夏、共に青天を見上げる
晴れ渡る空、輝く太陽、揺れる水面。火照った身体に冷たい水が触れるととても心地が良い。
「冷たくて、気持ちいいね」
「夏はこうじゃないとなー」
ぷかぷかと浮き輪に乗ってゆったりとしてる彼女に同意する。
「なんだか、おっさんみたいだよ?」
「しょうがないだろ、こんな熱いのに外出てたらこうなるよ」
普段はあまり外に出る方じゃないからか暑さの耐性が低い、正直もう結構疲れている。
「ふふっ、そう言っても誘ったら来てくれるんだから優しいね」
「まあ、暇だったし」
海に行こうと女子に誘われたら行かないと言わない男はそうはいないだろう、それに彼女の水着姿をみたいという邪な感情があるのも確か。
「うんうん、そうだね。でもさ、来てよかったでしょ?」
「まあ、ね」
いたずらっぽい彼女の顔に肩をすくめながら、ゆったりとした時間が流れていく。
「ねえ、海から上がったらアイス食べよう?」
「いいじゃん、そうしようか」
「よし、それなら岸まで競争! 負けた方がアイスおごりね」
「っておいそういって先に行くなよ!? ずるいって」
結局アイスはこっちがおごることになり、彼女はご満悦でパクパクと美味しそうに食べている。
「こんなに良い天気に海に来れて良かったね」
「・・・そうだな」
太陽の光に目を細めながら、どこまでも澄み渡るような青い空を二人で見上げた。