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65、偉大な力

 家の外から聞こえた物音で目が覚めた。

 タケシが静かに外に出てみると、霧の朝焼けの中で2匹の雄シカの姿を確認した。


 その場所は昨日マリが出産を行った場所で、マリは出産後にその周りの土と胎盤を深く穴を掘って埋めていた。


 この辺りでシカを見る事は特に珍しいことではないのだが、人に慣れていない臆病な野生のシカが明らかに人間の敷地内と分かる場所に立ち入る事はめずらしい。 

 二匹のシカが番犬を恐れずに落ち着いた様子で長時間、鼻先を地面にこすりつけている行動はあきらかに異常だった。

 

 その次郎も吠えず、近付こうともせずに遠くからシカの行動を見守っている事に驚いた。


 その後も同じ場所に猿が来たし、夜遅くには猪まで来た。


 シカや猿、キツネなどだったら恐れる事はないが猪やクマが来るとなるとさすがに危険を感じた。


 しかし、犬の次郎は全ての獣に対してまったく警戒もせず、敷地内への侵入を簡単に許すという行為はそこに動物同士の何かしらの意思疎通がありそうだった。


 森の獣たちはあの夜、この場所で何が行われたのかをすべて知っているのだ。


 獣たちはマリの叫び声でこの場所で人間の出産が行われた事を知り、その赤ん坊の存在を確かめたくてこの場所にわざわざ訪れているのだろう。


 いろんなやり方を無視したマリの出産方法だったが、これはマリにとっての正解だったのかもしれない。そう思うと一層、マリの事を崇めたくなった。



〈〈 次回、マリは役所にすっさん届を出すがそこでまた問題が。ご期待ください。〉〉

作品に訪問して頂き、ありがとうございます。

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今日一日お疲れさまでした。明日も一緒に頑張りましょう。

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