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二十四の季節 ~うつろひ~  作者: こまくさ
11/29

6/6[夏:五月節気] 芒種

 緊急事態の放送があって、僕らは避難脱出艇に乗り込んだ。


 脱出艇は定員分が確保されていて、乗り損ねることはなかったが、先を争うように脱出艇に向かう人々に圧倒され、我々は最後の1艇に乗り込んだ。

 そして、我々の艇が離艦して間もなく母船が爆発し、その爆圧に煽られた脱出艇は帰還軌道を脱して宇宙空間を彷徨う(さまよう)こととなった。 


 何日かの彷徨(ほうこう)ののちにたどり着いたのがこの星だ。

 コスモ・ポジショニング・システム(CPS)を使ってもこの星がどの銀河の、どの太陽系に属するのかわからない。どうやら、未開拓エリアの天体のようだ。


 幸いにも大気の成分は第三惑星(ちきゅう)とほぼ同じ。やや二酸化炭素の割合が大きく、そのせいか、気温はやや高めだが大きな問題ではない。大気には水蒸気も含まれている。

 つまり、第三惑星と同じように不安なく避難生活ができるということだ。



 不時着して1週間。ストラトスフィアバルーンによる観測が進んだことで、この星の概要が見えてきた。

 どうやらこの星は,とある太陽系の巨大惑星の衛星の一つのようだ。太陽から届くエネルギーは少ないものの、日照時間が長いことと、適度な地熱によって、この星の気候は穏やかに安定している。少し離れた高地の頂には雪が積もり、雪解け水は川となって流れている。

 見たこともない動植物を確認した。当然ながら進化の流れが第三惑星とは異なるのだろう。


 不時着から3週間。未だ母船とは連絡がつくことはなく、救助がくるかどうかもわからない。

 避難脱出艇には定員30人が約300日生き延びられる食糧と飲料が備えられているが、避難生活の長期化を見越さなければならない状況といえる。

 もしかすると、救助が来るまでに1年、2年、いや、10年、20年かかるかもしれない。

 この星の動植物を食用にするにしても、安定した食糧計画も必要になる。


 

 観測によると、この星のこの地域はこれから“夏”に向かうようだ。


 僕たちは土地を耕し、食糧として搭載されていた麦の種子を蒔いた。

 

 

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 ♪風の篝火 (さだまさし)

 美しくも儚いものに惹かれる人は多い。

 桜の花然り、花火然り。そして、蛍もまた然り。

 その蛍の儚さに、失恋の儚さが重なり綴られる。

 夜空の天の川と地上の蛍の対比。

 蛍が舞うさまを表現するいくつもの言葉。

 「降りしきる雪」「風祭り」

 そして「風の篝火」

 長野県辰野町が舞台のストーリーです。

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 芒種

  ├ 太陽黄経:75°

  ├ グレゴリオ暦:6月5-6日

  └ 七十二候

     ├ 初候:螳螂生かまきりしょうず

     ├ 次候:腐草為蛍くされたるくさほたるとなる

     └ 末候:梅子黄うめのみきばむ


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