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二十四の季節 ~うつろひ~  作者: こまくさ
9/29

5/5[夏:四月節気] 立夏

 『――てるもんな。そろそろ主任あたりにでも出世し――』

 『――して、あの美保ちゃんが結婚決めたって。お相手が今の――』

 『――の間までコートにマフラーだったのに、急に暑いよ――』

 『――ったなぁ。今何キロあんの? もう若くもないんだから食い過――』

 『――(あずさ)ちゃん、なんの変化もないんでパスだって。顔出すくら――』

 『――岳登ってきたけど、運動不足で下りは膝がガクガ――』

 『――捨五入したらもう30だなんて、信じられ――』


 『んんっん。テスッテスッ。あーあーあー。えー、すでに盛り上がりを見せておりますが、そろそろ始めたいと思いまーす』

 『よっ!浩二郎!』

 『西ゃん!待ってないけど待ってました!』

 『はーい。あなたの西山浩二郎でーす。今回も幹事を努めさせていただきまーす』


 『――山くんの司会も3年振りともなるとなんか懐かし――』

 『――だん発泡酒どころか第3だから、本物ビールって久しぶ――』

 『――ら眼鏡やめたの? けっこうトレードマークみたくなっ――』

 『――本くんの連絡先、誰も知らないんだって。矢野くんでも知ら――』


 『は―い。飲み物行き渡ってますかー? それでは、乾杯の音頭は坂井くんにお願いしまーす!』

 『あれぇ! 坂井くんすごく痩せてない?!』

 『うんうん、思った、思った。』

 『人生真っ盛りだからねー 今が頑張りどころでしょ。』

 『えー、ご指名いただきました坂井です。今回は3年ぶりの開催ということで、ほんとに久しぶりな気がします。今日は存分に発散したいと思います。それでは、乾杯!!』

 『『『『『かんぱーーい!!!』』』』


 『3年振りかぁ… 去年はできると思ったんだけどなー』

 『もう毎年ってのが、ちょっと難しくなってきたかなー』

 『連休っていっても、家庭持っちゃった子は来にくくなるよねー』

 『そういえば、オイちゃん、一応デビューしたらしいぜ』

 『伝説の学園祭ライブかー あの頃が青春だったねー』

 『俺たちの“春”は終わっちまったってとこかー』

 『学校の裏門のビワってそろそろ実がつくよな』

 『あぁ、もうそんな時期か…。あのビワ、酸っぱかったよなぁ』


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 ♪みかんの花咲く丘(童謡)

 誰にも、心の原風景があります。

 田舎は農家で、ミカンの木がたくさんありました。

 残念ながら海は見えませんでしたが、

 白い花が咲き、清涼感のある香りに包まれると、

 もうすぐ暑くなると子どもながらに感じたものです。

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 立夏 (四立の一つ)

  ├ 太陽黄経:45°

  ├ グレゴリオ暦:5月5-6日

  └ 七十二候

     ├ 初候:蛙始鳴かわずはじめてなく

     ├ 次候:蚯蚓出みみずいづる

     └ 末候:竹笋生たけのこしょうず


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