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二十四の季節 ~うつろひ~  作者: こまくさ
14/29

7/2[雑気] 半夏生

 関西では半夏生に蛸を食べる風習があるそうだが、大阪出身なのにこの時期に蛸を食べたことがない。

 そもそも半夏生がどういう節気あるいは雑気なのか、長い間知らずに過ごしていた。


 今から10年ほど前になるだろうか。当時家内は高校の同窓会がらみで、全く興味がなかった俳句会に参加していた。6月の句会を終えて帰宅するや否や、次回のテーマに『半夏生』が選ばれたといって、私に困った顔を向けた。私も家内も半夏生について造詣がなかったことから、二人であれこれと調べでわかったことの一つが、蛸だった。


 そもそも節気雑気は農耕の目安となる暦という性質が強い。

 田植えを終わらせる目安が半夏生ということなのだが、蛸はというと、蛸の足のように根を張って丈夫に育つように願いを込めることらしい。まあ、蛸との結びつきはこじつけのような気がする。


 夏の土用の鰻も、春の節分の恵方巻も、ひいてはバレンタインデーのチョコレートも、それぞれの売上向上を謀った企業の思惑が習慣化したものだという。

 夏に向かう蒸し暑い時期に、売れ行きが低迷期に入ったたこ焼き屋の計略に違いない。


 半夏生を過ぎると、梅雨明けも近い。一気に暑くなる。




 銀色夏生。

 半夏生の字面を見て、連想した人物。

 詩人、作詞家、写真家、随筆家…… 様々な肩書を持つマルチ作家だ。


 私が銀色夏生を知ったのは、彼女が作詞した『そして僕は途方に暮れる』だ。

 昭和59年に大沢誉志幸が作曲し、自ら歌った曲だが、大沢自身のバージョンも数種類ある上に、実に多くのアーティストがカバーし、名曲の仲間入りを果たしている。

 

 大型書店の棚に彼女の名前を見つけたときに、思わず手に取った。モノクロ、否セピアに近い色調の写真に添えられた詩。悲しさとも、切なさとも違う。力強くもあり、包み込まれるような優しさもある。複雑な感性は純粋さの表れで、不純な私には到底たどり着けない境地だと感じた。


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 ♪そして僕は途方に暮れる(大沢誉志幸)

 新しい彼の元に向かう彼女は、服も髪も変えた。

 これまでの日々が僕の思考を占領する。

 もうすぐ降り出す雨が、転機だと知らせる。

 彼女の今後を思い、彼女のいない現実を思い、

 僕は途方に暮れる。

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