5/5[夏:四月節気] 立夏
『――てるもんな。そろそろ主任あたりにでも出世し――』
『――して、あの美保ちゃんが結婚決めたって。お相手が今の――』
『――の間までコートにマフラーだったのに、急に暑いよ――』
『――ったなぁ。今何キロあんの? もう若くもないんだから食い過――』
『――梓ちゃん、なんの変化もないんでパスだって。顔出すくら――』
『――岳登ってきたけど、運動不足で下りは膝がガクガ――』
『――捨五入したらもう30だなんて、信じられ――』
『んんっん。テスッテスッ。あーあーあー。えー、すでに盛り上がりを見せておりますが、そろそろ始めたいと思いまーす』
『よっ!浩二郎!』
『西ゃん!待ってないけど待ってました!』
『はーい。あなたの西山浩二郎でーす。今回も幹事を努めさせていただきまーす』
『――山くんの司会も3年振りともなるとなんか懐かし――』
『――だん発泡酒どころか第3だから、本物ビールって久しぶ――』
『――ら眼鏡やめたの? けっこうトレードマークみたくなっ――』
『――本くんの連絡先、誰も知らないんだって。矢野くんでも知ら――』
『は―い。飲み物行き渡ってますかー? それでは、乾杯の音頭は坂井くんにお願いしまーす!』
『あれぇ! 坂井くんすごく痩せてない?!』
『うんうん、思った、思った。』
『人生真っ盛りだからねー 今が頑張りどころでしょ。』
『えー、ご指名いただきました坂井です。今回は3年ぶりの開催ということで、ほんとに久しぶりな気がします。今日は存分に発散したいと思います。それでは、乾杯!!』
『『『『『かんぱーーい!!!』』』』
『3年振りかぁ… 去年はできると思ったんだけどなー』
『もう毎年ってのが、ちょっと難しくなってきたかなー』
『連休っていっても、家庭持っちゃった子は来にくくなるよねー』
『そういえば、オイちゃん、一応デビューしたらしいぜ』
『伝説の学園祭ライブかー あの頃が青春だったねー』
『俺たちの“春”は終わっちまったってとこかー』
『学校の裏門のビワってそろそろ実がつくよな』
『あぁ、もうそんな時期か…。あのビワ、酸っぱかったよなぁ』
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♪みかんの花咲く丘(童謡)
誰にも、心の原風景があります。
田舎は農家で、ミカンの木がたくさんありました。
残念ながら海は見えませんでしたが、
白い花が咲き、清涼感のある香りに包まれると、
もうすぐ暑くなると子どもながらに感じたものです。
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立夏 (四立の一つ)
├ 太陽黄経:45°
├ グレゴリオ暦:5月5-6日
└ 七十二候
├ 初候:蛙始鳴
├ 次候:蚯蚓出
└ 末候:竹笋生