6/6[夏:五月節気] 芒種
緊急事態の放送があって、僕らは避難脱出艇に乗り込んだ。
脱出艇は定員分が確保されていて、乗り損ねることはなかったが、先を争うように脱出艇に向かう人々に圧倒され、我々は最後の1艇に乗り込んだ。
そして、我々の艇が離艦して間もなく母船が爆発し、その爆圧に煽られた脱出艇は帰還軌道を脱して宇宙空間を彷徨うこととなった。
何日かの彷徨ののちにたどり着いたのがこの星だ。
コスモ・ポジショニング・システム(CPS)を使ってもこの星がどの銀河の、どの太陽系に属するのかわからない。どうやら、未開拓エリアの天体のようだ。
幸いにも大気の成分は第三惑星とほぼ同じ。やや二酸化炭素の割合が大きく、そのせいか、気温はやや高めだが大きな問題ではない。大気には水蒸気も含まれている。
つまり、第三惑星と同じように不安なく避難生活ができるということだ。
不時着して1週間。ストラトスフィアバルーンによる観測が進んだことで、この星の概要が見えてきた。
どうやらこの星は,とある太陽系の巨大惑星の衛星の一つのようだ。太陽から届くエネルギーは少ないものの、日照時間が長いことと、適度な地熱によって、この星の気候は穏やかに安定している。少し離れた高地の頂には雪が積もり、雪解け水は川となって流れている。
見たこともない動植物を確認した。当然ながら進化の流れが第三惑星とは異なるのだろう。
不時着から3週間。未だ母船とは連絡がつくことはなく、救助がくるかどうかもわからない。
避難脱出艇には定員30人が約300日生き延びられる食糧と飲料が備えられているが、避難生活の長期化を見越さなければならない状況といえる。
もしかすると、救助が来るまでに1年、2年、いや、10年、20年かかるかもしれない。
この星の動植物を食用にするにしても、安定した食糧計画も必要になる。
観測によると、この星のこの地域はこれから“夏”に向かうようだ。
僕たちは土地を耕し、食糧として搭載されていた麦の種子を蒔いた。
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♪風の篝火 (さだまさし)
美しくも儚いものに惹かれる人は多い。
桜の花然り、花火然り。そして、蛍もまた然り。
その蛍の儚さに、失恋の儚さが重なり綴られる。
夜空の天の川と地上の蛍の対比。
蛍が舞うさまを表現するいくつもの言葉。
「降りしきる雪」「風祭り」
そして「風の篝火」
長野県辰野町が舞台のストーリーです。
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芒種
├ 太陽黄経:75°
├ グレゴリオ暦:6月5-6日
└ 七十二候
├ 初候:螳螂生
├ 次候:腐草為蛍
└ 末候:梅子黄




