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55、再会

「タケちゃん、この間昔の仲間に誘われて初めて猟ってのに行ってみたんだけどその銃器を扱う店でたまたまマリちゃんを見かけたんだ。今、マリちゃんが何してるか聞いてるかい?」


 女のいる飲み屋で秀さんと飲んでいる時の会話だ。

 周りの賑やかな音楽にかき消されそうなほど小さな声だったがタケシにははっきりと鮮明に聞こえた。


「一応、車のナンバーは控えておいたから、もしどうしても気になるならタケちゃんが調べたらいいよ。マリちゃんがそんな店に出入りしているって事がなんだか心配になってな。俺には気付いてないと思うんだけど何せマリちゃんは勘がいいからな。気付かれちまったってことはあるかもな。だけどもし危ない仕事をしてるんでなければ別に無理に隠れる事はないはずだ。」


 秀さんは知らない。マリは俺から姿を隠したいのだ。身を隠したいのではなくただ俺に会いたくないと思っている。

 一時は鈴に会いに来るのではと思った事もあったがマリはそれすら一度もなかった。

 

 あんなに懐いていた鈴にすら会いに来ないという事がマリの意志の強さを感じた。そして頑なに会いに来てくれないという事はマリはまだ俺の事を忘れたわけじゃないってことも感じていた。


 マリを遠くからでもいいから一度だけ見たかった。マリを直接見なくてもマリが安心して暮らせている環境かどうか確かめるだけでもいい。


 そう思ったら久々に胸がドキドキするような興奮を感じた。



〈〈 次回、マリとの話。ご期待ください。〉〉


 


作品に訪問して頂き、ありがとうございます。

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今日一日お疲れさまでした。明日も一緒に頑張りましょう。

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