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小さな小さな 大冒険!!  作者: 神乃手龍
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小さな小さな 大冒険!82


正確には見えてはいないのだが、その何かがハジャを貫くと一瞬だけ光が見えるのだ。

その後も何度かその光に貫かれたハジャが最後に頭を貫かれると成す統べなく地上へ落ちていく。


「グフッ・・・」

「ハル今じゃ!アビス!!」

「これはチャンスね!ギガファイアーランス!!」


アキはハジャが落ちるであろう場所へアビスを放ち、ハルはハジャの頭上から巨大な炎の槍をいくつも放った。

次々に炎の槍がハジャに着弾すると成す統べなくアキのアビスの中へ消えていくのだった。


「「ふぃぃぃ~やばかった~!」」

さすが親子・・・全く同じセリフとへたり込む姿まで同じであった。


「さて・・・こっちの仕事はここまでだな・・・」

「うん・・・も~ヘトヘトだよ~」

「後は、奴らの逃げ道を確保する仕事が残っておるんじゃからシッカリせんか!」

「そうだったね・・・もうひと踏ん張りしないと!」

「その意気じゃ!では行くぞ!」

「うん」



そして、先程の光の正体はお分かりの通りレイナの仕業 だ。

あれだけの魔法を何故使わないかの答えでもある。

真反対にいた敵に対して意図せず攻撃してしまう・・・。


要するにレイナの意志でコントロールしきれない魔法なのだ。

そんなものを地上で使われたら仲間を全滅させてしまう事は言うまでもないだろう。

なので、龍徳から厳しく使用条件を言い渡されていたのだった。


レイナが必殺技を用意したいと言って来たため龍徳がレイナの特訓に付き合っていた時の事・・・

『う~む・・・出来るとは思ったが・・・これは危険すぎる魔法だな。』

「どうでしょうか神谷部長♪」

全力のドヤ顔で褒めて貰いたい事は想像に容易いが・・・


「レイナ君・・・その魔法は諸刃の剣だ・・・自分だけではなく周りの人を傷つけかねない・・・」

「えっと・・・」

自分では上手く行ったと思っていたらどうやら龍徳からしたら欠点が丸見えなのだろうとレイナは考えた。

その為、ションボリし始めたのだったが


「この魔法は間違いなくレイナ君の最強魔法だ・・・だから使用する条件を決めた方が良さそうだ」

「使用条件ですか?」


「そうだ。いずれは完全にコントロール可能かもしれないが今は無理だろうからね♪」

「確かに・・・速過ぎて自分では一瞬で止まったつもりでも・・・」

そこまで言って龍徳が言いたい事を理解した。


「そっか・・・直線的な動きならまだしも他の動きも加えたら危険ですよね・・・」

「そう言う事だ。魔法によって精神生命体の様な状態だからレイナ君が怪我をする事はないだろうが周りを巻き込んでしまう。それと、アキが得意としているアビスの様な吸収魔法を等は致命的な弱点になるだろう。」


「あの魔法・・・そこまで危険なんですか?」

「そうだ。アキは魔力量が増えた事で使える様になったものの自由自在に使える訳ではないからな。まぁ小人族の限界があるのかも知れない。だが、万が一、アキが自由自在にアビスを展開できるようになったらレイナ君は一瞬にして抜け出す事が出来ない程の危険な魔法だ」


その言葉を聞いてブラックホールに光が吸い込まれるという話を思い出す。

「な・なるほど・・・では何故、この魔法を私に教えて下さったんですか?」


「簡単な話だ・・・使いこなせるなら最強の魔法である事は間違いない♪ 要はどんな物でも使う人に寄るって事だね♪」

「なるほど・・・では、どうしたら良いんでしょうか?」


「そうだな・・・色々検証していかないと難しいだろうが・・・取り敢えずは空中での使用である事と使用時間を5秒程度までにすれば危険性は随分減るだろうな」

「なるほど・・・分かりました♪ とは言っても動くと魔力を半端なく使うからどの道5秒位しか使えないですね♪」


「まぁ全部直撃させる事が出来たら1秒間に3000回以上のダメージを与える事が出来るだろうから十分すぎるがな・・・」

とは言ったのもの万が一、本当に使いこなす事が出来たら1秒間で倒せない者は存在しないだろうなぁ~と龍徳は思っていたのだった。


っと言う遣り取りがあって今に至る。

空中ならとの事だったので、レイナは気にもしていなかったのだが、偶然にもハル達を助ける事になったなど知る由もなかったのである。





その頃、ソーマは・・・

「あ奴の言った通り吾の方には敵がおらんとはな・・・否・・・だからこそあ奴の言っていた可能性が高いという事か・・・」

そう独り言ちで、城を眼前に踵を返した。


「さて・・・では吾は約束通り動くとしよう。」

そう呟くと頭上に手を掲げ何やら魔法を放出すると高く舞い上がったところで爆発し広範囲に光が降り注ぐ。


「グルル・・・やはり面白い男だ・・・」

そう言って来た道を戻って行くのであった。




そして、龍徳と龍聖は・・・

「パパ~お城大きいね~♪」

「そうだね~♪」

巨大な森林を抜けたら眼前に城の全貌が見え始めていた。


『俺の予想ならソロソロだと思うが・・・』

龍徳が思案していると城の反対側から一筋の光が舞い上がり花火の様に光が降り注いだ。

『フッ♪ そっちは頼んだぞソーマ!』


そして、少ししてから左右からも同じ様に花火のような光が打ち上げられた。

『レイナ達もハル達も予定通りだな・・・』


「パパ~花火綺麗だね~♪」

「そうだね~花火綺麗だね~♪」

目をキラキラさせ龍徳を覗き込む龍聖を見て


『はぅっ うちの子超~かわいい~♪ 何この子天使なの?』

ニコニコ顔の閉まらない顔をした龍徳の姿があった。


「オッと・・・気を引き締めていかなければ・・・さて・・・龍聖、パパと約束した事は覚えているね?」

「あい!」


「良い返事だ♪ じゃ~行くぞ!」

「オォ~♪」


そう言って城の正面階段へと進むと門番によって当然足止めを喰らう。

「何者だ! 誰の許可を持って来られたのか!」

そう言って長槍を構えた門番たちに周囲を囲まれた。


「誰の許可か・・・フッ♪ それならば当然・・・ナツ・・・否、ナターシャ・ディナスティー・レインベール!この国の王女に決まっているだろう!」

龍徳の言葉に門番達に一瞬の沈黙が起こる。そして・・・


「「「「「「バカを申すな!!!」」」」」」

「何がだ?」


「ナターシャ様は既にお亡くなりになったのだ!」

「そうだ!このペテン師が!」

「今は亡きナターシャ様の名を語るなど言語道断!」


門番の怒り口調に龍徳は・・・

「フム・・・どうやら洗脳されている訳ではないようだな・・・」

「何を言っている? 何にしてもお前が怪しい奴である事は間違いない!」


龍徳の事だから門番を倒して進むのかと思いきや争う気が無いようだ。

「ところで・・・何故お主は子供を連れておるのだ? 何処の町のものだ?」

龍徳の言葉に門番達が武力行使の姿勢を取った事で龍聖が龍徳の後ろに隠れる様に顔だけを覗かせる。


「パパ~この叔父さん怖いねぇ~」

「仕方がないんだよ♪ この叔父さん達もお仕事だからね♪ 門番なら当然の事なんだよ♪」

「そうなの~? そっか♪ だったら頑張ってね~門番さん♪」


「おい!質問に応えんか! 何処の町から来た! 子供がいようが看過できんぞ!」

「まぁ~そんなに目くじらを立てるな♪」

「話にならんな・・・無駄な抵抗はするなよ!馬鹿な事をすれば子供も無事では済まされんからな!」


『フム・・・そろそろ頃合いか・・・』

「さあ~大人しく付いて来て貰うぞ!」

門番がそう言い放った瞬間、龍徳は龍聖を抱き上げ一瞬にして城内へと入り込んだ。


「「「「「「なっ!!!」」」」」」

「し・・・侵入者だ!!」

「ひっ捕らえろ!!」

のらりくらり話していたと思ったらイキナリ侵入されたのだから慌てるのも無理はない


中に侵入した龍徳は門番達が追いかけて来る事を確認した後・・・

「パパ~にげろ~♪」

「おぉ~♪」

場内を反時計回りに走り出した。


「クソッ!なんてすばしっこい奴だ!」

そして正面入り口の右側・・・要するに南門が見えた時・・・


「賊だ!捕まえろ~!!」

後方からの大声に南門の門番達がぞろぞろと行く手を遮ったのだった。


「鬼さんこちら手の鳴る方に♪」

龍聖にとってはこれもパパとの楽しいひと時に過ぎないようだ。


「キャハハハ~♪ パパ~鬼ごっこ楽しいねぇ~♪」

龍徳に肩車されている状態で龍聖の嬉しそうな声が聞こえるだけで幸せ満面の龍徳の姿がある。


「「「「クソッ!何が鬼さんだ!!」」」

龍徳が襲い来る門番を闘牛士の様にひらりひらりと躱していると後続の門番達が追い付いてきた。


「よし!全員で取り押さえるぞ!」

そう言って一斉に飛び掛かって来るが・・・


「はい♪ お疲れ様♪ じゃ~次行ってみよう♪」

そう言って一瞬で数十メートル離れたところに移動する。


「「「「「なっ!」」」」」

「クソッ!さっきと同じだ・・・どんな手品を使っているんだ?」


そして今度は東門の方へと走り出す。

「鬼さんこちら~♪」

またしても龍聖が楽しそうに手を叩いて遊んでいるのだが・・・


「「「「「馬鹿にしおって~!!!」」」」」

『う~ん・・・この性格は俺の子供の頃とそっくりだな・・・ゴメンね門番さん達・・・本人は馬鹿にしているつもりはないんだよ・・・俺もそうだったから良く分かる・・・許してね♪』


「「「「「ゼェ~ゼェ~ゼェ~ま~て~」」」」」

「ゆっくり走っているんだけど・・・そうだよなぁ~・・・これが本来の小人の能力だよな~良かった~作戦変更しておいて・・・」

龍徳としてはそぉーっと走っているだけなのだが本来の小人族の身体能力など騎士と言っても龍徳達からしたら大した事はないのだ。


鍛えまくったナターシャ達と一緒に過ごす時間が長すぎた事でスッカリ忘れていたが、本来小人族は巨人族の40分の1以下の身体能力しかないのだ。

正確には、速度は体重が軽くなる為40分の1程度だが、パワーとなると64000分の1しかないのが通常だ。


巨人族が鎧を着こんだとしたら誰でも走力は半減してしまうだろう。

要するにどんなに全速力で走ろうが遅いのだ。

小人族の騎士や戦士のトップクラスは通常の3倍程度の身体能力があると以前聞いていたが、それでも瞬間的に出せる最高速度で時速3㎞に届かない。鎧など盾や剣など持ってしまえば精々時速1.5㎞程度であった。



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