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どうも初投稿します、上平 五平と申します。
初投稿という事もあり、誤字脱字等もあるかと思いますが、
ご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願い致します。
では、どうぞ・・・・
二千二十×年 四月七日 二十三時十分
東京都奥多摩町 某所
西浩二は昔馴染み二人と一緒に工場跡地へ来ていた。別に肝試しをしようってわけじゃない。
ただ、自分たちが果たさなければならない目的のためにここへやってきた。
生まれ育ったあの場所、あの人たちを守るために。
「な、なぁ、浩二。本当に大丈夫なんだよな?本当にこれで奴らの計画を・・・・」
小心者の原田三汰は尋ねる。
「何を今頃ビビってんだよ三汰。何のために危ない橋を渡ったと思ってんだよ。これで先生やガキンチョたちを助けられんだろ。俺たちにワッパがかかろうと助かる奴らがいるから、いいじゃねえか」
三汰に対し、強気が取り柄の山野史郎は言葉を返す。
「そうだぞ、三汰。史郎の言うとおりだ。この取引が成功すれば、施設を救えるんだ。もし、相手がノーと言っても、これを世間に公表すれば、奴らもお終いだろ?」
と浩二が言った。
そう話していると一台の車が3人をヘッドライトで照らしながら近づいてくる。
「お、奴さんのお出ましだぞ」
と史郎が言いながら近づいてきた車に手を上げ、止まる様に指示を促す。
すると車は三人の前に近づき、停車する。するとエンジンをかけたまま、バケットハットにトレンチコートを身にまとった男が出てくる。
男は車の前に立ち、ヘッドライトの光で顔が良く見えない。
「よく来てくれたな。見たところ山代さんじゃないっぽいけど、代理の人?」
と史郎が尋ねる。
(山代よりも身長は高い。多分恰好を見ても男だよな。部下を何人か連れてきていた事があったが、あんな背丈の男なんていたか?)
と浩二は考える。
そんな考えをしていると史郎がおもむろに男に近づく。
「まぁ、山代さんじゃなくてもいいんだけどさ。アンタが交渉の出来る立場の人間って事でいいんだよな」
男も近付き、史郎の喉元近くに手のひらを向ける。するとグサッという鈍い音が聞こえた。
すると刃物が史郎を喉を貫通しており、刺された本人は声にもならない声で何かを叫んでいる。
「君の言う通り、私は交渉出来る人間かつ処分を任されている者だよ」
と男は言う。
「お、おい何してんだアンタ!」
と現状を読み込めない三汰が叫ぶ。
「い、今の声。まさかお前は・・・・!」
浩二も史郎が刺された事に驚いていた。
しかし、男の声が自分が良く知る人物だったという事に驚き、硬直した。
二千二十×年 四月七日 同時刻
東京都八王子市 五十幡商事
東京都八王子市に所在する五十幡商事のオフィスで風見巧介は、自席でスクリーンに映し出されている資料を読みふけっていた。夜も遅いという事もあり、オフィスは巧介のいる一角と他一部のみ明かりがともされている。
すると巧介のデスクに一人の男が近付き、声をかける。
「巧介、まだやってたのか」
ふと巧介が顔を上げると草壁俊太がいた。
「草壁さん、お疲れ様です。これから当直ですか」
と巧介が聞く。
「そうだ。てか、お前は今日のデータ化の仕事終わったんじゃなかったのか?」
と草壁が尋ねる。
「そうなんですけど、過去の事案の資料読んでたら止まらなくて」
と微笑んで草壁に言葉を返す。
「花の高校生がこんな物読んでほくそ笑んでるって、どうかしてるだろ・・・・。というか、そろそろ切り上げないといつの間にか朝になって、土井さんに大目玉食らうぞ」
草壁は呆れながら、ため息をついた。
「あれ、さっきニシムラで草壁さんと夕食を取ったのが、十九時半だったから・・・・ げえっ! もうこんな時間!」
と巧介は驚く。
「はぁ、お前って奴は・・・・お前は仕事が早くて目標よりも早く進捗してるんだから、資料の確認は明日にして、もう休めよ」
と草壁に促され、巧介はデスクの片付けを行う。片付けが終わり、デスクトップをシャットダウンすると立ち上がった。
「それでは草壁さん、お先に失礼します」
「あぁ、お休み」
草壁は、巧介がオフィスを出るのを見送ると、給湯室に向かい、コーヒーメーカーに入れてあったコーヒーの飲み、一息つく。
「あいつも俺も、暗器なんて無かったらどんな人生を送ってたんだろうな。俺は成り行きで暗器使いになったが、あいつは・・・・」
と独り言を漏らしながら胸ポケットに入ってる煙草を取り出し、一服を始めた。
ありがとうございました。
いかがでしょうか。
今後の更新予定は未定ですが、またお時間がある際はぜひご覧下さい。