小さな小さな 大冒険!! 9
筆者の神龍です♪
一つの小説を書いている間に他の小説を書きたくなってしまったので、新しくアップさせて頂きました。
もし面白かったら読んでくださいね♪
毎週月曜日と木曜日の朝7時に更新します。
「じゃ~早速!魔法と参りましょう!ナツから話は聞きましたが、威力の弱い“ファイアボール“でいきましょう!まぁ~もっと強力な魔法でも結界が2重に起動しているので大丈夫だとは思いますが・・・。」
「ファイアボール?」
「はい!先日ハルが龍徳殿にお見せした奴ですな♪」
「おぉ!そうか!あれか~♪」
「龍徳さん嬉しそう~♪」
「ぐっ!コホン!ま・まぁ~嬉しいかな・・・。」
ハルとナツがクスクス笑っている。
だって仕方がないだろう! これはロマンだ!
「では、龍徳殿はイフリートと隷属紋の契約をされたので、イメージの方が宜しいでしょうな♪ ユラユラ揺らめいているイメージではなく、炎が球体の中を荒れ狂うイメージをしながら魔力を放出してくだされ!」
「分かった!」
イメージは太陽みたいな感じで良いだろう♪ 簡単だしな!
フローにより魔力を身体中に巡らせる。
「フローも簡単に出来るようになってきたな♪では!」
頭上に掲げた掌に太陽のイメージの魔力を放出させた。
その瞬間ズズズっと俺の身体から何かが減った感覚があった。
「なっ!」
「う・・・そっ!」
「龍徳様!いけません!魔法をキャンセルして下さいまし!」
「どうしたの?」
目を見開いて慌てている三人が俺の手を指しているので、恐る恐る目を上げると・・・
「な・な・なんじゃこりゃ~!」
確かにイメージはしたよ?だけど・・・俺の頭上には10m程の火球が浮かんでいた。
「あれが・・・ファイアボールなの?」
「あんなファイアボールは見た事がないぞ!」
「何にしましてもキャンセルさせませんと!」
これ程の炎が頭上にあれば火傷してもおかしくないのに全然熱量を感じない・・・。
「熱くない・・・何で?」
恐る恐る自分で出したファイアボールにもう片方の手で触れてみたが
「やっぱり・・・熱くない・・・失敗か?」
ガッカリして手を下げようとしたら慌てた三人が声を揃えて言い放った
「「「手を下げたらダメ~(だ)」」」
ビクッっと反応して手を上げると
「龍徳様!そのファイアボールの魔力を吸い込むイメージをして下さいませ!」
「なんで? これ・・・多分失敗だと思うよ?」
「失敗ではありませんわ! これ以上は近づけない程の熱量を放っておりますもの!」
「そうなの? おかしいな~? 俺は全然熱くないんだけど・・・」
「龍徳さん!言い忘れたけど術者は自分の魔法による干渉をうけないのよ!」
「そうなの? 考えたら当たり前か? 自分の魔法で死ぬかもしれないもんな・・・分かった!」
掌のファイアボールの魔力を元に戻すイメージをするとみるみる小さくなっていった。
「それ位の大きさであれば問題ありませんぞ!」
今の大きさは直径20㎝ってところかな?
「了解! こんな感じかな?“ファイアボール”」
少し恥ずかしいが声に出すと同時に手を前に向けた。
ドン!と手応えを感じた瞬間にかなりの速度で火球が飛び出した。
手前の結界に当たった瞬間・・・バリ~ンッ!っと結界が砕け散り二つ目の結界との間で、ドカ~ンッと轟音と共に弾けた事で、かなりの威力が伺えた。
「う・・そ・・・ただのファイアボールで、結界が・・・何なのこの威力・・・。」
「やれやれ・・・結界を2重にしておいて正解だったわい・・・。」
白煙が収まると光のカーテンの様な結界に穴が開いていた。
「これは、もはやファイアボールの威力ではありませんな・・・。」
「俺・・・またしても何か失敗したのかな? 才能ない?」
「クスクスクス♪ 龍徳様が才能のないお方であれば、私たちがこれ程驚く事はありませんわ♪」
「本当か?」
「当然でしょう? 私のファイアボールの何倍・・・否、10倍以上の威力だよ? 凄いよ龍徳さん♪」
「あぁ凄まじい才能ですな!こりゃ~今後は対策を考えんといかんな・・・。」
褒められて嫌な気持ちになる人はいない。
「そっか~俺って魔法の際のがあるのか~!」
目をキラキラさせて子供の様に喜んでいた。
「クスクスクス♪ 龍徳様の魔法の才能は私も保証しますわ♪ さて、お次は水の精霊との契約を行いますか?」
「オッと!そうだった! そうだね! 水の精霊と契約してみるよ♪」
するとハルが水の入ったコップを持って来てくれた。
「はい♪龍徳さん。 さっきの事もあるから・・・ちょっと離れてるね♪」
「そうですな・・・まぁ~相性の問題からすれば水の精霊は問題ないでしょうが・・・。」
「そうなの? 良く分かんないが・・・取り敢えずやってみるね♪」
コンプの中に入っている水を見つめながら深呼吸を繰り返し集中すると呪文を唱え始めた。
「水の精霊よ”我が声に耳を傾け給え」
10秒ほどするとコップの中の水が渦を巻きながら持ち上がった。
「おぉ! 今度は・・・どうなるんだ?」
渦が緩やかになると徐々に子供の形に姿を変えていく。
「ふぅ~♪ 流石に水の精霊は“小精霊”だったね♪」
「そうですね」
「フム・・・龍徳殿! その精霊と契約するのであれば、精霊に触れ相性を確かめてくだされ!」
「相性って?」
「精霊に触れれば分かりますわ♪」
言われるが儘、恐る恐る目の前の水の精霊の手に触れてみた。
その直後、俺の頭の中に誰かの声が微かに聞こえ始めた。
気のせいか・・・? と思ったら今度はハッキリと聞き取れた。
「お兄ちゃん・・・ボクと・・・お友達になってくれるの?」
「おぉ!声が・・・声が聞こえる!って・・・当たり前・・・ あれ? この子口が無いけど・・・どうやって会話したんだ?」
俺の目の前の水の小精霊は、輪郭はハッキリしているものの水そのものだったので、顔がない。
「クスクスクス♪ 龍徳様、小精霊は、どの属性であっても人間の様に会話をする事が出来ませんわ♪」
「そうだよー だからね~ 相手に触れる事で相手に直接話しかけてくるんだよ~♪」
なるほど・・・さっきのは、俺の脳内に直接話しかけていたのか・・・凄いな精霊。
「フム・・・愛称は問題なさそうですな! 龍徳殿が気に入ったのであれば、契約すると伝えるだけで契約が完了しますぞ!」
「分かった!ありがとう♪」
目線を水の精霊に戻すと相手の手に触れて話しかけた。
「俺の名前は龍徳。神谷龍徳だ。俺と友達になりたいのかい?」
「うん♪ ボク、貴方と契約したいの♪」
「そうか♪ だったら俺と契約してくれるか?」
「はい♪ 喜んで♪ わ~い♪ わ~い♪」
俺の周囲を小躍りしながら動き始めた
「おっと! 大事なお願いがあるんだけど・・・ボクのお願い聞いてくれる~?」
人間の形をしているんだけどマスコットみたいで可愛らしい。
「フフフ♪どんなお願いだい?」
「ボクにお名前を付けて欲しいの~♪」
「あっ! ごめんね! そう言えば、そんな事言われてたな・・・名前かぁ~・・・」
名は体を表すって言うし・・・ペットぽい名前だと・・・嫌がるかな・・・成長するって言ってたもんなぁ~・・・
「名前を決める前に聞きたいんだけど・・・君は男の子? それとも女の子?」
「男の子~? 女の子~? ボク良く分かんな~い♪」
キョトンとした顔で、俺をまじまじ見つめている。
「龍徳様!精霊には性別の様なものは存在しませんわ!」
ナツが離れた場所から教えてくれた。
「そうなの? そっか~・・・ん~ だったら・・・可愛い名前とカッコいい名前どっちが良いのかな?」
「う~ん・・・カッコいい名前が良い!」
元気一杯に教えてくれた。
「分かった・・・そうしたら・・・君の名前は・・・今日からディーナ! 水の精霊♪ オン=ディーナだ!」
「オン=ディーナ? ボクの名前は・・・オンディーナ♪ カッコいい~♪」
「気に入ってくれたみたいで嬉しいよ・・・?」
小躍りしながら喜んでいたディーナが水ではなくハッキリと人の姿へと偏したのだった。
「あれ・・・ディーナ? なんなの・・・その姿・・・。」
「なにが~?」
自分の変化に気が付いていないのか、無邪気な顔を向けてくる。
「何が・・・って・・・自分の姿が変わったのが分からないのか?」
「う~ん・・・?」
するとディーナはフワフワっと鏡の場所まで移動すると大声で喜びだした。
「やった~♪ 可愛くなった~♪」
一通り小躍りしながら喜び終わるとフワフワと俺のところに戻ってきた。
「龍徳~♪ ありがとう~♪」
満面の笑みで喜んでいるディーナは10歳位の少女の姿になっていた。
「そんな・・・小精霊が人型の姿になるなんて・・・」
「これは・・・既に中精霊に進化したという事なのか?」
「だけど・・・精霊召喚したばかりなんだよ? そんな事ってあるの?」
なんだか周りが煩い。
「どうした~? 何か問題でもあったのかい?」
俺の問いかけに未だ呆然としている3人
「聞こえないのかな? まぁ~良いや♪ じゃ~ディーナ!これから宜しくね♪」
「うん♪ ボクの方こそよろしくね~♪」
「何か娘が出来たような感じだな♪ 今日はこれで戻って良いよ♪ また呼ぶからね♪」
「分かった~♪」
すぅ~っと姿が消えていった。
「無事に契約が終わったよ♪ 水の初級魔法はなんて魔法なの?」
俺の言葉が聞こえたのかナツが、ハッっと気が付いたように答えてくれた。
「も・申し訳ありませんわ・・・水の魔法でしたわね♪ でしたら・・・・ウォーターボールですわね♪」
「ウォーターボール?」
「これは、私が実演して見せますわね♪ 」
そう言いながら掌を頭上に上げると球状の水の珠が現れた。
「ウォーターボールとはファイアボールと同じ感じですわね♪ 水を球体状にするのが一般的ですが、球体の中の水に水流を作り出す事で威力を上げる事も出来ますわ♪」
すると球体の中の水が凄い勢いで回り始めた。
「おぉ!ナツ凄いな! えぇ~っと・・・こんな感じかな?」
イメージは水風船だ!ポワァ~っと水が現れだすと丸い水の玉が浮かび上がった。
「はぁ~・・・龍徳様の魔法センスはずば抜けておられますわね・・・。」
ナツが目をパチクリさせながら褒めてくれた。
「ありがとう♪ そう言ってくれると嬉しいよ♪」
「いやはや・・・火の逆属性の水魔法を直ぐに使えるとは・・・それだけでも規格外ですな・・・。」
魔法の事は良く分からない、どう言う事なのだろうか?
「それって・・・どう言う事?」
「あのね~龍徳さんがさっき召喚したイーフリートって火属性の最高峰だったでしょう?」
「そうみたいだね?」
「って事は!龍徳さんは炎の魔法に特化している事は間違いないんだよ!そうなると炎と水は逆の属性だから相性が悪いはずなんだよね・・・使えないとは言わないけど・・・。」
「んん?何が言いたいの? 使えるんでしょう?」
「そうなんだけどね・・・その場合・・・かなりの練習が必要なんだよね~・・・。」
「クスクスクス♪ 龍徳様♪ ハルは練習もしないでイキナリ魔法が使えた事に驚いているのですわ♪」
「あぁ!そう言う事か! 何で使えたんだろう?」
「クスクスクス♪ だから先程、龍徳様の魔法センスがずば抜けていると申しわのですわ♪」
そう言えば、そんな事言っていたな・・・。
「なるほど・・・だったら・・・グルグル回る方も出来るかな?」
頭上に掲げた右の掌にある水の玉に水流をイメージする。
「これは・・・意外と難しい・・・」
グルグル回り始めるとグニャグニャと動いてしまい球状を維持出来なくなってしまった。
「あらあら♪ 水流を意識し過ぎているからですわね♪ 球体の中で水が回るイメージが大切ですよ♪」
言われてやってみるが上手くいかない・・・どころか・・・渦の様に大きくなってしまった。
「あちゃ~上手くいかないな・・・意外と難しいんだね~♪」
腕を上げ続けるのも疲れるので、結界に向けて放とうとしたらまたしても
「「「ストップ~!」」」
「どうしたの?」
「有り得ないわ・・・。」
ナツが呆然としながら呟いている。
「龍徳さん! さっきの要領で魔力を体内に戻して!」
「あれって・・・ウォータートルネードだよな・・・?」
アキが呆れた顔して呟いた。
こちらも良ければ呼んでくださいね♪
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