13、ワイン
2年のサバイバル生活で子供たちはどのように成長したか。
今回のストーリー要素
サバイバル ★★★(ワインを作る、他)
感情度 ★☆☆
危険度 ☆☆☆
ほっこり度 ★★★(子供たちの成長)
3人の島での生活がそろそろ2年になろうとしていた。
四季を一通り経験することによってトラブルがあらかじめ予測できるようになったし、あたらしい季節の訪れの前にさまざまな準備ができるようにもなって、2年目は最初の1年より格段に生活が向上した。
風の向きや気温、水温の変化、月の満ち欠けで狩りの成果は著しく変わり、それらを丁寧に観察することで動物や植物の生態を詳しく知る事ができる。食料の調達が難しい時期や冬の厳しさもあらかじめ知っていると慌てることもないし、いざという時の為の準備がしやすい。
最初の冬では厳寒の寒さを10日間体験した。その年はこの地域には珍しいほどの寒さで、夕食の準備の時に焚火の中で石を焼いておき、それを寝る前に寝床の地面に埋めて、その上にテントを2重に張って3人で抱き合って寝た。
自然の中で暮していると予期せぬハプニングや偶然からいろいろな発見もした。
今までは臭くて食に向かなかった狸の肉も解体して枯れ草に包み、土の中に1週間ほど埋めて熟成させると匂いが飛び、かなり美味しくなることを偶然から発見した。
また他には山葡萄の時期にたくさん取って保存しておいた葡萄がしばらくすると発酵して偶然にもワインができてしまうという事もあった。そうやってお酒の作り方やその後、それが酢になる工程も偶然から学んだ。
せっかくの葡萄がワインになってしまう事はユリとマリにはがっかりな出来事だったがタケシはそれを一人美味しいと言って喜んで飲んだ。ただ果実酒は季節が限定されることからいつでも作れるわけではない。
そこでタケシが目を付けたものが海藻だった。海藻と水、砂糖、イーストで酒を造る事を何度も試した挙句、海藻から酒を造る事にも成功していた。
タケシは子供のくせに酒やたばこに異様に興味を示した。シケモクをあつめて島に持ち帰り、夜にひとりそれを吸って遊んだ。その先にたどり着いたのがハーブたばこだ。
松の葉、ヨモギ、柳の葉を乾燥させた物を刻んで紙に巻いて火をつける。吸った後口に軽い苦みや清涼感が残り、ニコチンを含んでいなくても軽い鎮静作用もあってタバコと似たリラックス効果があった。
またタケシは前に島に来た男たちが置いていったマリファナもこっそりと隠し持っていた。
ユリとマリに気付かれないように空き缶を使って吸い口を作り、隠れてひとりで試したりして遊ぶような悪さも好きだった。
島での2年間は3人を強く賢く成長させた。それは普通の生活では絶対に得る事の出来ない貴重な経験の積み重ねで、子供でありながらも大人とも互角に戦えるという自信も付いた。
世間の常識とはまったく違った自分たちの正義感があり、仲間を守りながらずる賢く強く生き抜く事がこの島の正義だった。
※このシーンは人によってさまざまな意見があるかもしれません。
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〈〈 次回、島での生活の2年間で子供たちはどう成長していったのか。ご期待ください。〉〉
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