所に、琥珀は腹を抱えて爆笑していた。


「あははは!ほんっとお前は趣味が悪いな、ダイヤ!」


「うるさか!俺には、あなたが女神に見えるけん仕方なかっちゃ!!」


大弥が拳を握って熱弁すると、ゴリラ先生は冷徹に言い放つ。


「眼科行け」


「これに関して、隣の病院行ったっち、脳外科と精神魔法科に回られて『問題ない、めっちゃ健康。』っち言われとるけん大丈夫ちゃ!」


大弥が自信満々に診断結果(?)を突きつけると、ゴリラ先生の額に青筋が浮かんだ。


「待て、いつそんな所に迷惑かけに行った!」


「女神に狂わされて、胸がいっぱいになったちゃ!!」


「おい、提携先に謝らんといけんけん、詳細を吐け!!」


崩れ落ちそうになるゴリラ先生の背後から、琥珀が追い打ちをかけるように笑った。


「あ、それなら既に玄真塾長が頭下げに行きましたよ。受付で、俺はゴリラに恋をした!って堂々と宣言してたらしいですから」


「いや、堂々と何宣言しとんお前!!」


ゴリラ先生は、かつてないほど激しく頭を抱えた。


その光景を見ていたバナナ組の三人は、思わず顔を見合わせてヒソヒソと囁き合った。


「……あぁ、本当に。先生が言ってた、火にガソリン注いで炎魔法ぶつけてる感じって、こういうことか……」


剣吾の呟きに、弓菜も魔李も、深すぎる同情を込めて頷いた。


一方、真珠だけは頬を膨らませ、不機嫌極まりない顔で大弥を睨んでいた。


「もう、バカダイヤ……起きて早々、本当にバカなんだから……」


混沌カオスを極めるシュミレーション室。槍真だけが、憧れの先輩の変わり果てた(?)姿に、まだえええええ……っと困惑の声を漏らし続けていた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ