小さな小さな 大冒険!96
思いのほか人気があった小説に驚き続編を開始させて頂きます。
当初は12月頃に続編を発表しようと思っていたのですが、少しでもご愛読いただいている皆様の事を考え、文字数は少ないですが、毎日更新する事に致しました。
どうぞ、引き続きご愛読いただきます様、宜しくお願い致します。
そして、何度も魔法を使っていた事で、知らない間に龍聖の精霊達のレベルが上がっていた事を知った。
龍徳の予想通り電磁力によって発生させた磁力を雪に流し反発させていた事と闇の中精霊だったダンゴが大精霊となった事で、重力系の魔法が使える様になり龍聖にとっては下っている感覚だったらしい。
起伏のある雪崩をスキー板ならともかくスノーシューズで滑るには無理があると思ったら氷の精霊であるゼリーが龍聖の足元の雪だけを常に平らにしていたらしい。
その為、起伏はあるが凸凹したような凹凸がある訳ではないので、転倒の心配がなく常に磁力の反発で浮いている状態なので、起伏の度に自然に体が持ち上がっていたようだ。
説明されて意味は理解できたが、これ程の魔力操作を、身体強化を使用し、結界を維持しながら状況の変わる雪崩の中、全ての精霊を複数同時発動させているのだから尋常ではない。
精霊の完全融合よりも難易度が高いであろう同時操作を笑いながら一瞬でやっている事を考えると龍聖の才能に恐ろしささえ感じてしまう。
以前から自分の息子の凄さを痛感してはいたが、子供は良くも悪くも無邪気だからこそ使い方を誤ればとんでもない事になってしまう。
簡単に言えば、ソンメルとの戦いで龍徳が使用した5属性複合魔法のビッグバンを4属性ではあるし、ドルオーラを使えないから威力は落ちるだろうが、簡単に連発できることを意味している。
4属性の複合魔法を魔法力の少ないランスで構築しても凄まじい爆発が起こった。
それを考えると今の龍聖は、それ以上の威力の魔法を一瞬で何発も放ててしまう事になる。
だからこそ、この旅で龍聖の育成に力を注ごうと龍徳は改めて決意したのだった。
そして、雪山で学ぶ事がなくなると次はサハラ砂漠を横断したのだった。
南北に1700㎞、長さ4800㎞の巨大な沙漠を普通の服装で散歩する様に横断していた。
流石に東西に向かっている訳ではないが、それでも約2000㎞もの距離を横断する事に変わりはない。
それを一日250㎞の距離を移動するのだから常識では考えられない速度だ。
やり方は雪山と同じ方法だが、流石に日数がかかるので、シッカリと休憩を取りながら旅を続けたのだった。
「部長・・・龍聖君が・・・ウィンドサーフィンやっています・・・」
「う~ん・・・水着に着替えているところが龍聖らしい・・・」
見ると海パンを吐いてサングラスをかけた龍聖が闇精霊のダンゴの魔法で作ったウィンドサーフィンで大きく蛇行しながら進んでいる。
沙漠を魔法で並みの様にくねらせながら、雷の精霊ソヨに後方から帆に風を送らせているようだ。
さらに雪山と同じく磁力を発生させて砂に接地してはいるが、限りなく浮かんでいる状態らしい。
「レイナ君!時間はかかるかも知れんが、俺達も龍聖の真似をするぞ!」
「わ・分かりました!」
そうは言っても凄まじい魔力操作を実行する為に自分の認識速度を上げなくては不可能な作業。
慣れている龍徳は兎も角、レイナは苦労したようだ。
「はぁはぁはぁ・・・こ・これはキツイ・・・」
漸く様にはなったものの使用時間僅か数分で、集中力が無くなってしまう。
「ふぅ~・・・だが、これは本当に理にかなっている練習方法だ・・・とは言っても・・・俺もキツイな・・・」
「龍聖君・・・マジもんの天才ですよぉ~! 何ですかぁ~!!あの無尽蔵の魔力はぁ~!! 集中している様に見えないんですけどぉ~!!」
レイナの使用時間に合わせて龍徳も立ち止まる中、龍聖だけは常に遊び続けている。
「龍聖~!!ちゃんと水分は取るんだぞぉ~!!」
「あい♪ セリー水分ちょうだ~い♪」
そう言って龍聖の口元に冷たい水が、現れるとそれを美味しそうに飲み干している。
「アハハ・・・次元が違い過ぎる・・・」
「う~む・・・普通の子供と違う反応・・・」
普通なら親に言われれば親の元にやって来て水分補給しに来るものなのだが、今や過酷な自然環境でさえ遊び場所となった龍聖にとっては家で遊んでいるのと何も変わらないのだ。
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