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53、抜け殻

「もう、マリちゃんどこ行っちゃったんすか。マリちゃんが誕生日だって聞いたからいきなりプレゼント持って行って驚かせてやろうって思ってたのに。」


「何おまえ、マリちゃんに気があんのか?お前、見た目はチャラチャラしてんのに女を見る目は意外とちゃんとしてんな。」


「俺、強い女って好きなんすよ。例えばケンカが強いであるとか、気が強い、意志が強い、我慢強い、酒が強い、そういう女を見ると落としに行きたくなるっつうか。

 マリちゃんは最初見た時、見た目は全然タイプじゃなかったけどなんか強いなこいつって感じたんですよ。何が強いのかは全く会話したことないからわかんないっすけどね。」


「まあ、マリちゃんはお前が言うように強い女だよ。なあ、タケちゃん。

 おい、タケちゃん、元気出せよ。マリちゃんが家を出てったってだけでもう会えないわけじゃないんだしよ。まさかタケちゃんが女に出て行かれてここまで落ち込むなんて想像できなかったな。」


「確かに妹に家を出て行かれたってことぐらいでそこまで落ち込むのって変っすよね。もしかしてタケシさん、マリちゃんに惚れてたんっすか?」


 タケシはちらっと龍馬を見たが何も話す気がないらしく、タバコを手にして火をつける。



「なんか普通の兄妹って感じには見えなかったすもんね。俺にも妹と姉がいるんでよくわかるんですけど姉にも妹にもにあんなに優しい顔をすることは一度もなかったな。

 女兄弟ってなぜか無性に腹立つ存在なんです。だけどタケシさんはマリちゃんの前だとなんだかデレデレしてるっつうか……」


「おい、もうその辺でやめとけ。タケちゃん、なんでこんな無神経でチャラチャラした男をかわいがってんの?こいつは人の気を逆立てる悪魔だよ。

 そういやお前、あの飯田組の女とはどういう関係なの?まさか惚れられてんじゃないだろうな。」


「あの人は今、タケシさんにぞっこんですよ。週に一度はタケシさんに顔剃りをしてもらっているくらいなんで。

 あの人も気が強い女でそこが良かったんだけどなぁ。まあ、他のホストに奪われたんだったら悔しいけどタケシさんだったらしょうがないっていうか。まあでもあの人、気を付けた方がいいですよ。

 あの人、最初は初代の女だったんです。彼女が幼い頃、養女として引き取られてそれからずっと初代がかわいがっていたあの人を2代目に自分の座を譲るっていう条件で娶らせたんです。

 長男は最初からそういうのを嫌がって好きな女と一緒になったから今でも夫婦仲はいいんすけど、あの人と旦那は最初からあんまりうまく行ってないんですよ。」


「じゃあ自分の女が外で浮気したって何も言わないって事かい?ある意味男らしいな。だけど初代は気持ち悪いな。何歳の彼女を囲んだの?」



「まあ、あんまりこの話したくないな。俺、明日には誰かに刺されちゃうから。

だけどタケシさん。気を付けてくださいよ。気が強くて性欲も強い女だから。まあ今の抜け殻みたいなタケシさんには良い滋養になるかもしれないっすけどね。」



〈〈 次回、ヤクザの女が店に来る。ご期待ください。〉〉




作品に訪問して頂き、ありがとうございます。

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今日一日お疲れさまでした。明日も一緒に頑張りましょう。

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