1-3
どうも、上平です。
今回もあまり事件に進展は無いです・・・・
しかし、また新キャラの登場です!
それではどうぞ・・・・
二千二十×年 四月八日 十時三分
東京都青梅市 青梅警察署
現在、青梅署は慌ただしくなっていた。
昨夜の廃工場での殺人事件の影響で外にはマスコミ、警察署内は捜査本部設置により、署員が大慌てで対応に追われている。
操作会議が終わったのか、刑事たちが次々と青梅署を出て、覆面パトカーに乗り込んでいく。これから被害者について調査、聞き込みに行くんだろうと思い眺めていると一人の女性が近づいてくる。
「随分と遅い到着じゃない。紫電君?」
と少しトゲのある口調で、小山田瑠璃子が紫電正太郎に話しかける。
「しょうがないでしょ。さっき東京に戻ってきたばかりで事件だったんだから、少しは気使ってよ~」
「事件の早期解決には早急な対応が必要なの。今でも現場で刑事たちが汗水を流して手がかりを探しているのよ」
「へいへい」
と言いながら、正太郎は立ち上がり、瑠璃子に案内されながら会議室まで移動する。
「ったく、たまに説教臭い所が傷だよな。だから婚期がーーーー」
「何か言ったかしら?」
「何でもないです。警部殿」
相変わらず婚期の事を気にしているんだと思っていると会議室に到着した。
会議室に二人しかいない事を確認し、瑠璃子が鍵を閉め、机に捜査資料を並べながら事件の情報を説明していく。
「今回殺されてたのは、西浩二二十五歳・食品会社勤務、原田三汰二十五歳・介護施設勤務、山野史郎二十四歳・運送会社勤務。三人は幼馴染で同じ児童養護施設で育ってる。施設を出た後も三人は交流していて、仲が良かったみたい。皆職場での評価も高く真面目、恨まれるような事は無いって話ね」
「善良な若者ってわけか。でも、何でそんな連中が廃工場何ぞに行ったのかね?」
「そこが問題なのよ。真面目な人間が廃工場何かに入って肝試し何てする?」
「三人が誰かに呼び出せれた、もしくは呼び出したかだな。真っ当な人間だったとか言ってるけど、ここんとこ周りでトラブル抱えてたとかって無いの?」
「そこは捜査中。今、職場や育った施設とか調べてくるみたいだから、それの結果次第って所ね」
ため息をつきながら、瑠璃子は椅子に座る。
正太郎はそんな瑠璃子は見向きもせず、被害者の解剖記録を確認する。
「西と山野の死因は刺殺による出血性ショックなのは分かるんだけど、原田だけ銃殺ってのが腑に落ちないのよね。逃げようとしたから拳銃で仕留めたのかしら?」
「いや、犯人が暗器使いだと警察にけどられたく無かったんだろ。だから逃げようとした原田だけ銃殺した。暗器使いなら、肉体も強化されてて、チャカ何か使わなくともイチコロさ。そうすると相手は俺たちの存在を知っている賢い奴、こりゃあ車燃やした意味も何かあるな。」
「車だったら、この署の車庫にあるから見ていく?」
と瑠璃子が聞く。
「OK、そるする。それとこの後ユージが捜査現場見にいくみたいだからさ。瑠璃子ちゃん同行してあげてね」
「あんたね、私の事顎で使う気なの? ただでさえ、警視庁の事件に足突っ込んで、警察庁のエリートが手柄横取りする気だって、変な目で見られて気疲れしてるのに」
と涙目になりながら瑠璃子は愚痴をこぼす。
「瑠璃子ちゃんさっき言ってたでしょ。事件の早期解決には早急な対応ってさ」
と笑いながら正太郎は瑠璃子を拝む。
「わかったわよ。塚本君と一緒に事件現場言ってくればいいんでしょ」
「助かります。小山田警部」
瑠璃子はにらみ返すが、正太郎は背を向けて電話をかける。
「あ、土井さんお疲れ様。今事務所?」
と正太郎が会話を始める。
「分かった。詳細はこの後送るわ。それじゃあ、カベと巧介で暗器扱ってそうな連中にあたるよう伝えて。それじゃあ夕方事務所で」
電話を終えて、正太郎は立ち上がり、車庫へ移動しようと扉へ向かう。
「ちょっと待って。・・・・一つ聞いてもいい?」
「うん、どうしたの。もしかして愛の告白?」
とおどけながら正太郎は言う。
「何であの風見って子をチームに入れたの? ・・・・昔の自分と姿重ねたから?」
「うーん、そうだなぁ。あいつには暗器使いで生きていくって覚悟があったからかな。あいつもあの事件起こる前後で色々あったからそれも影響して腹決まってるとこはあったけどさ。それに・・・・」
「それに何なのよ?」
「目的を達した後のあいつがどうなるのかがな、予想がつかないし。自分で自分を滅ぼすような事だけはさせたくないから」
「・・・・本当にお人好しね」
「え、今部下思いの良い上司って言ってくれた?」
「心配症の馬鹿って言ったのよ。」
「うわぁ、傷付くわ~」
そんな事を言いながら二人は車庫へ向かった。
とうとう主人公たちのボス紫電正太郎の登場です。
振り回され役の小山田瑠璃子は胃薬が手放せなさそうですね・・・・
次回は巧介と草壁の捜査編の予定です
お楽しみに~