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二十四の季節 ~うつろひ~  作者: こまくさ
3/29

2/19[春:正月中気] 雨水

 「あれ? 今日は雨か…… 」


 一昨日には積もるほどの雪が降ったというのに、

寒さもピークを越えたのか、朝からみぞれ交じりの雨模様だ。


 雪なら、フードをかぶれば傘を差すことはなかったんだが、

雨となるとそういう訳にはいかない。

 雲行きからして止む気配はなく、すぐ雪に変わるとも思えない。

 

 (傘は邪魔になるからなぁ…)


 鬱陶しく思いながら、ドアの脇に立てかけてあった傘を手に取る。


 「――ほこりまみれだ…」


 もう2ヵ月も使ってなかった。

 自分の紺色の傘と、もう一つの赤い傘と。

 

 


 雨が降ると積もった雪が融け始める。


 雪の下のその下の、土の中で眠っていた野の草花がもうすぐ芽吹く。

 フクジュソウ、カタクリ、オオイヌノフグリ、…

 ――モノクロの世界を、いち早く彩る 


 ふきのとう、こごみ、つくし、…

 ――ほろ苦い春の味覚、大人の味


 雪解け水が野山を潤し、新たな恵みの源となる。

 大地が次の季節に向かって動き出す。



 雨は心に積もった想いも、洗い流してくれる。

 

=================================

 ♪冷たい雨(荒井由実)

 彼の部屋を飛び出した彼女と、

 彼女の隙間を別の娘で埋めた彼。

 雨の中、彼女の選択肢は「戻る」ことだけ。

 対して、彼が選んだ道は…。

 心に冷たい雨が降り続く中、彼女はまた歩き出す。

=================================


 雨水

  ├ 太陽黄経:330°

  ├ グレゴリオ暦:2月18-19日

  └ 七十二候

     ├ 初候:土脉潤起つちのしょううるおいおこる

     ├ 次候:霞始靆かすみはじめてたなびく

     └ 末候:草木萌動そうもくめばえいずる


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