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初陣

「殺された、俺?」


「はい、最後は原型を留めない位酷い状態で…………」


「ぎゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!!!!」



なんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでだよぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!



「…………まさか、アレ?」


「異世界人さま?」



思い当たる節、アレしかない。





「天気いいねゆうちゃん」


「うるせぇよ、雨降ってんじゃん」


「あらそうみたい、カーテンのせいかしら」



歳とはいえ母親ババアは若干早めの認知症入り。



ガチャっ



「……………………ただいま」


「あらお帰り、どうだった?」


「炊飯器押し忘れてたからまだ米炊けてない」


「母さんがか?」


「そうだっての、それがなんだよ」


「………………………………」



寡黙寄りだった親父は定年を延長していた。



「「「ギャハハ!!ギャハハ!!」」」


「っ、るせぇな…………」


「何か言ったか?裕次郎」



軽い舌打ちだった。


ボロい家だし外の声はよく聞こえる。


ガキどもがよ……近くの公立通ってるクソガキどもの声がよ。よく聞こえるんや。


夕方で日もなげぇし、雨降ってるしよ。



「ガキだよガキ……クソうっせぇ。何が少子化だよ」


「……………………」



ピッ



俺(41)はオールドメディアのリモコンボタンを押した。



『今朝、丸上町の小学校へフードを被った男性が不法侵入しましたが、職員複数人に取り押さえられ、駆け付けた警察に現行犯逮捕されました。男は刃物を持っており……』


「怖い事件ねぇ……ゆうちゃんもう大きいから良かったわ~」


「…………隣町か」


「ちっ、くだらねぇオールドメディアがよ。怪我人もいねぇんじゃん。そんなんだからオールドメディアなんだよ!はんっ!」


『逮捕された男は、住所不定無職の41歳……失礼しました。住所不定無職の近ち……』


「…………けっ、雑魚じゃん」


「…………同い年か」


「は?どうしたんだよ?」


「…………裕次郎、私は愛国者だ」


「はぁ?だからなんだってんだ」



いきなり何言い出すんだよこいつ………………。






「そういう…………事か……」


「異世界人様!!」



ががっ



もうっ、凄い膝が崩れるっ!!



「ケジメつけられたんだよ俺!分かんないのか女さんさ!製造物責任法だよ!!」


「わ、訳が分からないんですけど……」


「んぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」



親父、親父…おや…いや、父さん、どうして……………………。


頭は真っ白で、周りは真っ暗。



「もう、どうなってもいいや…………」


「それはいけませんよ、田井中裕次郎様」


「え、俺の名前を知ってる?」


「私は女神ですわ。あらゆる概念に森羅万象せし超越的な存在」


「なら教えてくれよ…………俺は、これからどうすればいいんだ?」



今はそれしかない。



「授けましょう、迷える魂に新たなる生と使命……そして力を」


「新たなる生?じゃあ俺……ぐわぁぁぁぁぁ!!!!!」



急に女神がめっちゃ光って眩しい!


しかもか、身体が!下に吸い込まれるみたいにっ!!!


いや重力に引かれて…………じゃねぇ!



「そもそも異世界に重力あるのかよぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!!!!!!!」



気付けば俺は下の世界へと落とされていた…………。


(続く)




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