5/21[夏:四月中気] 小満
ああ忙しい、忙しい。
もうすぐ子どもが生まれる。
チャービルが卵を温め始めて20回目の朝が来た。
チャービルが最初の卵を産んでから、朝がくるたびに1つずつ。チャービルが産んだ卵は9つになった。
5月に入るとチャービルは卵を温めるのに専念し、食事の世話は僕の役目だ,
今年は暑すぎず寒すぎず、雨も少なくて、ムシも多いから食べ物集めに苦労はないはずだった。
ところが、近くに新しく3組のカップルが引っ越してきたから、ムシの取り合いになっている。みんな必死だ。
生まれてくる子どものためにも、ムシがいっぱい集まっている木を見つけておかなければ。
今はチャービルの世話だけだ。チャービルはなんでも食べてくれるが、子どもが生まれたらそうはいかない。
生まれてきた子どもの成長に合わせて、捕まえるムシの大きさを変えなければならない。
子どもが卵から出てくるのが早すぎるとムシがいないし、出てくるのが遅いとムシの方が先に大きくなってしまって、生まれたばかりの小さな口に収まる小さなムシがいなくなる。
どっちにしても、ご近所の仲間とムシの取り合いになってしまう。
子どもたちが生まれてくるまでには夜を20回は越えなければならない。どんなに工夫を凝らしてみても、夜の数は多くも、少なくもならないようだ。
今朝、いくつかの卵の中から「コンコンコン」と合図があったとチャービルが言った。
僕もちょっと一安心。
卵の中の子どもたちは順調に育ってくれたようだ。
9つの子どもが揃ったら、大忙しになるんだろうな。
もうちょっとだ。もうすぐ子どもたちが生まれる。
僕らシジュウカラ族の未来を担う子供たちが。
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♪私の子どもたちへ(笠木透)
昭和の時代。
自然が壊されるという警告はあったが、
状況は現在よりも希望があった。
里山が残り、山河の傍に人の営みがあった。
これを歌った「私たち」の子どもたちも
自然を大切にしてくれるだろうか。
鳥も魚も子どもたちも、
そしてそのまた子どもたちも
あり続けてほしいと思う。
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小満
├ 太陽黄経:60°
├ グレゴリオ暦:5月21-22日
└ 七十二候
├ 初候:蚕起食桑
├ 次候:紅花栄
└ 末候:麦秋至




