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小さな小さな 大冒険!!  作者: 神乃手龍
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小さな小さな 大冒険!71


「「「「おおぉ~!!」」」」

「天才・・・天才よこの子!」

「相変わらず天才レイナは頭が良いねぇ~♪」


「詐欺師並みのテクニックね!」

「ポンコツレイナは黙っていなさい!」

「酷っ!」


「でも確かに・・・神谷部長にはそういう感じで話した方が効果的よね♪」

「ええ♪ だから部屋に閉じこもって等いれらませんわ!」


「そうね! こうしている間もレイナさんと2人っきり・・・龍聖君もいるから大丈夫だとは思うけど・・・」

「そうれはどうかな!」


「何が言いたいのよお馬鹿レイナ!」

「フッフッフ・・・2人は何か忘れていないか?」


「「何を忘れているって言うのよ」」

「それは・・・」


「「それは?」」

「龍聖君は遊び疲れているという事だ!」


「「あっ!!」」

「私も気が付いてたからね♪」

「そうですわね♪ だから強引に聞き出した方が良いのよ♪」


「Mレイナは黙ってて!」

「はぅ! 自分の分身に詰られるのも何とも言えないかも♪」

「「「「変態だわ・・・」」」」


「そんな事より・・・確かに龍聖君が眠ってしまうかも・・・」

「フッフッフ♪ 何か危険な匂いがしてきたわね♪」


「意味が分かって言ってるの?」

「ちょっと言ってみたかっただけよ♪」

「「さすがポンコツレイナ・・・」」


「でもこうしてはいられませんわね・・・」

「そうね! では、さっきの天才レイナのご褒美&部長の優しさに付け入る作戦を実行します!」

「「「「異議なし!!」」」」






コンコンコン・・・

「レイナです。入っても宜しいでしょうか?」

「れ・レイナ君・・・ちょ・ちょっと待ってもらえるか?」


『何で・・・レイナさんがいるはずなのに・・・何か嫌な予感が・・・』

「申し訳ありません!失礼させて頂きます!!」


強引に部屋に入ると龍徳に支えられて服装を乱しながらビクン、ビクンっと痙攣するナツの姿があった。

「なっ!ななななな・・・何を・・・ま・まさか・・・そ・・・そんなぁ~え~ん・・・部長が~、部長がぁぁぁ~」


「何を勘違いしているのかは知らんが・・・ち・違うぞ!? 俺は魔力を注いでいただけだからな?」

「え~ん・・・ん? 魔力を注いでいただけ? ヒック・・・」


涙を拭いながら良く見ると確かに2人共服は着ているし服装が乱れているのはナツだけであった。

「本当に? これっポッチも変な事してないんですね?」


「してない!」

「じゃぁ~何でナツさんに魔力を注いでいたんですかぁ~」


「ナツには魔道具作りを手伝って貰っていただけだ!」

「グスン・・・だったら私もお手伝いします。」


「えっと・・・」

「昨日も今日も部長の為に龍聖君と一緒にいたのに・・・私って足手纏いですか?」


「そんな事はないぞ?」

「だったらご褒美に私にもナツさんと同じ事をして下さい!」


「ご褒美? ナツと同じって・・・小人の国の入り口に行った事を言っているのか?

魔力を注いで貰おうと思って言った言葉だったのだが、龍徳から出た言葉はレイナの予想していない事であった。


「小人の国の入り口に行ってたんですか?」

「・・・やれやれ・・・心配かけたくなかったから言わなかったのに・・・」


「どう言う事ですか?」

「取り敢えずナツを布団に連れて行ってから教えるよ♪」

そして、意識を失ったナツを横たわらせてから昨日と今日の出来事をレイナに話して聞かせたのだった。



「なるほど・・・良く分かりました。・・・あれ?」

話を一通り教えて貰い龍徳の凄まじい慧眼に感服すると同時にくだらない事を思い出す。

「どうした?」


「いえ・・・大した事ではないんですが、来る時にハルちゃんが・・・」

『小人の国の初代国王が契約した風と光の精霊王による結界だよ♪ 王族に連なるものの言葉でしか入れない様になっていて・・・』


「って言ってませんでしたっけ?」

「そう言えばそんな事を言っていたな・・・だが、普通に出入りで来たぞ?」


「そう言えば、結界の外に他の小人族も出れるんでしたよね?」

「だが、王族の血に連なるものとは言っていなかったし、現在正確にはナツは王族ではないからな・・・」


「そう言えば、そうでしたね♪ って事は詠唱があれば誰でも・・・」

「いや・・・それも必要なかったな・・・」


「へぇ~ナツさんが起きたら教えて貰った方が良いですかね?」

「ふむ・・・意外とそこに答えがあるのかも知れないな・・・」


そして、少し考えこむと

「レイナ君! 明日は俺に付き合って貰っても良いか?」

「はぅ♪ ご褒美来たぁ~♪ はい!はい!はい! 喜んで♪」


『ご褒美って・・・まぁ~本人が喜んでいるから良いんだが・・・』

「ナツにも話したが、まだハルとアキには内緒にしてくれ。」

「そうですね。話が話だけに余計な不安は持たせない方が良いかも知れませんね・・・」


「そう言う事だ。」

『フッフッフ♪ これで明日は神谷部長とデートだわ♪』


そこには、いつものキリっとしたレイナの姿はない。

既に妄想の住人と化したレイナは、先程までの不安を払拭し、明日は龍徳と2人っきりと夢の世界へと旅立つ。


「ん~・・・レイナ君は偶にこういう顔になる時があるな・・・可愛いけど♪」

そんな事を龍徳に思われているなど知る由もなかった。



そして、意識の目覚めたナツに話を聞き明日はナツが龍聖の面倒を見る事となったのだった。

元が巨人であるレイナはナツよりも足が速いと言っても龍徳の本気には程遠い。

その為、昨日のナツ同様に龍徳にお姫様抱っこされながら小人の国の入り口を目指す事となった。


『はぁ~♪ し・あ・わ・せ・・・・』

龍徳に抱かれ夢の世界の住人と化していた。

先程から何度か名前を呼ばれているのだが、余りの幸せに未だ気が付かない。


「レイナ!!」

5度目の呼びかけは大きな声で呼び捨てにされると・・・


「は・はい!!」

「ったく・・・目的地に着いたから好い加減に降りなさい!」

「目的地・・・えぇ~ついちゃったんですかぁ~? 痛っ!」


デコをパチンと指の腹で叩かれる。

「お前は何しに来たんだ?」


「えっと・・・お手伝いです・・・ごめんなさい・・・」

シュゥゥゥーッっと魔道具なしで小人の様に小さくなって行く。


「さて・・・結界の外に出たな・・・」

「そうですね・・・でもあっちの景色が見えてますね・・・」


「ああ。最初の時は結界の封印を解除して景色が変わったんだが・・・」

そう言って一枚のメモ紙を取り出す。


「では、私は結界の内側に戻りますね。」

「頼む。」


「では、予定通り10分以内に部長が戻られなかった場合は町に戻ります。」

「悪いな。」

「いえ! これは私にしか出来ませんから♪」


龍徳達は何をしようとしているのか・・・

それは、ナツが目覚めてからの昨晩の話になる。




「そう言われれば確かに・・・私とした事が全く気が付きませんでした・・・。」

「そこで明日はレイナと調査に向かう事にした。」


「それは構いませんが・・・どうされるおつもりですか?」

「その前に・・・小人の国の入り口に入る時の呪文をメモに書いて貰っても構わないか?」

そう言ってメモ紙を取り出してナツへと渡す。


「ええ。構いませんが・・・」

そう言いながらスラスラと掻き始めた。


「これでよろしいですか?」

そこには、『我が名はナターシャ・ディナスティー・レインベール!古の契約に基づき!我が前に真実を顕せ!』と『我が名はナターシャ・ディナスティー・レインベール!古の契約に基づき!我が前に真実を隠せ!』と記されている。


「先程の質問だが・・・この名前の部分を俺の名に変えて詠唱したらどうなるのかの実験だ♪」

「なるほど・・・恐らく問題ないと思いますが・・・何分ここまで頻繁に出入りを繰り返した事などありませんでしたから・・・」


「それはそうよね♪ あんな危険な森を卒中抜け出せる訳ないもの♪」

「ええ。 なので、龍徳様のお話を聞くに恐らく暫くは封印が解かれたままの状態になっているだけだと思うのですが・・・」


「フッ♪ 確かに外の世界から封印を解いて中に入ったら外がどうなっているかなど分かる訳がないものな♪」

「そうですわね・・・」


「そこで、明日はレイナ君を封印の手前にスタンバイして貰い、俺だけ外から呪文を唱えてみようと思う」

「で、万が一神谷部長が元に戻れない場合は私がナツさんを呼びに戻って来るから急いで部長を助けに戻るって段取りよ♪」


「なるほど・・・それであれば、足の速いレイナさんが最適ですわね。」

「そう言う事♪」




ってな事があって今に至る。

「我が名は神谷龍徳!古の契約に基づき!我が前に真実を隠せ!」

その瞬間景色が歪んでいる小人の国の入り口がパァァァ~っと輝きを放ち始めた。


「眩しい・・・部長・・・」

目が眩む光が収束していくと・・・

「あれ?」


当たり前の様に龍徳の姿が目の前にあった。

「どうやら変化がないようですね?」

目の前の龍徳に声を掛けるが、レイナの言葉を無視して龍徳が何かをジッと見つめている。


「どうしたんですか?」

すると龍徳がレイナに手を向け乍ら近づいてくる。

「へっ?」


まさか!そう思いバッっと後ろを振り返るが危険な生物などはいない。

「どうしたんですか部長?」


揶揄われているのかと思いもう一度声を掛けるが・・・

「あっ・・・もしかして結界が働いてるのかも・・・部長~? 本当は聞こえてますかぁ~?」


大きな声で話しかけるがやはり龍徳は微動だにしない。

「ウッフ~ン♪」


大胆にもスカートの裾を上げて龍徳に見せ始める。

「あれ・・・見えてたら神谷部長が怒るはず・・・やっぱり見えてないんだぁ~・・・へぇ~結界の中からだと・・・こんな風に見えるんだぁ~・・・」


そして、龍徳がどんどんレイナへと近づいてくる。

「チャ~ンス!!」


すると、レイナの目がギラっと光る。

「部長からは私が見えないんだから・・・これは事故だわ!」

訳の分からない事を言い出すとソソクサと龍徳の前へと移動するレイナ。


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