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二十四の季節 ~うつろひ~  作者: こまくさ
24/29

11/7[冬:十月節気] 立冬

 残暑から解放されたのも束の間、短い秋はあっさりと通り過ぎて、暦は冬の訪れを告げる。

 この時期になると、風邪薬やスキンクリーム、お鍋やシチューといったテレビCMが増えてくるし、コンビニのレジ横には肉まんとおでんが並ぶ。


 口元で手を合わせて息を吹きかける。レジ袋を持つ手が冷たい。

 昼間は小春日和で温かかったが、陽が落ちると途端に寒さが勝るようになる。夕暮れのもの寂しさも手伝って体の芯まで冷たくなっているように感じる。


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 そんなわけで、今日はおでんを作ろうと、仕事帰りにスーパーに立ち寄りました。

 ちくわやごぼう天などの練り物に、厚揚げ。 こんにゃくは糸こんにゃくを結んだものをチョイス。

出汁は濃縮つゆでオーケーにしましょう。そうそう、辛子が残り少なかったはずです。

 レジを済ませてから、エコバッグがないことに気付きました。失敗、失敗。

 清算済みの買い物カゴを売り場に持ち込むのはさすがに躊躇われたので、仕方なくカゴを作荷台に置いたまま、レジ袋だけのために列に戻りました。

 

 「あ、レジ袋でしたら、あちらのサービスカウンターでもお求めいただけますよ」

 「え、あ…――そうだったんですね。次からそうします……」 


 レジの担当者が、入口付近を指さして申し訳なさそうに案内してくれました。

 そりゃそうです。何のためのサービスカウンターなんだって話です。

 この時間だからお客さんもまばらで、レジも作荷台も空いているけど、夕方前だとカゴをほっぽらかしてレジに並び直すなんて迷惑千万、おばさまたちの罵声を浴びること間違いなしの大顰蹙です。


 レジ袋を提げて、マンションとは反対方向に歩き出す。イマココって感じですね。

 なぜ反対方向かって?

 お買い物のリストを見て気付きませんでしたか?

 大根ですよ、ダ・イ・コ・ン。

 おでんの必須アイテムです、大根がなかったら始まりません。

 その大根をどうしてスーパーで買わなかったかっていうと、大根はなかなか出汁が浸みません。きちんと作るなら、前日から。普通に作るにしてもお昼前から煮込みたいですよね。

 だから、大根だけはコンビニおでんを買います。コンビニおでんの大根は十分に味が浸みていて、ちゃちゃっと作るときには重宝するんです。



 (――部屋についたら、着替えとメイク落としの前に、鍋に濃縮つゆと具材を適当に放り込んで、部屋着になって、くつろぎ気分になったところで、とっておきの純米酒を………!!!…)


 コンビニのレジの横で、幸せな妄想が打ち砕かれる事実を前に愕然としています。 

 コンビニのおでん。大根が品切れです!

  

 

 寒くなると、おでんを食べたくなるのは、みんな同じなんですね。

  

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 ♪秋の一日(下成佐登子)

 ポプコン九州大会のグランプリ曲で、下成佐登子のデビュー曲。

 1978年のリリースだが、初めて聞いたのは1980年。

 大学の先輩が歌っていたので、オリジナルを聞いたのはさらにその1年後。

 今となっては「昭和」を感じる詞。そこに詠われているのも昭和の恋愛。

 現代の若者は、こんなに切ない心境を感じ取れるのだろうか。

 高校2年生の下成佐登子はこんな感情を抱いたのだろうか。

 とても創作できる感情ではないと思えるリアリティがあり、重い。

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 立冬 (四立の一つ)

  ├ 太陽黄経:225°

  ├ グレゴリオ暦:11月7-8日

  └ 七十二候

     ├ 初候:山茶始開つばきはじめてひらく

     ├ 次候:地始凍ちはじめてこおる

     └ 末候:金盞香きんせんかさく


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