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君に出会えたこと

作者: 桜羽
掲載日:2009/08/13


“君がいることの全て”

を読んでいないと

たぶんなんとなく意味がわからないと思います。


少しでも“君がいることの全て”目に通してくれれば幸いです。





「桜羽。帰ろう?」



愛しい声が私の名前を呼んだ。


「な、那音…待ってて」


あの日からもう4年がたった。


私たちは高校三年生だ。




健太はあのあと、早めに転校してしまった。

私に最後に涙を見せながら、“大好きだ”って言って…。




その健太を見て、私も思わず涙を流してしまった。



今は全然連絡をとっていない。


きっと私なんかよりもいい人と出会っているはずだ。



「那音、いこっ」




私と那音は

同じ高校に入って、毎日一緒に帰っている。


相変わらず方向は違うけど、那音は送ってくれた。




そして


「…もうすぐ卒業か」


「そうだね…」



もう、卒業の時期だった。


「桜羽は、卒業したらどうすんの?」



「んー…短大…かな」



「………そかぁ」



まだハッキリ決まったわけじゃない。


だけど、まだやりたいこととか見つからないし、ゆっくり探したいから…。



「那音は?」



「俺?就職しちゃう」



――……就職っ?!



初耳だった。


「…な…なんで?!」


大学行くって、高校一年のときに言ってたのに。



「なんでだと思う?」




那音はにこっと笑って私に問いかけてきた。



な、なんでって言われても。


わかんないよ……。



「わかんない…」




「…やっぱりな」


「…お、教えてよ!!」


教えてくれる気配がない那音。


そんな那音に私はぷくっと頬を膨らませた。



「卒業式に教えてやるよ♪」



そう言って那音は私の頭にポンと手を乗せた。



「…わかったあ」



「よしよし♪いい子」




子供扱いしすぎっ。



私は深く考えず、卒業を待つことにした。






◇    ◆    ◇



「っうー…光奈ぁ…りっちゃんっ……瑠架ぁ」



私は涙でボロボロだった。


光奈たちも同じ高校。



残念ながら麻樹は違う高校だ。



今日、



私たちは卒業した。



「桜羽泣きすぎだからぁ。うちらまで……」


光奈が私を見て涙を流した。


いっぱいいっぱい

一緒にいた友達。

大好きだよ。光奈。瑠架。りっちゃん。




「りっちゃん…。私に一番最初に声かけてくれてありがとうっ……」


ずっとずっと恥ずかしくて言えなかった。


りっちゃんへの感謝の言葉。



「…うん。桜羽といれて楽しかったよ♪幸せにねっ」



りっちゃんは私に涙を見せた。



「……っう〜」



卒業、したくないよ。


離れたくないよ。



「おーい。集合写真だって!!集まれー!!」


那音が私たちを呼んだ。


しかし、瑠架とりっちゃんは違うクラスだ。


「じゃぁうちら行くね」


「うん」




そう言って、ふたりは教室に戻っていった。




「桜羽、俺の隣」


そう言って那音は私の肩を引き寄せた。


「っ……」


かぁぁと顔が熱くなる。


「撮るぞー!!」


担任が声をかけた。



「3年2組ーっ?」






「「大好きーっ!!!!」」








◇    ◆    ◇


「いい加減泣き止め」


「っ…う〜…だって」



那音が私の背中をさする。



「桜羽、中学いこっ」


「……へっ!?」



いきなり那音に手を引っ張られ、中学に向かった。



な、なんで中学校?





疑問を抱きながらも


私は那音にひたすらついていった。






「おー懐かしい!!」



「だねー」



久しぶりに見た中学校はなんだかとても懐かしかった。



学校の、におい。





ていうか



勝手に侵入したけど、大丈夫かな…。


大丈夫ではないか。




「さーわ♪23R行こ」


「ん、」



―――2年3組は昔と変わらなかった。



「ここだよな…最初の席」


那音が懐かしそうに一番最初に座っていた席に座った。



私は、その隣だった。




ここで、那音に出会った。

そして恋に落ちた。


付き合って、別れて。

苦しくて、切なくて。


だけどその分、今がとても幸せなんだ。


ここに転校してきて良かったよ。


那音に出会えた。


これは、偶然なのかな?

それとも


運命なのかな?




「…桜羽?」




「………あ…、」



私の瞳からは知らず知らずに涙がでていた。



「…どした?」


那音はいつもと変わらない笑顔で私に問いかけた。



「っ…ありがとう」



「…え?」



「私と出会ってくれて、本当にありがとう……」




本当はね?

“ありがとう”

なんて言葉じゃ足りないの。


言い表せない。





こんなに人を好きにならせてくれて


ありがとう……。




「俺こそありがとう…」


「っ…うん…」



「……ねぇ桜羽」


那音は席を立って、私の前に立った。



「俺が就職する理由はね、桜羽のためなんだ」



そう言って私を抱きしめた。



「…な…なんでっ?」



私のため?




「桜羽が短大卒業したら…一緒に暮らしたいの」



「……ぇ…?」



一緒に、暮らす…?



暮らすって……。


ねぇ那音、それって…。




那音は私をまっすぐに見つめた。







「俺と結婚して下さい」








那音はそう言うと、真っ赤な顔で私を見た。



就職の理由…。


私のためだったんだね。



那音…ありがとう…。




「へ、返事…は?」



不安げに私を見た那音。



もちろん、




「ッ…はいっ…」





那音。


那音。


好き。好き。大好き。



私は“好き”に溺れてしまいそうだよ。



私はまた涙を流し始めた。



「おい、泣くなっ」



「だっ…っ…だって〜」


「ほらっ、手」





那音は私の手をとると、左手の薬指にキレイな指輪をはめた。



「…っうぇ〜…ありがとおー……」




私は余計に泣きじゃくった。


指にすっぽり収まった指輪。


なんでサイズ知ってるの?



「全然…安いんだけどな。桜羽が…短大卒業したら、桜羽の両親にあいさつしにいく。ちゃんとした指輪、渡すから」




那音は照れたような顔で、私をまっすぐ見て言った。



「…う…んっ」













夕焼け色に染まる、教室。


私たちが出会ったこの教室で


那音は私の唇にキスをおとした。



そして


初めての言葉を私にくれた。




「……愛してる」






……てことで!!



結婚

おめでとうございます!!

←まだしてないけど…。


続編まで目を通してくれた方、ありがとうございました。(o^∀^o)



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