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二十四の季節 ~うつろひ~  作者: こまくさ
10/29

5/21[夏:四月中気] 小満

 ああ忙しい、忙しい。

 もうすぐ子どもが生まれる。

 チャービルが卵を温め始めて20回目の朝が来た。



 チャービルが最初の卵を産んでから、朝がくるたびに1つずつ。チャービルが産んだ卵は9つになった。

 5月に入るとチャービルは卵を温めるのに専念し、食事の世話は僕の役目だ,

 今年は暑すぎず寒すぎず、雨も少なくて、ムシも多いから食べ物集めに苦労はないはずだった。

 ところが、近くに新しく3組のカップルが引っ越してきたから、ムシの取り合いになっている。みんな必死だ。

 生まれてくる子どものためにも、ムシがいっぱい集まっている木を見つけておかなければ。


 今はチャービルの世話だけだ。チャービルはなんでも食べてくれるが、子どもが生まれたらそうはいかない。

 生まれてきた子どもの成長に合わせて、捕まえるムシの大きさを変えなければならない。

 子どもが卵から出てくるのが早すぎるとムシがいないし、出てくるのが遅いとムシの方が先に大きくなってしまって、生まれたばかりの小さな口に収まる小さなムシがいなくなる。

 どっちにしても、ご近所の仲間とムシの取り合いになってしまう。


 子どもたちが生まれてくるまでには夜を20回は越えなければならない。どんなに工夫を凝らしてみても、夜の数は多くも、少なくもならないようだ。

 

 

 今朝、いくつかの卵の中から「コンコンコン」と合図があったとチャービルが言った。

 僕もちょっと一安心。

 卵の中の子どもたちは順調に育ってくれたようだ。

 9つの子どもが揃ったら、大忙しになるんだろうな。



 もうちょっとだ。もうすぐ子どもたちが生まれる。

 僕らシジュウカラ族の未来を担う子供たちが。

 

  

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 ♪私の子どもたちへ(笠木透)

 昭和の時代。

 自然が壊されるという警告はあったが、

 状況は現在よりも希望があった。

 里山が残り、山河の傍に人の営みがあった。

 これを歌った「私たち」の子どもたちも

 自然を大切にしてくれるだろうか。

 鳥も魚も子どもたちも、

 そしてそのまた子どもたちも

 あり続けてほしいと思う。

=================================


 小満

  ├ 太陽黄経:60°

  ├ グレゴリオ暦:5月21-22日

  └ 七十二候

     ├ 初候:蚕起食桑かいこおきてくわをはむ

     ├ 次候:紅花栄べにばなさかう

     └ 末候:麦秋至むぎのときいたる


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