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outlaws weapon  作者: 上平 五平
奥多摩廃工場殺人事件
6/9

1-6

お久しぶりです。

上平です。

本当にお久しぶりです。

これは失踪と言われますね・・・・・。

続きがきになっていた方には申し訳ございません。


それでは第6話です。

どうぞ・・・・

 二千二十×年 四月十日六時五分

  東京都奥多摩町 某所


 東京都奥多摩町の廃工場で行った事件から二日がたった。

 警視庁も都内での巡回を増やしており、犯人逮捕に向けて厳戒体制を敷いていた。

 交番勤務にしている日村巡査長は、通報があったので、現場へと向かっていた。

 事件があった廃工場付近には民家等は少なく、今回通報があったのも建材会社の資材置き場からだった。

 「ったく。朝っぱらから違法駐車の取り締まり何てなぁ」

 と文句を言っていると現場に到着した。

 日村は車から降りると既に一台のトラックに座っている男が手を振って合図する。

 「お巡りさんこっちこっち。朝早くからすいません」

 「あなたが通報者の牧さん?」

 「あぁ、そうだよ。それじゃあ車が止まってる所まで案内するわ」

 牧村は違法駐車しているだろう車の方へ歩き出す。それに日村は着いていく。

 「結構多いんですか? 敷地内に勝手に入ってくる車とか」

 「あぁ、最近は少なかったんだが、悪ガキ共が肝試しだ何だとか言ってな。勝手に入ってくる奴とかが多くてな。でも、最近は入口に監視カメラ型のライトを取り付けたりしてな。悪さは減ってきたんだが、今日息子とここにきたら奥に一台軽自動車が止まってんだよ。まったく廃工場での事件もあったってのに、不謹慎な奴もいるもんだな」

 そう言っていると止まっている車が視界に入ってきた。

 車にすぐそばには牧の息子であろう人物が違法駐車の車両を眺めていた。

 「おう、車の持ち主はいたか?」

 「親父! この車多分違法駐車じゃないよ?」

 「どうしてそう思うんですか?」

 牧の息子に対し、日村は尋ねる。

 「いやね、よく見るとうちに出入りしてる不動会社に勤めてる人の車に似てんなと思ったんだけど、やっぱりその人の車だった」

 「誰の車か知ってるのかお前?」

 「えっと、最近うちの事務所に来てた人だよ。確か・・・・。そうだ! 山代さんだ。商業施設作るとか言ってたデベロッパーの人」

 「あぁ、あの薄気味悪い奴か」

 牧親子が違法駐車の車の持ち主が検討を付けると日村は二人に尋ねる。

 「その山代さんって人と打ち合わせでもする予定でも入っていたんですか?」

 「特にそんな予定は入ってなかったな。先日会って話したが、また必要になれば連絡するって言ってたし」

 「そういえば親父、名刺貰ってたよな?」

 息子に促され、名刺入れを確認すると山代の名刺が出てきた。そこには携帯番号も記載しており、そこに電話をかけてみる事にした。

 電話をかけ始めて数秒後、どこからか着信音が聞こえる。三人は顔を見合わせ、互いの携帯に電話がかかってきていない事を確認する。

 着信音がなっている林の方を覗くと、着信音の元になっているであろうスマートフォンが落ちていた。

 携帯番号を確認すると、それは牧の携帯電話からである事が分かった。

 「あれ? すると山代って人はここで携帯落としたって事なのか?」

 日村は林を見回してみると、木の陰から怪しい影が見える。

 近づいてみると、スーツ姿の男性が木に横たわり座っていた。

 牧親子も駆け寄ってきて、山代である事を確認した。

 「山代さん、起きて下さい。牧さんの敷地でなに寝てるんですか?」

 日村が山代の肩を揺らし起こそうとする。

 しかし応答は無く、日村のいる方向に山代の体が倒れる。すると山代は目を開けたまま、頭から血を流していた。

 「し、死んでる⁉」

 牧親子は山代の変わり果てた姿に驚き、腰を抜かしてしまった。

 日村も状況を飲み込めず、声を上ずりながら、無線で交番番号を伝え、連絡を行う。

 「つ、通報先の資材置場で遺体発見。繰り返す、通報先の資材置場で遺体発見。至急応援求む。住所は—---」


 

 二千二十×年 四月十日 十ニ時四五分

  東京都八王子市 私立星斗高校


 巧介は昼食終後、屋上の柵に背中を預け、スマートフォンで廃工場での札事件関連のニュースは無いか調べていた。

 事件解決に関する情報はまだ上がってきていなかったが、気になるニュースが飛び込んできていた。

 それは事件があった廃工場近くの資材置場で男性の遺体が発見されたのだ。

 被害者は、都内勤務の大手不動産デベロッパーの社員だ。

 「七日は一気に三人。そして今日は一人。ましてや他殺で無く、自殺の可能性大か・・・・」

 巧介は考えた。今回の事案では犯人のプロファイル担当を任せられている事もあるが、巧介個人としても犯人像が気になったからだ。

 (今回の犯行は快楽的な意図は無い。それにプロの仕事じゃない。それならその辺で起こる様な事件に偽装、それこそ失踪に見せかけて殺す事も出来る。そう考えると明らかに素人の犯行。手口から見て快楽殺人の類でなく、己の利得や保身を守るためか・・・・)

昨日から考えている犯人像や考えられる動機を振り返り、空を見上げる。

空には日が昇り、風の吹く方向に雲も流れている。こんな日は日向ぼっこや昼寝には最適だが、巧介は事件の事に取り掛かりたく、うずうずしていた。生憎授業はまだ続く。サボったとっしても、それが明るみになると五十幡たちに大目玉を食らうからだ。

「つまんねぇな・・・・」 

「何がつまんないって?」

 ぼやく巧介に一人の男が尋ねる。声の主にめをやると二人の男が駆け寄ってくる。

 「弥生(やよい)(だい)。何しに来たんだ?」

 「何しにって言われてもお前を探しがてら、逃げて来た」

 「逃げてきた? あぁ、さて高等部から編入してきた連中だな。うちは中等部からのエスカレーター式で上がってくる連中は少ないからな。それに—----」

 「それに大は将来サッカー日本代表候補、俺は水泳でそこそこ結果出してるから物珍しいんだろう」

 ため息をつきながら、前田(まえだ)弥生(やよい)は言った。

 「人気者は大変だな。まぁ、そんな二人に俺なんかが声かけてもらってる何て幸せだな」

 「巧介。俺なんかが何て言うなよ。俺たちにとってお前は恩人何だよ。だからそんな—----」

 巧介の言葉に食い気味に弥生は答える。その様子に巧介は疑問を感じ、浅間(あさま)(だい)に尋ねる。

 「弥生の奴、何かあったの?」

 「そうなんだよ。さっき編入組に俺たちが囲まれて質問攻め食らってたんだけどよ。そん時に俺たちといつもつるんでる巧介はの何者かって聞いた女がいてさ。俺たちみたいなスポーツマンやタレントとかではないけど、優秀な奴だって事言ったらその女がお前の事それだけの奴かって事言ってさ。それが気に食わなかったのかさっきからあの感じよ」

 (あぁ・・・・そういう事か)

 巧介は弥生が機嫌が悪い理由に察しが付いた。

 星斗高校は、将来有望なアスリート選手やタレント、文化人などが集まる高校だ。

 中でも中等部以前から所属する者は幼い頃から才能を持ち、期待を寄せられてきた者たちだ。実際に前田弥生は日本水泳界のプリンスと呼ばれ、次期日本代表候補と言われている。浅間大もプロサッカーで常勝チームと呼ばれ東京シティのユースに所属している。

 この二人以外にも様々な分野で若手のホープたちが所属しており、そんな彼らを目指し、憧れ、追い越したいなどの気持ちを持ち、同世代の学生たちが星斗学園高等部に集まる。        

 ただ、そんな星斗学園内でもカリスマやそれを追いかける者たち以外にもインテリ組と言われる者たちがいる。インテリ組とは華やかなカリスマたちとは違い一芸に秀でる者ではないが、学問の面で優秀なものたちである。中等部・高等部の中でも人数は少ないが、三年間優秀な成績を維持する事や特に大きな問題等を起こさない限りは、皆有名大学の推薦を得て、進学する。大学進学後も有名起業や省庁などで働く者たちが多い。

 巧介は一応、星斗高校ではインテリ組と呼ばれる部類だ。しかし、巧介は、インテリ組の中でも異色の存在で、中等部の途中から転入してきた人間だ。星斗学園内では、挫折などの理由で学園を出る者はいるが、途中編入は前例が少ない。そのため、巧介はカリスマたちや既存のインテリ組から見ても異常に見られる。

 さらにカリスマを追いかけてきた者たちからインテリ組を見れば、つまらない人間と認識されるのだ。

そのため、巧介への風当たりは強い。

 だが、そんな中でも弥生と大は友人として巧介を慕っている。だからこそ弥生は友人が

貶される事は良く思わず教室を飛び出してきた。今頃弥生を怒らせた女子は何故彼の癇に障ったか必死で考えているだろう。

 「弥生、いちいちそんな事気にしてたら競技に支障きたすぞ。明鏡止水でいこうや」

 巧介は弥生を宥める。

 「けど。お前は—---」 

 「俺はいいんだよ。というかお前はこれから周りにとやかく言われる事も多くなってくるんだから、信じられる意見と自分の考え以外は受け流されるようにならないと」

 「・・・・そうだな」

 「巧介は相変わらず大人な対応だな。堅物の弥生を手懐けるんだから」

 「大、お前はもう少し周りを見た方がいいと思うよ」

 「ヒドッ⁉ さっきまでの弥生を優しく諭してた巧ちゃんはどこにいったの⁉」

 巧介の辛辣な言葉に大はおどけ、ボケる。

 「いや、お前のサッカーでのプレー事じゃないぞ。得点を取るFWでありながら、司令塔並みの視野の広さ、チームへの気配りは素晴らしいものだ。ただ・・・・ 」

 「ただ?」

 「教室で納豆食うのはどうかと思うぞ? 皆ドン引きしてるし」

 「そんな無慈悲な⁉」

 「あ、それは俺も同意だわ」

 「弥生もかよ⁉」

 「流石に匂い強い物を教室で食うって・・・・ スメハラどころかちょっとしたテロだな」

 「はぁ~ お前ら分かってないよ。いいか? 納豆っていうのは非常に栄養価が高い食べ物でな。何より米が美味しく食べれる・・・・」

 ((また、始まったよ・・・・))

 大恒例の納豆プレゼンが始まった所で巧介と弥生は屋上を離脱した。

 「ところでさっき見てたのって何かのニュースか? つまらないって言ってたの」

 「うん・・・・ まぁそんなとこ」

 「巧介は本当に高校生に見えないな。何か俺たちよりも行動が大人びてるというか」

 「何だよ。老けてるって言いたいの?」

 「いや、そんなじゃない。ただ、この年代で、増してやこんな学校で皆自分の好きな事、目標にしている事に打ち込んでいるのにお前は何か・・・・。遠くを見ているというか」

 「はは。遠くを見ているか・・・・。実際そうかもな」

 弥生の問いに巧介は微笑をしながら答えた。

 この時、弥生は巧介への違和感やを感じた。

 中等部時代から巧介からたまに感じる違和感があった。自分たちとは住む世界が違うような、何か危なさと脆さがあるような、そんな感じだ。

 「おぉぉい! 俺を置いてくな⁉」

 「「あ! 忘れてた」」



ちなみに7月10日が納豆の日だそうです。

皆さんはどんな納豆、食べ方が好きですか?

私は大粒が好きです(どうでもいいですね・・・・)


それではまた・・・・

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