まずは死にます
「全てが…………全てが憎いっ!」
まるで尖ったナイフのような人生だった…………。
「世界がァ!親がァ!!母親がァァァ!!!女が憎いィィィィッ!!!!」
常日頃全方位に向けてジャックナイフのように憎んでいた。
「ん、ここは…………」
「死後の世界ですよ、迷える子羊さん」
「女…………さん?」
「あら、礼儀の良い方ですね」
「ありがとうございます」
気付いたら謎空間。
目の前にはちょうど良い感じの10代後半容姿の若い美少女…………たぶん女神だな。
「享年の割にお顔立ちも大変お若々しいこと……まるで純潔の果実のようですわ」
「誠にありがとうございます、自分、童貞だったんで」
なんか褒められたぜ。
てへへっ☆
「で、俺が死んだってマジ?自殺した覚えなんて無いんだが?」
「みな死ぬ瞬間の出来事なんて忘れてしまうものですから。あなたの場合は特に可哀想で……」
「で、なんだよ。早く転生させろよ」
「あら、死因を聞きたくないのですか?」
「聞いても意味ないだろ、早く女を宛がえよハァハァ……」
「心が高まっているようですね、そんなに興奮しないでください」
「わ、分かってんだけど……ハァハァ」
な、なんだろう…………さっきから変に体がたぎる。
確か最後に市で受けた健康診断じゃ若干糖度が高かった。
だが引きこもり不衛生中年チー牛にしてはそんな悪くもなかったはずだ。
だってギリギリセーフだぞ???
そうだよそうだ!
今俺は最高のガチャ当たり引けてるかもしれないから上がってんだイエェェェェェェェイ!!!!!!!!!!!
「だから心の底からガッツポォォォ!!!!!」
「え、えっ!?ど、どうされました??」
「そんなに興奮しないで下さい」
「こっ、興奮って、されているのはあな……」
「るふぅぅぅぅ!!!もう死んでるので100%元の世界に引き戻される心配もないし控え目に言って神やァァァァァァァァ!!!!!」
落ち着け落ち着くんだ俺!まずは性的興奮をして下半身を律しながら右手を下に…………。
「貴方お父さんに殺されたのよ!! !!」
「…………え?」
デデンっ…………って感じの効果音が脳裏をよぎる。
そのひとこと、その刹那。
しかもなんか頭………………すっごくキラキラしてきた…………。
(続く)