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おじさんの暇つぶし~探偵事務所「時間」~  作者: 猫の真
2 まわりをかんさつせよ
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まわりをかんさつせよ②

「…はぁ。そんな事があったんすねぇ。」

『はい…一応、引っ越しはしたんで大丈夫とは思うんですけど…。』


依頼を受けて3日後。

由実さんが襲われたという公園を散策していると、1人の男性と出会った。

名前は中山明司(なかやまめいじ)。茶髪短髪で青シャツジーパンスニーカー。

指輪を複数もつけていて輩っぽいがそうでもなく。

彼は今、ストーカーというか、メンヘラというか。そういう被害にあったらしい。

出会系アプリで出会った人で、最初は良かったものの会う内に拘束というか、執着がひどくなったらしく、会わないようにしていたら夜道を狙われたり、尾行されて家を特定されたりしたそうだ。

会った当初に深刻そうにベンチに座っていたので声をかけたらそういう事があったらしく、最近どこかで聞いたような話だなぁ、と思った。


『あなたは、散歩かなにかですか?』

「あ、まぁ、はい。なんか、思い詰めてるな~と思ったので思わず。」

『そうですか…すみません。…いや、見つけることができればと思うんですが…。』


相手に何故ここにいるかを聞かれたので、適当にはぐらかしつつ本当の事を伝える。

思い詰めてるから話しかけた、は事実だが、ついでにこの辺りで変な人がいなかったかを聞こうとした。

それがこうなるなんて、と考えていれば、明司さんは思い詰めたままに解決策を講じれないかと声を漏らした。

仕事を売るにはもってこいの状況。だが、今依頼を受けている状態でまた依頼を受けようとするのもいかがなものか。

………いや、まぁいいか。カテゴリ的には同じだし。

同時並行に進められそうだったら進めて、違って難しければこっちは後にすればいい。

そう決めて、胸ポケットをから名刺を出す。


「はい。これ。」

『え…』

「俺探偵やってるんですけ」

『お願いします!!彼女を見つけてくれませんか?!』

「おぉ…落ち着いて。」

『す、すみません…』


名刺を彼の前に差し出せば、彼は受け取りながら困惑した。

それで、自身の事を言おうとすれば、名刺を挟んで両手を掴まれた。

そして、そのまま依頼をされた。顔も近い。

とんでもない勢いのある懇願に苦笑いで落ち着くよう促す。

それで自分の勢いに気づいて、掴まれた手と近づいた顔を放して謝罪をされる。

依頼としては、自分から声をかけた以上、受けないわけにもいかない。


「まぁ、依頼は受けますよ。」

『本当ですか!』

「こちらからお声がけしましたしね。」

『ありがとうございます…!ええと、啓介、さんですか?』

「は…い。」


依頼を受けると伝えれば、由実さん同様嬉しそうな顔をした。

声をかけたのはこちら、だからと告げれば、再度感謝をされて名前を確認された。

肯定しつつ、1つ思いつく。

この人の事も、護衛するというか、守る形にすればその女性はすぐ見つかるんじゃないか。

この人だって襲われている。家を特定されることもしているなら、近いほうが見つけやすいだろう。


「…ついでに、身辺警護みたいなこともしましょうか?」

『え、でも流石にそこまでは…』

「その方が、そのー仰ってる人も見つかるかも知れませんし。」

『なるほど…』


こちらから、由実さんで提案された事と同じことを提案する。

明司さんは理解をしているからか、拒否しようとしたので利点を伝える。

すれば、明司さんは少し考え始めた。


「こんな、おじさんが人守れることなんて出来ないでしょう?だから見守るだけ、にはなると思うんですけど。」

『…わかりました。一人暮らしなので、見守ってくれる人がいるだけでもありがたいです。』


考え始めた明司さんを見て、より詳細にやることを伝える。

あくまで見守るだけ。そんなSPみたいなことはしない。「みたいなこと」だし。

すれば、明司さんは納得し、むしろその提案に安心したようだった。


「四六時中見るのもアレですし、別の依頼も受けているので常に、とはいえませんが…」

『いえ。あー…では、見守って欲しい時にこちらから連絡する形で問題ないですか?』

「あぁ、それは良いですね。ありがたいです。」


見守る事を伝えたが、別の依頼で常にとは言えない。

明司さんはそれを良しとしてくれ、しかも見守り方の提案までしてくれた。

それは見守る側としてありがたい提案で、すぐに了承した。


『では連絡先…』

「あぁ、…ありがとうございます。」

『この番号でおかけします。…まぁ、無いことが良いんですが。』

「はは…そうですね。」


了承後、明司さんは連絡先を教えてくれたのでそれを登録する。

明司さんとしても、こちらとしても、見守りが無いことが良いのはそうなので互いに苦笑いをした。


『ありがとうございます。すごくすっきりしましたし安心しました。』

「なら、よかったです。俺はしばらくいるので。」

『わかりました。では、お先に失礼します。』


明司さんは立ち上がって、軽めに頭を下げた。

会った当初より顔も明るく明確に安心したと告げられ、素直にこちらも嬉しく思う。

立ち上がったということはどこかに行く、もしくは家に帰ろうとしていることと思い、自身の予定を伝える。

すれば、明司さんは承諾して、丁寧にことわりを入れて公園の出入り口へ歩いて行った。

それを見送って、手に持っていた携帯を操作して翔へ電話をする。

数コールで翔は出た。


「はい。何でしょうか。」

「そっちどう?」

「どうも何も。変わらずですよ。そちらは?」

「新しい依頼受けた。」

「はい?」

「面白いことにそっちと同じ依頼なんだよなぁ。」

「それは…」

「どうなるかわからんけど。もしかしたらがあるかもね。」

「そうですか…あ、すみません呼ばれたので…」

「うん。じゃ、彼氏のフリ頑張ってね~」

「やめてください?」


翔は由実さんからの追加の提案で適宜一緒にいることになっていた。

まるで「彼氏」のような行動を強要されていておもしろ~と思いながら、こちらでも別で依頼を受けたことを伝える。

そして、その依頼内容も由実さんの方と同じだと。

それを聞いた翔が何かを言おうとしてやめた。恐らく同じような事を考えているんだろう。

その前提で返答をすれば、近くにいるのであろう由実さんに呼ばれたそうだ。

電話を切る合図とって、比喩表現で声をかけて置く。

翔の否定を最後に通話を切って、携帯を太ももに置く。

今日も空は青い、

さて、どうやって引き合わせようか。

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