第二話 婚約者と肉便器
翌朝、目を覚ますといつも通りパジャマを着て自分のベッドで寝ていた。
自分の股間を見ると汚れていない、普通にパンツを履いてパジャマを着ている。
そうだ、昨日のアレは五年ぶりにあった一美が綺麗すぎて僕がエロ妄想をこじらせて一人でオナニーしていただけだ。
昨日のアレはエッチな夢だったんだ。
一美を性奴隷にする妄想なんてダメだ、いくらお屋敷のお坊ちゃまと使用人の娘の関係でもセクハラじゃすまない。
それに、ママとメイド長に妹達まで見学していたなんて設定に無理がありすぎる。
僕は五年ぶりに再会した幼なじみが眩しすぎて頭が爆発していたんだ。
僕は昨日の出来事が夢だった事にほっとしてベッドから起き上がると制服に着替えて学校に行く準備をした。
朝食を食べに食堂へ降りてくるとママが待っていた。
一美も制服姿でテーブルに座っている、朝食は三人分が用意されていた。
「二人とも16歳の誕生日おめでとう」
今日は4月9日、僕たち二人の誕生日だ。
「アレクセイごめんね、せっかく二人の誕生日なのに今日はどうしても出かけないとダメなの」
「だから朝のうちにお祝いしようと思って一美ちゃんも今日は一緒に食べようね」
一美は丁寧に頭を下げた。
「奥様ありがとうございます」
ママはいつも通りだ。
一美も普通にしてるしやっぱり夢だったんだ。
そうだ、一美の誕生日プレゼントに用意したアレを渡さないと。
そういえばママが僕の誕生日に出かけるなんて初めてだ。
ずっと何があっても最優先で予定を空けてくれたのに。
僕が安心しているとママはさらっと恐ろしいことを口にした。
「一美ちゃん、アレクセイの性奴隷になれて良かったわね」
「はい、性奴隷の烙印こそ最高の誕生日プレゼントです」
僕が印象派芸術の人物画みたいな顔をしていると昨日のことが夢じゃ無いと思い知らされた。
「アレクセイも一美ちゃんに処女をプレゼントしてもらえて良かったわね」
「処女と童貞のプレゼント交換なんて同じ日に生まれた二人には最高の誕生日じゃない」
昨日の出来事はやっぱり現実だったのか…
五年あまり三姉妹と一緒だった通学路は今日から四姉妹と一緒になった。
一美は妹たちと楽しそうに話している。
3人とも昨晩何があったのか見ていたはずなのにいつも通りに明るく楽しそうだ。
自分の記憶が現実なのか夢なのか混乱してきた。
学校に来るとみんなの視線が痛い…
女子から完全に近寄りたくない汚物扱いされている。
一人の女子生徒が一美に声をかけてきた。
「一美ちゃん久しぶり、元気にしてた」
一美も挨拶を返した「瞳子様、お久しぶりです」
二人は知り合いみたいだった。
彼女は僕を見ると自己紹介した「えっと、清水瞳子です」「お母さんから聞いてるかな、一応は親同士が決めたアレクセイ君の婚約者なんだけど」
「はぃ、婚約者?」
いや、いや、まて、ママは知らない人を探す方が難しいレベルの有名人だ、誰だって大富豪だって知ってる。
金目当ての妄言に決まってる、僕の価値なんてそれぐらいしかないはずだ。
一美は僕を見て不思議そうに言った「アレクセイ坊ちゃまは瞳子様とお会いするのは初めてでしたか?」
「初めて会ったし、婚約者がいるなんて初耳なんだけど…」
「えっと、私は結婚するまで処女でいたいんで肉体関係は高校を卒業して結婚式を挙げてからにしてもらえる」「性欲処理の相手なら赤阪四姉妹がいるからいいでしょ」
一美はなんか意地を張るみたいに答えた「現時点での性奴隷は私一人だけです」
「あれぇ、妹さん達はまだヤってないの?」
「ちょっと清水さん、なんで僕が一美の妹たちまでヤってる前提で話してるんですか!」「なんでウチの家族構成に詳しいんですか!」
「親同士が子供を婚約させるのに相手の家庭事情を知らないわけありません」
「親同士ってママとどんな関係なんですか?」
「んっ、聞いてないの?」「私のお母様はアレクセイ君の母親違いの姉ですよ、戸籍上は他人だけど血縁から言えばちょっと遠いような微妙に近い伯父と姪です」
「えっ、それってどいう関係なんですか?」
「複雑な関係だから詳しいことはイリーナさんに聞いてください」
僕たちの会話を聞いていたクラスメイトが変な目で見ている…
完全に異世界の生き物扱いをされている。
家に帰ると婚約者の話をママに聞きたかったけど仕事で深夜にならないと帰ってこなかった。
僕は部屋で悩んでいた。
「僕のパパって何者なんだろう?」
「ママとテレビ番組で知り合って僕が生まれる前に事故死したって聞いてる」
「パパにママと付き合うかなり前に作った娘が居たなんて」
「パパはママよりかなり年上だったって聞いてるけどそんなに離れていたの?」
「少なくとも、瞳子さんの家はママと付き合いが古いらしい」
「いつ婚約の話が決まったんだろう?」
「瞳子さんって何者なんだろう?」
僕は自分の机の引き出しを開けてリボンのついた小さな箱を眺めた。
一美の誕生日プレゼントに渡すつもりだったけど渡し損ねてしまった。
僕が机に肘をついて悩んでいると下半身におかしな感触が…
机の下にもぐり込んだメイド服姿の一美が僕のズボンを脱がそうとしていた。
「アレクセイ坊ちゃま、一美のアソコは壊れたままなので今日のご奉仕はお口でお許しください」
僕は全てを諦めてされるがままに任せた。
僕はあっさりと一美の口の中に出してしまった。
一美は美味しそうに飲み込んだ。
ちょっとトイレに行こうと思ったけど一美が放してくれない。
「一美さん、ちょっとトイレにいきたいんだけど」
「肉便器ならここにあります出してください」
「オシッコなの」
「オシッコなら一滴もこぼさずに飲んで見せます」
一美は自分の口の中に出せと放してくれない。
僕はもう諦めた、ここで一美に酷いことをして馬鹿らしい事を辞めてもらおう。
僕のアレを咥えている一美の頭を押さえて奥までねじ込んだ。
一美が苦しそうになったところで出した。
当たり前なんだけど、一美は飲み込めないで咳き込んだ、苦しくなって下を向いて咳き込んでいる一美の顔から頭にオシッコをかけた。
出し終わると綺麗な黒髪が僕のオシッコで濡れている。
僕は二度とこんなことをやらないで欲しくて「床を掃除しておけ」とだけ吐き捨てるとベッドにもぐり込んでふて寝した。
寝たふりをして布団の中から覗くと、一美はオシッコで濡れたまま涙をこぼしながら床を掃除していた。
こんなことされたら辛すぎて泣くに決まってるじゃないか。
これにコリて性奴隷なんて馬鹿なことは辞めて欲しい。
僕は一美との肉体関係が最初で最後になってもよかった。
あんなコトさせるぐらいなら僕と別れて普通の生活をして欲しい…
その日の夜、瞳子は母親と電話で話をしていた。
「お母様、アレクセイ君に会いました」
「どうだった?」
「なんか覇気の無い見た目だけ綺麗な普通の男の子って感じ」
「瞳子にお嫁に出てもらうのは悪いけど家系を存続させるためには仕方が無いの」
「大丈夫です、アレクセイが龍皇帝の継承者になった時は私が手綱を握ります、その為の覚醒者の力ですから」
「まだ、誰が継承者になるのかわからないのよ、龍太郎か龍次のどっちかもしれないし、アレクセイ君は覚醒しないまま一生を終えるかもしれないわ」
「えっと、大富豪で超有名人のイシュコフ家の嫁になるんですから別にそれでもいいです」
「そうね、普通のお嫁さんになって普通の生活が出来るならソレが一番よね」
「お母様には悪いですけど、性奴隷を4人も飼っている人の奥さんになるのを普通の生活とは呼べないと思います」
「イタタ、痛いわよ瞳子」
電話の向こうで老婆の声がした「御屋形様、お薬を」
「違う、今のは瞳子の正論パンチが痛かっただけよ」
「お母様、大事になさってください」
「まだ死なないから大丈夫よ」
翌朝、起きてトイレに入った僕は驚いた、便器が撤去され無くなってる…
便器の代わりに一美が正座してまっていた。
僕が後ずさって逃げようとすると三千代が背後を塞いだ。
三千代は僕の背中を押すと断言した「一美は徹夜で肉便器の奥義を習得いたしましたお試しください」
僕はトイレの個室で前後からメイドに挟まれて逃げ場を奪われてしまった。
一美は僕のパンツを下ろすと、こんどは一滴もこぼさずに綺麗に飲み干した。
僕のオシッコを一滴も残さず飲み干した一美の嬉しそうな笑顔が心の底から喜んでいるようにしか見えなかった。
「パチパチパチ」一美が成し遂げると背後から拍手が聞こえた。
背後を振り返るとママが拍手していた、一美はうやうやしくお礼を述べた「奥様ありがとうございます今度こそ肉便器の勤めを果たせました」
「ママ…これは…その…」
「一美ちゃんは肉便器のご奉仕が出来ないのが悔しくて泣いていたから特訓してあげたの」
三千代はママを褒めた「さすが奥様、世界最高の肉便器でいらっしゃいます」
僕は嫌な予感がした「昨晩、泣いていたのってまさか…」
「はい、肉便器として役立たずだったのが悔しくて泣いてしまいました」
ママは信じられないことを平然と口にした。
「一美ちゃんには肉便器の奥義を授けたから何でも出来るわよ」「さあアレクセイ、大きい方もいけるから試してあげて」
「肉便器の奥義って何なの?」
僕は必死で便意を我慢してトイレから逃げ出した。
なんとか学校にくるまで持たせると学校のトイレで出した。
さすがに一美も学校の男子トイレにまで入ってこなかったのが救いだったけど、便秘になりそう…
早めに来てしまって教室に向かおうとすると高坂先生が一美を呼び止めた。
「赤阪さん、先生はこんなの初めてだから何もわからないけど6月13日の水曜日は公欠になる手続きしたから、この日は学校に来なくても欠席にならないから大丈夫です」
一美は先生に丁寧に頭を下げた「ありがとうございます、後は全て自分で出来るので問題ありません」まだ二ヶ月先の話なのに事前に先生にお願いしていた。
僕は先生から異常者を見る軽蔑の目で睨まれていた…
「医師国家試験予備試験なんて名前すら初めて聞きました、高校生が受験するのは日本初だそうです」
一美は丁寧に答えた「もしも合格すれば第2部試験が9月と11月にあるのでそちらもお休みを頂くことになります」
先生は一美を不思議そうに見ている「本当に信じられない、赤阪さんはもうアメリカで大学を卒業されているのよね」
「飛び級ですから大学は3年しか通っていません」
「他の子が中学生をやっているときに医学部を卒業されたなんて本当にすごいわ」
「妹さんも史上最年少で司法試験に合格されたそうよね」
「あれは受験資格に制限が無かったので試しに受験してみただけです」
「普通は受験しても合格できないのよ」
「母も司法試験合格者なので勉強を見てもらえたからです」
「文部科学省が日本版ギフテッド・プログラムを検討してるから赤阪さんは重要なモデルケースなの困ったことがあれば上の文部科学省の人も動いてくれるから何でも相談してね」
「はい、ありがとうございます」
先生は僕をじっと睨みながら話した「セクハラとか虐待とか何でも相談に乗るから話して欲しいの」
一美は先生にむかって笑顔で答えた「家族には恵まれているので何の問題もありません」
先生は僕を社会的に抹殺する方法を考えているような気がする…
一美はどんなテストでも簡単に満点を取ってしまう。
僕の高校最初のテストは少しでもマシな点数を取らないと恥ずかしい…
ていうか、全教科満点でも全く足りない、基準が違いすぎて勝負が成立しない。
僕の性奴隷にならないと死ぬ病気って何なの?
一美は昔から不思議な子だった。
同い年なのに僕が物心ついたときには大人みたいに喋っていた。
小学生の時には大学入試問題でも簡単に解いていた神童だった。
一美みたいなのをギフテッドと呼ぶそうで、日本じゃ無理だけどアメリカなら特別な教育が受けられるからって渡米して世界最年少で医大を卒業した。
一美は頭が良すぎて特殊な精神疾患を患っているのかな?
このままだと友達が一人も居ないボッチなので僕は社会的な死を回避するための言い訳を考えた。
「性奴隷なんて現実にいるわけ無いじゃ無いか」「一美はウチのメイド長の娘だから僕に悪い女が寄ってこないように自分を悪く言って守ってくれているんだよ」
そういうことにしようと思ったけど、まず誰も僕の話を聞いてくれない…
悩んでいると背後から声がした。
「あれぇ、一美ちゃん今日はノーパンじゃ無いんだ」
三年生の女子生徒が後ろから一美のミニスカートをめくっていた。
三年生の男子生徒は生徒会長の女子生徒は風紀委員長の腕章を付けていた。
「折香さん、空翼さんもどうして」
空翼さんは厳しい目で僕に言った「生徒会として問題生徒の指導に来ました」「アレクセイ君の家庭事情は知ってるけど学校の風紀を乱すのは看過できないな」
「ごめんなさいぃぃぃ、」
折香さんも厳しい「校内で変態行為は慎んでください」
「すみません!」
一美が言い返した「風紀委員長がスカートめくりはよろしいのでしょうか」
折香さんも言い返した「今のは風紀委員の権限による服装検査です」「スカートを短くするのはけっこうですが下着が見えないようにインナーを着用してください」
一美は折香さんのスカートをめくり上げながら言い切った「なるほど、風紀委員長は膝丈のスカートでもスパッツ着用ですか」
折香さんも負けずに正面から一美のスカートをめくり上げると「性奴隷なのに地味で普通の下着ですね」と言った。
「これはアレクセイ坊ちゃまのペニスが大きすぎて膣が裂けてしまったので治療のために仕方なくです」「治ればノーパンミニに戻ります」
責任転換された僕は叫んだ「一美、お願いだから喧嘩売らないで!」
空翼さんは冷静に返した「生徒会の生活指導は喧嘩ではありません」
「一美ちゃん、悪いけどパンツぐらい履いて学校に来てもらえないかな、スカートもできれば長くして欲しいな」
「折香姉さん、従兄妹として心配して頂けるのは嬉しいですけど私は性奴隷になるために生まれてきた人間です、宿命からは逃れられません」
僕は全力でツッコミを入れずにいられなかった「逃げてよ!、全力で逃げてよ!」
空翼さんはため息をついた「せめて学校にいる間は普通の生徒の演技をしてもらえないかな」
一美は嫌みっぽく返した「私もお二人のように模範的な生徒を演じればよろしいのですか」
折香さんは少し怒っていた「私達は不純性行為はしていません純愛です、愛の結晶です」
「一美…その話は触れちゃ駄目だよ…」
作中時間:2013年4月9日(火)