表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
18/72

18、別れの予感

ユリの成長と思春期の葛藤。


今回のストーリー要素

サバイバル ☆☆☆

感情度   ★★★(ユリの大人の悩み)

危険度   ☆☆☆

ほっこり度 ☆☆☆

 ユリは成長して大人の女性に近付くにつれて文化的な生活に憧れを持つようになった。

 そのきっかけはやはりユリの体の変化であり、タケシに自分自身を拒否された結果でもあった。


 ずっと体が子供のままならば野生動物のように自由に野山を駆け回れるものを、いったん自分の体の性別や成長に気付いてしまうと今まで通りにマリとタケシと一緒に無邪気に戯れる事はできない。

 

 また同世代の女の子たちと話す機会も増えたことから、どんどんと同世代の子供たちとの価値観が離れていく事をおそろしく感じた。

 今のユリはタケシとマリ、または同年代の女の子たちのどちらの属性からも遠いところにいて、自分一人だけが宙ぶらりんのような気持だった。


 島での暮らしは自由で楽しかったはずなのにこのままずっとこの暮らしを大人になるまで続けるという事はやっぱりユリには考えられなかった。

  ユリは島を出る時は3人で一緒な施設に入りたいと願ったが、タケシは絶対に首を縦に振らなかった。

 タケシはいつだってユリの意見や感情を優先させてくれたが、このことに関しては頑固なほどにユリと対峙した。


 どうしてもタケシを説得させようとあらゆる説得材料を探し出して説き伏せようと試みるのだが、タケシはこのことに関してはユリと対比してどんどん無口になっていく。

 タケシは口では絶対にユリに勝てないという事を悟っているので、ユリのどんな挑発にも正面から反論はせず言葉を濁し続けた。


 そうされればそうされるほどユリはむきになりタケシを追い詰めようとさらに追い込み続ける。

 ユリはそんな自分が嫌いだった。いつでもユリの意見を優先してくれていたタケシが、このことに関しては徹底的にユリと対立した。

 そしてそれは時に憎しみのような感情を生み、その憎しみをタケシにぶつけた後は必ず後悔した。


 また二人はこの話を絶対にマリには聞かせたくなかった。

 マリは全面的にタケシとユリを信じており、二人が同じ意見であることに安心して付いてきてくれている。ふたりにとってマリを不安にさせる事は一番避けたい事だ。


 ユリはその頃からタケシとは離れる未来を想像するようになっていく。

 そしてユリとマリがこの島を去った後もタケシがこの島で一人暮らす姿を想像するとやりきれない寂しさが襲い、一層タケシが恋しくなって甘えたくなった。


 自分が自我を押さえてここに住み続けるべきか、それともタケシと道を別ちあっても自分の意志を通してこのまま突き進むべきか。

 それについて毎晩ひとりで考え続けた。



〈〈 次回、西日本に大打撃を与える自然災害に遭遇する3人。その中でそれぞれの思惑が錯誤する。ご期待ください。〉〉

作品に訪問して頂き、ありがとうございます。

※基本的に毎日更新していますので、この先のストーリーが気になるという方はブックマークをお願いします。コメントや評価を頂けると励みになります。


今日一日お疲れさまでした。明日も一緒に頑張りましょう。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ