第三話 イリーナ出版の看板作家
小学生の頃から続く毎月の恒例行事、二葉が紙に手書きで書いた原稿を持ってきて無言で手渡された。
おかっぱ頭に丸縁メガネの二葉は文学少女っぽいっていうか、目が悪くないのに伊達メガネをかけているのは文学への憧れみたいだ。
一枚目には「坊ちゃま、今月の原稿です読んでください」と書かれていた。
子供の頃から二葉が書いた本を読むのは毎月の定番イベントだけど二葉は中学三年にしてベストセラー作家だ。
この原稿は出版社が心待ちに待っている来月出版予定の原稿だった。
今月の原稿を読んだ僕は頭を抱えた。
今月は内容が完全に18禁アウトだ。
ヤバイ、二葉の小説を読んでいたら勃起してきた。
イラストなんか無いのにHなことをされているヒロインの顔が二葉しか浮かばない。
まるで僕が二葉を犯して居るみたいな幻覚が見えてきた。
ヤバイ、これ以上は読めない。
僕は何も言わずに原稿を取りに来た編集者に手渡した。
原稿を渡すと僕は我慢できなくて一美に見つからないように家のすみっこに隠れて自分で抜いた。
賢者タイムに入ると妹同然の二葉で抜いてしまった罪悪感で一杯だった。
会社に戻った編集者は頭を抱えていた、大人ならまだしも15歳の作者が18禁を出すのはアウトだ。
二葉先生の執筆ペースは異常なほど速い。
学校に通いながら月間ペースで新刊を出している。
デビューから32ヶ月連続刊行で累計三千万部を売り上げている看板作家だ。
しかも、片手間の勉強で司法試験最年少合格記録を更新した天才…
出せば確実に百万部売れる作家の原稿を没にするのは出版社として容認できない。
編集会議は紛糾していた。
「二葉先生はウチの看板なんだぞ、没に出来るわけ無いだろ」
「ウチの経営は二葉先生の定期刊行が支えてるんだぞ、来月出なかったら売り上げがへこむぞ」
「書き直しをお願いできませんか」
「それが、その…」専属編集者は言葉に詰まった。
「実は二葉先生の筆がノリにのっていまして、来月分も原稿が上がってきています」
「まさか…中身は…」
「後になるほどエロが酷いことに…」
「どうしてこうなったんだ!」
「思春期の娘さんですから、性的なことに興味を持つ年頃なのでは?」
会議がまとまらない中で出版社の女社長は宣言した「私が話し合いに行ってきます」
今日は4月11日、二葉の15歳の誕生日だ。
学校から帰ってきてみんなで誕生日の準備をしていると二葉が本を出している出版社の社長さんが訪ねてきた。
中山美咲社長はママと高校生の頃からの親友でママの会社の出版部門を任されている。
この人って三十代半ばすぎてるのになんか色気が強くて大勢の男を尻に敷いていそう。
ママは社長さんに挨拶した「美咲、久しぶりじゃない景気はどう?」
「はい、二葉先生のおかげでイリーナ出版の経営は順調です」
「アレクセイの写真集も売れてる?」
「残念ながら、返本率が高いので奥様の限定写真を封入した改訂版を出します」
「アレクセイだって美少年なのにどうして売れないんだろ?」
「大変に失礼ながら見た目意外に取り柄が無いからだと思われます」
僕は残酷な現実を突きつけられて瀕死だった。
僕の写真集はママの息子である縁故のみで作られた。
少しはママのネームバリューで売れたんだけど、それ以降は再生紙に転生出来ずに倉庫に積み上がっている不良在庫だった…
僕の存在自体がママの不良在庫なんじゃ…
二葉の18禁原稿を囲んで会議を開いていると一美が余計な口を挟んだ。
「二葉も坊ちゃまの性奴隷になる時期が来たのです」
僕は絶叫した「ちょっとまってぇ」「社長さん、今のはアメリカンジョークです」「一美は帰国子女だからアメリカンナイズされているんです」
美咲社長は当たり前の事みたいに言った「やはり性奴隷になるしか無いのですか」
美咲社長は母親にも同意を求めた「三千代はソレでいいの?」
三千代はさらっと恐ろしいことを言い切った「私の娘達は生まれる前から坊ちゃまの性奴隷になる運命です」
美咲社長は決定事項みたいに言い切った「二葉先生の初体験は私でよろしければお手伝いさせて頂きます」
三久も謎の同意をしている「やっぱり順番が来たんだ」
四恩も姉が犯されるのに当然のことみたいに黙って頷いている。
おかしな話になっているのをママが正気に戻してくれた「アレクセイ今日は二葉ちゃんの15歳の誕生日よ」
ママの正気が救いだ「うん、そうだよねみんなでお祝いしなきゃプレゼント持ってくるよ」
「プレゼントならココにあるじゃない、二葉ちゃんの初体験もゴム無しで中にしてあげてね」ママも正気じゃ無かった…
二葉は椅子から立ち上がるとメイド服のスカートをまくり上げて下着を下ろした。
一美は二葉のスカートをまくり上げてお尻をなで回しながらセクハラした。
「二葉は安産型のお尻よねアレクセイ坊ちゃまのペニスが太くても赤ちゃんの頭より細いから大丈夫よ」
一美が二葉のスカートの中をいじり回していると二葉は姉のセクハラに返事をせずに黙ってメイド服のエプロンのポケットから筆ペンと短冊を取り出して書いた。
「初夜で壊れた糞ザコマンコ」
紙を突きつけられた一美が倒れた。
二葉は普段からあまり喋らないけど、本当に言いたいことがある時は達筆な字で紙に書いて見せつける。
達筆な文字が読んだ人の感情を強烈に揺さぶり強い意志を叩き付ける。
一美は妹に言葉と文字の暴力で殴り倒されて心が瀕死になった。
「一美ぃ、しっかりするんだ」
「申し訳ございません、私は役に立たない糞ザコマンコです…」
「一美のせいじゃない、デカすぎる僕が悪いんだよ」
「私は下がらせて頂きます、本日の性欲処理は二葉をお使いください…」
「まってぇ、僕は一美が好きなんだぁ」僕の言葉に逃げようとした一美が立ち止まった。
一美は希望に満ちた目で懇願した「あと9日、9日だけ時間をください、坊ちゃまに相応しい穴になってみせます」
三千代は自分の娘に厳しく言いつけた「坊ちゃまに相応しい穴になれなかった時はマリア先生に膣も子宮も切除して頂きます」
一美は真剣な顔で答えた「はい、その時は女として死ぬ覚悟です」
「いやぁぁぁ、死なないでくれぇ」
ママが横槍を入れた「一美ちゃんの命まで取らないから大丈夫よ」
「本当に?」僕はママにすがった。
「うん、一美ちゃんは肉便器として一生アレクセイの排泄物を食べて生きるから」
「ねえ、ママって弁護士だよね、人権とか法律とかどこに行っちゃったの」
三千代が本気なのかわからないツッコミを入れた「ここは奥様が法律の治外法権です」
一美は謎の決意を燃やしながら部屋に戻っていった。
ふと、後ろを振り返ると美咲社長が二葉のメイド服のスカートをめくり上げて股間を舐め回していた。
美咲社長は僕を見ると恐ろしいことを言い切った。
「アレクセイ坊ちゃま、二葉先生の準備は万全です」「ひとこすりで逝く寸止めにしました、処女なのに入れた瞬間逝きます」
いつも無表情な二葉の顔がだらしなく崩れて逝きそうな顔をしている。
「ちょっとまってぇ!」
「待てません!」
美咲社長は僕のズボンとパンツを下ろすとアレをつかんで引っ張った。
引っ張られた僕のアレは目の前の二葉を見て僕の意思に反して堅くなっていく。
握られたモノの先端が二葉のアソコに触れた瞬間、ママに背中をドンと押されメリッと音を立てて血が出てアソコが裂けると二葉はのけぞって逝った。
嬉しいのか苦しいのか分からない崩れきった顔面をしている。
「さあ、早く射精してあげないと二葉ちゃんが辛いわよ」
「無理だよ、僕にはこれ以上できないよ」
「もう、駄目な子ね」
僕は生まれて初めてママに駄目な子って言われた…
今までママが僕を悪く言った事なんかなかったのに…
ショックで射精どころか萎えそうになった瞬間、お尻に電気ショックが走った。
「お尻、オヒィリィ」僕は前立腺の刺激に情けない声を上げて二葉の中に射精してしまった。
何が起きたのか背後を見ると、美咲社長が僕のお尻に指を入れて前立腺マッサージをしていた。
「さすが美咲ね、性奴隷を引退してもテクニックは健在なんだ」
「お褒めにあずかり光栄です」
普段は喋らない二葉が可愛い声でお礼を言った。
「美咲さん…ありがとうございます…弟子にしてください…」
「二葉先生こそ私の後継者に相応しい性奴隷です全てのテクニックをお授け致します」
ママは嬉しそうに言った「二葉ちゃん、良かったじゃない」
二葉はミニスカートのメイド服の股間から破瓜の血と僕の精液を垂らしながら嬉しそうに無言でモジモジしていた。
僕はハッと気付いた。
三久がへたり込んで両手で自分の体を押さえながらガクガク震えている。
お姉さんが犯されるところをモロに見ちゃってるからだ。
四恩が三久のツインテールの右側を強く引っ張った「三久姉様!」
髪の毛を強く引っ張られた三久は妹に訴えた「私も時間ないみたいもうダメ…」
二人は僕の下半身をじっと見ている…
えっと、どうしたらいいんだろう。
目の前にはお姉さんの血で汚れたモノがブラブラ…
僕は下半身丸出しのまま自分の部屋へ逃げ込んだ。
まさか、次は妹二人なんてことは無いよね…
累計三千万部を売り上げた二葉の著書の秘密とは21世紀には絶滅してしまった手書き原稿。
二葉の本は手書きの生原稿をそのまま白黒写真と同じように印刷して作られている。
手書き文字が活字では真似できない強烈な印象を与え感情を揺さぶるからだ。
そして、真似できる作家は世界に誰もいない。
数万文字を誤字脱字無しに書き上げることが出来る人間が他に存在しない唯一無二の誰の作風だった。
作中時間:2013年04月10日(水)~2013年04月11日(木)