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小さな小さな 大冒険!!  作者: 神乃手龍
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小さな小さな 大冒険!90

■「そこにいる君に逢いたくて。」を新しくアップ致しましたので、宜しければご一読ください。

毎週水曜日と土曜日の朝7時に更新いたします

https://ncode.syosetu.com/n0341hc/




当然、骨だけであれば土の精霊であるグノムの方が圧倒的に回復が早い。

臓器の損傷を治せたとしてもすぐに熱量が回復する訳ではないので、新陳代謝を活性化させたり体力の回復などは火の精霊イフリートが最適だ。

痛みを一瞬で和らげたり、自己治癒能力の速度を上げるのであれば風の精霊シルフィードの方が優れている。


分かっているが、戦闘中に全精霊を同時に回復に当てるなど実際不可能に近い話だっただけなのだ。

だが、今回使用したのは4人の精霊による完全回復魔法・・・その効果は・・・」


「おお・・・お主・・・パーフェクトヒール迄使えたのか・・・」

ソーマが驚くのも当然であった。


そもそも龍徳達は4属性の精霊を当たり前の様に使役しているが本来、多くても3体なのだ。

さらに、精霊を1体顕在化させるだけでも莫大な魔力を消費する。

パーフェクトヒールとは精霊王クラスの4属性(必ず水もしくは氷属性を含む)を同時に顕在化させないと使用できない究極の回復魔法なのだ。


流石のソーマであっても生まれ出でてから見たのは数える位なものであった。

龍徳は気付いていなかったが、右足は千切れる寸前な程、折れ曲がり、左手に至っては肘から先が無い。

左足には様々なものが突き刺さっていて、右手の骨もあちこち砕けている。


口元からは乾いた血がこびり付き乾麺は火傷の後が痛々しかった。

その姿が時を戻したかのように僅か数行で元通りに戻って行く。

「す・すさまじい・・・グルル・・・戦闘力だけなら吾の方が上回ったと思ったが・・・こ奴め・・・」


この魔法は来ていた衣服でさえ完全に再生するようだ。

自分の身体が治った感触を確かめる様に龍徳が身体のあちこちを動かして・・・

「よし・・・問題なさそうだな! みんな・・・礼を言う。助かったよ♪ ありがとう♪」

爽やかな笑顔で4体の精霊に感謝を述べる。


「ウフフ♪ 頭撫でてくれればボクは満足だ~♪」

「そうなのか? クスクス♪ ディーナは可愛いな♪」

ディーナは龍徳が頭を撫でてくれた事で幸せそうな顔をして喜んでいる。


「はぁ~ん 龍徳様にその様なお言葉を頂けるなんて・・・私は・・・龍徳様に抱きしめて頂きたいですわ♪」

「感謝の気持ちを魔力供給で表そうと思っていたのに抱きしめるだけで良いとは・・・ほら♪・・・ありがとうなシルフィー♪」

『ヒィアァァァ~』

シルフィードは顔面から火を出しながら固まっているようだ。


「ボクは龍徳が無事だったことが嬉しい♪」

「ありがとうなグノム♪」

そう言ってグノムの頭も撫でてあげた事でグノムも嬉しそうに喜んでいた。


「ハウア~我が主が・・・吾に感謝を~!! 吾感激。」

「危なっ! だから!お前は泣くなって言っただろうが!」

号泣していた為、溶岩が滝の様に溢れている。


ゴン!っと龍徳から頭を叩かれ

「はっ! テヘ・・・吾反省・・・」

「褒めてやろうとした矢先に・・・フッ♪まぁ~これがお前らしいな♪」

イフリートによって燃え始めた場所をディーナが一生懸命昇華している姿があった。


その後、ソーマにも回復魔法を使いソーマが感動したようだ。

「はっ! ハハハ♪ なんとも規格外の男よの~」

その光景を見てソーマが呆れていたが、次の瞬間ソーマ顔が引き締まっていた。


「さて・・・お主に話しておく事がある。」

そう言って先程までの事を龍徳に話し始めたのだった。




「なるほど・・・そんな事になっていたとは・・・」

「で・・・どうするのだ?」

「どうするとは?」

「このまま、あそこを調べに行くのか?」


そう言ってソーマが大岩を指さす

目線を大岩に移しながら何もかもを見通すような目つきで唇に拳を当てる。

思考を巡らせる時のいつもの龍徳の仕草だ。


「フム・・・置いてきた皆が心配しているだろうから一旦戻った方が良いとは思うが・・・」

そう言って太陽の位置を見る。

『太陽の傾きから言って・・・真上か・・・12時頃ってところか・・・』


凡その時間が分かった事で、自分が3時間以上気を失っていた事が分かった。

『あれだけの大爆発があればレイナ達が戻って来ないはずはないな・・・となると・・・今頃レインベール城があった場所にいる可能性が高いか・・・』

そこまで考え口を開く。


「一旦大岩を調べるぞ。」

「グルル・・・分かった。」

大岩まで距離が近かった事で優先度を考えたようだ。


本来であれば死の大地の外れで爆発に巻き込まれたのだから優に80㎞以上吹き飛ばされた事になる。

ソーマはドラゴンの姿であった事と魔力を回復した直後であった事が幸いしたようだが、ドルオーラを全開にしていたとはいえ龍徳が5体満足でいられる訳がなかった事が分かる。


その後、2人は大岩に辿り着くと周囲をソーマが上空より確認していた。

龍徳は大岩に手を当てて何かを思索していた。


『死の大地の断崖絶壁とは言わんが・・・高さ300mはありそうな岩だな・・・』

高さもそうだが横幅も2㎞はありそうな一枚岩であった。

大岩の周囲は、巨大樹が生えておらず草原となっているが、ところどころに15m前後の池のような沼のようなものがあちこちに点在している。


「そんなに深くはなさそうだが、水源が近くにあるって事か? それにしても・・・数が多いな。

大岩の周辺は300m位の草原で囲まれていたのだが、50~60m間隔に水たまりが見えるので数が多く違和感しかない。

その光景に龍徳が何かしら考え込んでいるとバサバサと音を立てながらソーマが降りて来た。


「龍徳よ! 上から見た限りでは特に入り口の様なものはないように思うぞ。」

「ふむ・・・そうなると・・・これ自体が結界の媒介である可能性が高いな」

「なるほど・・・」


「他に気になる事はなかったか?」

「あるな!」

「それは?」

だったら早く言えと龍徳は思ったが、龍であるソーマにとっては大して興味のない事だったようだ。


「先ずは、真後ろにヒビが入っておったな。」

「ほ~ぅ。それから?」

「色が変色している箇所があるな!」


ドヤァ~っと吾頑張ったと言わんばかりに龍徳を見つめる。

「ったく・・・それを先に言え!」

「今伝えたではないか!」


先程の精霊達の様に褒められると思ったのに呆れられてしまい納得のいかないソーマだったが、龍徳に促され大岩の裏側へ向かうと亀裂のある場所と変色している場所を指さす。


「この亀裂・・・大きいな」

そう言って見つめる大岩の亀裂は地面から真上に3分の1位の高さにまで到達している

今やドラゴンの姿40mを超えるソーマにとっては自分が入る事が出来ない小さな亀裂と思っていたようだが、実際には地面近くだけは、横幅が7m近くもある亀裂であった。


変色している箇所は全部で3つ。

地面から100m位の高さにまで薄っすらと色が違う事が分かる。

何かの模様に見えなくもないが大き過ぎて良く分からない。


「この中にいる可能性がない訳ではないが・・・その前の龍の住処も気になるな・・・どちらにしても人手が足らないな・・・」

そう言って何かしらの魔法を唱えると。


「よし!取り敢えずはここまでにしよう。一旦みんなと合流しに戻るぞ。」

「良いのか? あからさまに怪しい匂いが立ち込めておるぞ?」

「さっきも言ったが人手が足らない・・・それと万が一の事は考えてある。」


「グルル・・・分かった。では、龍徳よ吾の背中に乗るが良い。その方が早いであろう?」

「良いのか?」

「ふむ・・・否事を申すな? お主は今や吾の主人でもあるのだぞ?」


そう言われて考えるとそんな事を言われたような気もするが・・・

っと思ったものの小さい時から未確認生物と縁のあった龍徳である。

伝説のドラゴンの背に乗れると言われ少年の様な笑顔を浮かべるには、そう時間はかからなかった。


「魔力の波長を合わせて置けばそうそう落ちないとは思うが、慣れるまでは手を放すなよ! では、行くぞ!」

ふわ~っと浮かび上がると徐々に速度が上がって行く。

『乗せてくれるなら最初から乗せてくれれば良いものを・・・』


っと考えていた龍徳を無視しソーマはさらに速度を上げていく。

『おぉぉ~♪ スゲェ~♪』

「グルル・・・まだまだ~!!」

『くっ!何て速度だ・・・』

そう言って満足そうにソーマは速度を上げていった。



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